<拘りの小部屋>
victorinoxそれは夢
ビクトリノックスそれは希望
ヴィクトリノックスそれは未来

ビクトリノックスマニア、ビクトリノックス気違い、
ビクトリノックスオタクビクトリノックスストーカー、
何とでも呼んでください。

 インターネットもファックスも携帯も持てなかった
昭和50年代。三宝商事様宛に、往復はがきに
質問事項を書いて情報収集にいそしんだ。
A&Fの赤津様、ファスナーズの和田様(故)にも
手紙を書き、大変お世話になった。
最大級は、菊幸の大瀧様である。
刃物はもとより、よく飲みにも連れていってもらった。

 この場を借りて、御礼申し上げます。

 中学生が、失礼の無いように必死に考えた。
月末や、長期休暇の時期はマズイと思って
避けたりした。極力調べた結果のみを書き、
教示して戴くようにしたり、
質問の数も厳選し時間を取らせ無い様にした。
 「そうゆう商売だ。」と言えばそれまでだが、
中学生の稚拙な質問に時間をさいて
戴いたことに感謝し、

 誠に勝手ではありますが、後学の為にHPを
記載することで、恩返しの一部に替えさせて
いただけたらと思います。

*更に誠に勝手ながら、以下敬称は
極力省かせて戴いております。

はじめに (ごあいさつ)
その1
  (ルーズベルト、リュトリ、スイスアート)
その2  (プルーナー各種)
その3  (もれ刻印、パテント、面白ツール)
その4  (MP3、スイスツール限定、700年未入荷、ポルシェ)
その5  (A&G、72AP、雲母、イミテーションタートル、古川)
その6  (SA-16、AK、ジャッキーチェン)
その7   (前世紀最大の謎???)
その8  (ソルジャー、125周年)
その9  (書籍等)
その10 (その他)
拘りの小部屋(年代の判別と時代ネタ)
その12  (更なる進撃)
その13 (新たなる門出)
戻る    (365日、備忘録)


*以下の資料は、三宝商事もしくは
、ビクトリノックスジャパンのカタログベースなので、
スイス本社や、店頭・出荷ベースとは、
差異があります。
カタログも毎年定期的に出ている訳ではなく、
入手出来なかった歳もあるので、
確認不可能のものもあります。


<ゴルファーと言う名のモデル>
 時代によりツール内容が異なる。
1980年(0.31 02.00) 
      ブレード大小、コルクスクリュー
      ハサミ、ピンセット、爪楊枝、6800円。
1985年(0.16 02.00) 
      ブレード小が缶切り兼用栓抜きに変わる。
      6800円。
1986年 カタログ落ち。
1994年(1.34 08) 
      ハンドルにスイングする男。4300円
      ブレード大、フォーク、ハサミ、ピンセット、
      爪楊枝、マルチフック、ボールペン、ピン、
      メガネドライバー。
2001年 カタログ落ち。

<スタンダードについて>
1980年  「スタンダード」という名称。
1993年  「スタンダード・スパルタン」に変更。
1996年  ウエーブブレード 3,100円で突如販売。
     ただし、ブレードは古い刻印。1999年まで販売。

<PK74mmシリーズ>
1980年  エクゼクティブ、ディレクター、アンバサダー、
      ウィンザー、プリンス、カバリエール、エスコート
1981年    同じ
1987年  エクゼクティブ、ディレクター、アンバサダー、
      ウィンザー、プリンス、エスコート
1990年  ディレクター、アンバサダー、マネークリップ、
      アンバサダーカモフラージュ
1993年  ディレクター、アンバサダー、マネークリップ
1995年    同じ
1996年    同じ
1998年    同じ
1999年    同じ
2001年  マネークリップのみ
2004年    同じ
2006年  マネークリップ、シガーカッター

<軍手>
1999年  4種類3サイズ。園芸用?

<モーゼルナイフ>
1984年 8000円。限定モデルとしてカタログ掲載。
1986年 6000円。限定表記無くなる。
1987年 6000円
1990年 6000円
1993年 4700円
1996年 5500円
2001年 カタログ落ち

(番外編でワルサーモデルもある。)

<ロックブレード>
1990年10月 発売開始、赤地に銀十字
1993年03月 グリーンハンドルに銀十字
1996年02月 赤地に白十字、グリーン無し。
1995年03月 サイドロック登場

向かって左は、
ジャーマンソルジャーの初期型。
年号は入ってない。
右側がサイドロック第一号で、
ノコギリ巾が広い。



<スイスチャンプのペンチ>
1987~1988年  1期(段差無し)
1989~1992年  2期(段差あり)
1993~1996年  3期(バネ溝あり)
1997~1998年  4期(端子潰し)
1999~2010年  5期(ピンに窪み)

<スイスチャンプ ラインナップ>
1987年  赤、黒、白。シェル等は未発売。13,000円
1990年  シェル、スタック、ホーン登場。
1993年  赤、黒、白、時計赤、時計黒。
1994年  赤、黒、白、時計赤、時計黒無くなる。
1995年  赤、黒、白、時計赤。
1996年  赤、黒、白、青、時計赤。
1998年  同じ。
1999年  同じ。
2001年  赤、青、黒、時計赤。白無くなる。
2004年  シェル、スタック、ホーンに「ピンセットは
       付きません」の告知。ルーペの枠はグレー。
       サイバーツールライトのルーペの枠が
       透明になる。
        P型ドライバーのバネ変更
2006年  時計付き無くなる。
2008年  青無くなる。
2010年  ルーペの枠透明になる。
       ウッドハンドルにもピンセット付かない。
       
 *2010年09月26日現のスイス本社のHPでは、
赤、黒、青、T赤、T青、パール、
ハードウッド(社印は、焼印)
となっている。スタックとホーンが入っていない。
 入れ替わりは、結構激しい。

<グランプリ>
1980年 角型+ドライバーで2種類。
1990年 +ドライバー 丸型に変更
1993年 NO1のみマルチフック付く
      コンビーフオープナー付かなくなる。
1995年 カタログ落ち

<アングラー&フィッシャーマン>
1980年 ハサミとスケール 「アングラー。
      10000円のみ。
1985年 コルクスクリューが+ドライバーの
      「フィッシャーマン」登場。
1987年 各7500円
1990年~1992年 
     「PLIフィッシャーマン」(1.47 5372)
     コンビーフオープナー付き。9500円
1995年 ハサミ、+ドライバー、マルチフックが
     「フィッシャーマン」。
      ペンチ、コルクスクリュー、
     (フック、ハサミは無し)が「アングラー」。

<ビガー&ビゲスト?>
1999年  XLグリーンハンドル(20本限定)で、
      販売店向けに販促ノベリティーとして配布。
      反響が大きく、100本のみ部品を確保して
      生産するが、手作業の為遅れたとの事。
      同じモデルのレッドハンドルを市販20,000円。
      ハンドル厚4センチ。
      (スイスチャンプは、自動組み立ててライン。)
       「ロックブレードXLのグリーンハンドルを
      アメリカで配り、好評だったので日本でもやった。」
      という噂が、大阪の某店より出る。
      未確認情報である。
       ワークチャンプXL発売、24,000円。
       日本橋木屋よりアンバサダーの
      シルバーハンドル発売。
       クロムハーツ、ティファニー、A&Gの
      シルバーハンドル出廻る。
2000年  サイバーツールXLT 25,000円。
       ハンドル厚4.2センチ。
       XLのゴルフフォークが抜けて、ビットドライバーが付く。
2003年  XXLT(ライター付き)   ハンドル厚6.5センチ
2006年  XAVT(ライト、時計付き、ライターは無し)
       ハンドル厚6.5センチ
2022年  XXL(73機能)
       湘南の直営店にて、デベロッパー11周年記念で、
      11本世界限定のXLT青ハンドル販売。


 *こういったモデルは、期間限定もしくは、年間定量生産なのか、
スイスの本社のHPには、XLTが載っている。(2010年12月現)
 使うには、XLTが限界だと思う。指が届かない。ビクトリノックスは、
「実用的とは言い難いが、マルチツールメーカーの威信に賭けて作る。」と
言っている。こういったお祭的生産は、むしろどんどんやって欲しい。

<コレクターナイフ 9999本限定でシリアルNo入り>
1983年  モーガン    1315 スタンダード   23,000円
1984年  ラウペン    1339 キャンパー    22,000円
1985年  ゼンバッハ   1386 トラベラー      22,000円
1986年  ネッフェル   1388 ハントマン     18,400円
1987年  セントヤコブ  1444 サイエンティスト 以降定価不明
1988年  不明
1989年  ムルテン    1476 フィッシャーマン
1990年  不明
1991年  リュトリスブール1291 PLIスタンダード
 コレクターシリーズは、1991年以降は不明。

<その他の限定と?>
1984年  100周年(5種類)
1990年  アンバサダーシリーズ(10種類)
1991年  スイス700年記念(4種類+α?)
1996年  エスノナイフ(2+4種類+α)
1997年  オルゴールセット
       オフィサー100周年(2種類)
2000年  V7(時計)購入者ゼブラクラシックプレゼント。
       V7ギョウシュセット
2001年  ポパイ誌共同購入企画
       (クラシック3種)各3,000円
2002年  トランスルーセント イエロー。
2003年  ステイグロウ、スイスペン。
2004年  蒔絵クラシック(120周年かは?)9,000円
       スイスアート、ミニカーセット
2005年  アーティストエディション
2007年  ミッレミリア
2009年  伝統企業、デザイナーコラボ、
       125周年記念各種、
       直営ショップ×デザイナーコラボ
2010年  パイオニア ダマスカスブレード
      (世界2010本 日本は不明)
       伝統企業第2段、ミッレミリア、
      「ON THE ROAD」3種。
2011年  ダマスカス第2弾 トラベラー
       (世界4000本 日本80本)
2012年  5カラーズ
       スパルタン ブックレット付き
       ピーナッツ(トラベラー&クラシック、)
       ダマスカス第3弾 
       ソルジャー(世界5000本 日本100本)
2016年 ソルジャーXダマスカス(世界5,000本)

*クラシックのハンドルチェンジのみの限定や
ショップ別注は、追い切れないので省略しました。

<シェルハンドルをのせたモデル>
 チャンピオン
 スイスチャンプ
 ハントマン
 ルーズベルト(仮称)
 ツーリスト(AK)
 クラシック
 スーベニア(ヤスリ付き)
 エグゼクティブ
 カバリエール
 アンバサダー

<スタックハンドルをのせたモデル>
 チャンピオン
 スイスチャンプ
 ハンディマン(ハントマンのピンセット無し)
 キャンパー
 スタンダード
 サファリ(バードナイフブレード付き)

<バッファローハンドルをのせたモデル>
 チャンピオン
 スイスチャンプ
 ツーリスト(AK)2種
 カバリエール
 スーベニア
 スーベニア(ヤスリ付き)2種

<ウッドハンドルをのせたモデル>
 スイスチャンプ(2種類)
 ツーリスト(AK)
 スーベニア(ヤスリ付き)
 クラシック

<その他のハンドル>
 イミテーションタートルシェル(プラスチック)
   スーベニア
   スーベニア(ヤスリ付き)
   エグゼクティブ
   
 イミテーションマザーオブパール(プラスチック)
   スーベニア
   スーベニア(ヤスリ付き)
   クラシック

<保証>
 三宝商事は、当初5年間のギャランティーを付けていた。
紙の保証書と、赤いプラスチックに金文字のタグ(保証とは
無関係)だった。1984年より、文面が、「永久保証」に変わる。
プレートも、金属製の物に変わる。半年位して、その金属製の
プレートに、ビニールカバーが付く。それと前後して、紙の
保証書は無くなる。スイスチャンプの時計付きに入っている
取説に、「時計のみ1年保証」と書かれ、それ以後取り説が
保証書を兼ねるようになる。
 因みに、三宝商事は、5年保証の時は、日本橋小伝馬町
5-12。永久保証になったときは、日本橋大伝馬町3-10。


    

<左>
 1980年代のOEM。ビクトリノックスではなく、テンスター。
 「tenstar TOKYO」と2段に刻印されている。
Gサカイ製のフォルダー。
ハンドルは、当時ラブレスがもたらしたマイカルタ。
「バーガンディーマイカルタ」と呼ばれていた。
ハンドルが、フルマイカルタの物もあった。
 三宝では、グルーミングセットやこういった外注のナイフも
扱っていた。時代の産物ともいえる。
出来は頗る良く、さすがGサカイである。
 ただし刃打ちは、し放題。ハンドルの中程に厚みがあって、
手の込んだ造りである。

<右>
 2010年11月15日の記念に購入。
「ON THE ROAD」の言葉に惹かれた。
 東京アメ横のマルキンさんにて入手。
ビクトリノックスの限定は、
マルキンさんは、かなり早く入荷する。
歴史シリーズも、最初だったように記憶している。
(1984年の話。)
 モデルは、他に2種類ある(トラベラーとスピリット)。
 箱と同じエッチングが、ブレードに入る。
ニューソルジャーに似ているが、ノコギリの変わりに、
メタルファイルがつく。使える逸品である。
 単なる個体差かもしれないが、「08」、「09」刻印の
ニューソルジャーは、メインブレードを起す時に、
ワンクッションおいて起きる。スリップジョイントの
ナイフに良く見られる安全対策なのだが、
これが、結構邪魔な時がある。

 今回のワンハンドトレッカーは、それが無い。
私としては、大歓迎である。
これで、ハサミが付いて。ブレードが、波刃無しの
ダマスカスだったら、3万円払います。ダメですか?

<最初>
 日本でのアーミーナイフは、1966年に伊藤商事が
輸入したウェンガーが最初という事になっているが、
諸説ある。岐阜の井戸正で、1974年に稼業を継いだ
現社長がビクトリノックスを初訪問しているので、
商取引は、それより以前となる。
 小売は、三越の店頭に並んだウェンガーの
チャンピオンが、6800円でかなり売れたらしい。
(当時の大卒初任給28,000円)で初とのこと。

 皇太子様もウェンガーを御購入。
その後「VAN」でネームを入れて売りだす。
これもかなり売れたとの事。
 1984年の銀座のナイフショーで、三宝商事の
ブースにいた方に、私の鎌刃のレインジャーを見せたら、
「15年位前に仕入れた。その後二回値上げしているので、
7800円は、当時の定価です。」といわれたので、
1960年代後半には三宝商事から供給されていたと思う。

<ビクトリノックスVSウェンガー>
 よく話題となるネタである。
 大々的に特集を組んだのは、1982年の
ビーパル2月号が恐らく最初ではないだろうか?
 1982年の4月号を初めとして、
「どちらを買ったらいいか?」
という質問もあちこちで出ている。
 とりあえず言われるのが、ハサミのバネである。
ウェンガーの方が、本体のバネを利用しているので、
丈夫であるといわれる事が多いが、これは、まったくの
いいがかりである。
ハサミの持ちは、ビクトリノックスの方が数段上である。
性能的にも上である。メンテナンスの面でも
研ぎ直しもできるし、切っている時に上下に動かないのも良い。
ウェンガーのは、刃に溝が切ってあるので、対象物が、
動きにく、テグス等を切るのには良いが、逆に地の目切りや
流し切りが出来ないので、私にとっては実用的では無い。
ウェンガーの刃は、開ききらないので研げない。

バネは、折れ目の所で折れるといわれるが、折れても
使えるから困らないし、折れる可能性は非常に低い。
ウェンガーの鋏は、使っているうちに、受けがずれるのと、
厚物が切れない。
 あと、缶切りも形状が違うが、どちらがどうという問題はない。
 ツールは、物理的にリーチのあるビクトリノックスが有利だが、
取り上げるほどの差ではない。

<AKシリーズ>
 ビクトリノックスVSウェンガーの続き。
 ウェンガーが、「世界一小さい工具箱」(85ミリ)を標榜した
為かどうかは不明だが、ビクトリノックスにもこのサイズがある。
AKと言われたライン(現スモールオフィサーシリーズ)である。
 通常のビクトリノックスは、91ミリのハンドルサイズなので、
この7ミリの差のラインナップが、今後も必要なのかは不明だが、
今もジャパンからは、ティンカーを主軸に、5アイテム存在する。
スイスでは、8アイテムのラインがある。(2010年12月現)
 かつては、通常の赤いプラハンドルの他に、MOP、
バッファローホーン、ウッドのハンドルがあった。ツールも、
ロングネイルファイル付きや鋏付きがあったが、今は無い。
 私個人の勝手な見解としては、むしろ充実させて欲しい
ラインではある。同一の機能を持ったモデルを並べると、
明らかに違うのである。解り易く極私的表現をすると、
ジーパン用とスラックス用ともでも言おうか・・・。
 私が、清水菊幸に通い出した頃は、このシリーズは、
「エコノミーシリーズ」とも言われていた。価格も安かった。
 専用の刻印も打ってあった。(その6を御参照下さい。)
社標は、直線部が丸味を帯びた逆三角形の中に、十字を
銀色でプリントしてあり、明らかに廉価版のイメージであった。

 その後「ELINOX」の刻印も散見された為、
格好の謎ネタであった。
 今でも真偽の程は不明だが、雑誌記事によると、
ヨーロッパの百貨店は、日本とは社会的位置づけが違い、
安物しか置かない。
その為、あまり良いイメージは持っていないそうである。
 メーカーは、そこへの商品供給をあまり良しとしない
風潮がある。これは、なんとなくわかる。
ヨーロッパは、個店文化なのである。
その為こういった廉価版を製造し、供給するとの事で
決着をつけるとの事である。
なんとなく、説得力がある記事である。

 静岡の政豊の他何店かでは、
「ポリッシュが半分の回数である。」と回答をくれたが、
個体の回収が重なると、そうでは無いことが判明した。
ヘラ付きのG1(グラフティング)等で全く同じ物で、
ただの刻印違いを何点か確認済みである。
 ところが、2013年04月、ヤフオクに「ELINOX」の
裏「VICTORINOX」が、北海道の業者より出品されていた。
モデルは、スーベニアで時計会社のプレミア品らしい。
これが、全くポリッシュされていないのである。
私自身初めて見る。70年代のウェンガーのソルジャー並
(この表現で解かるかな?)。
ポリッシュ半分なんてモンじゃない。
皆無に近い。縦のグライインドが、ザックリと残っている。
ビクトリノックスは、ラインで大量に作る。
多分他にも存在する筈である。

 業態も違うし、発想も違うが、ロレックスとチュードルの
関係に似てなくもないだろうか?
 現在では、必要の無いことかもしれないが、
35年前の事だから、まだこういったすみ分けも重要な
事だったかもしれない。
 「VICTORINOX」と「VICTORIA」のWネームは、
比較的見られるが、「ERINOX」と「VICTORINOX」の
Wネーム(その5の古川モデル)もあるので、
統一的な判断は難しい。

<ソルジャー>
 ビクトリノックスVSウェンガーの更なる続き。
 ウェンガーのソルジャーは、私の知る限りでは、
リーマ側のピンが、スルーホールになっていて、
そこにランヤードリングが付いている。
今もそうである。
ビクトリノックスもスルーホールは有るのだが、
ランヤードリングは付いていない。
 ビクトリノックスは、1993年までは、スルーホールが
開いているが、1994年からは、開いていない
(ジャパンのカタログベース)。
それと前後して、缶切りと栓抜きのツールが、薄くなっている。

1995年は、キーリング無し。スイス軍マーク。
1996年は、キーリングが付く。スイス軍マーク。
1999年まで同じ。
2000年は、キーリング付きは、ビクトリノックスマークで
「ソルジャーCV」。
キーリング無しのモデルにスイス軍マークが付く。
2006年まで同じ。
2007年は、不明。
2008年に、「ニューソルジャー」と「CV」(ビクトリノックスマーク)。
2010年は同じ。

 年号の刻印は、軍隊に納入する為の物なのだが、パイオニアの
ソロや、エレクトリッシャンにも付いているのと、付いていない物が
ある。恐らく、軍用の納入残を、市販品に転用しているのでは
ないだろうか。全てPX(スイスではどう呼ぶのか?)の放出品とは
考えにくい。正規ルートでは誤解を招くので、特定のルートで
流しているようである。もしくは、(これは、憶測の域を出ないが)
スイスからは、入ってくる。国内で、ピッキングされて、外されてきた。
近年になって、これが多くなってきてしまい、「別にいいか。」的に
市場に流れた。ただし直販はマズイので、オークションを使った。
以上空耳程度にお流しください。


 このアルミハンドルにも、AK的ラインがあり、1980年代は、
「ツーリスト」と言う名の鋏付きモデルもあった。
1996年までは、エコノミーラインの社標でカタログにあったが、
1998年にカタログ落ち。2001年に、ビクトリノックスマークで
再登場。

<時代ネタ 1 >
 万国博覧会をかわきりに、1970年代は、豊さを求めた。
 北海道に行くのが凄いイベントで、行った事のある家の
応接間には、木彫りのアイヌの夫婦や、鮭をくわえた熊が
必ず置いてあった。その像の大きさが、その家の経済
状態を表していた(?)。外国に行った人は、ウイスキーを
買ってきた。安いからである。国内で酒屋で買うと、
オールドパーが1万円、IWハーパーが8千円だった。
多分スイスに行った人は、アーミーナイフを買ったのだと思う。
そんな時代だったし、単純な社会だった。腰にナイフ差して
歩いていても(もちろんフォールディング)、別に何も
言われなかった。

<時代ネタ 2 >
 万博をステップにした1970年代の後、多少豊になった社会が
担ぎ出したのが、1980年代のアウトドアブームである。
 「Be-PAL誌」はもちろんのこと 「Hot Dog誌」も、当時は
アウトドア雑誌の傾向が強かった。ナイフの広告や特集は、
毎号必ずどこかに載っていた。「ヘビデ(ヘビーデューティー)小僧」、
「アーバンデューティー」「サバイバルグッズ」なる言葉が散見された。
アーミーナイフ特集もよく組まれた。東急ハンズは聖地だった。
 成美堂のナイフ年鑑や、ナイフマガジン、サバイバルマガジン等も
この時代に創刊された。現在は、ナイフマガジンのみで、
ビーパル誌ですらナイフの記事は、皆無に等しい。アウトドアは、
アメリカから入りたての文化で、装備の購入に主眼が置かれた。
シェラ、ノースフェイス、ウールリッチ、フィルソンは、憧れだった。
円も200円中盤だった様に記憶している。
 今の成熟した社会でのアウトドアとは違い、オートキャンプは
出てこなかったし、黄色の重たい三角テントを担いでバスに乗って
行くのがアウトドアだった。しかも大抵が、川の上流のキャンプ場。
食事は、カレーかバーベキューと飯盒。
モンベル等のテントも憧れだった。
 当時は、ビクトリノックスは、DIYの店、ディスカウントストアーは
もちろんのこと、少し大きなおもちゃ屋にも置いてあった。
 1970年代後半のビクトリノックスは、100周年を控えた事も有り、
実に色々な、派生モデルを出した。
スチールエジンターンハンドルを初め、ノーマークハンドルも多かった。
 1984年には、少年サンデーの9月12日号で、誌上プレゼントに
100周年のクラシックを10名にカタログを50名にプレゼントした。
 1980年代後半から、角川映画を起因としてスキーが流行するに従い、
アウトドアショップから徐々にナイフ売り場が消えていった。

<更にしつこい時代ネタ3>
 「1990年代まで、一般のアメリカ人は、都会で働いていても、
いつかは大自然の中で暮らしたいと思っており、実際にそうして来た。
2000年が近づくにつれ、都会で生涯を送りたいと思う人が大半を
占めるようになってきた」と何かのコラムで呼んだ。
 1990年代に入って、孫にナイフを譲らなくなった時代と重なる。
 何故こんな書き出しをしたかというと、私の所有する「1.37 22」の
昔のパンフレット(アメリカ版)を入手したからである。
永い間、ネイルファイルだと思っていたツールは、
「ランヤード シャックル」と書かれていた。
ランヤードシャックルは、ロープを使う牧場系の人々に主に必要な
ツールである。船舶関係のマリンスパイクに近いツールである。
 アメリカでのかつての使用頻度や需要は、高かったと思われる。
 最近何故付いてないのか?最近のアメリカ人は、「ローレンローレン
ローレン」しないのである(当たり前か)。納得である。
 「Vi」も確認されているので、1980年代前半では作られていた。
ただし、日本への入荷はほとんど無かった。倉庫の隅に眠って
いたんだろうな~。寂しかっただろう。よしよし。
 と 言う訳で、更なる発見と謎解きを求めて、出発だ!!!
カナマーカナミーカナミーカナマーカナミーライドインヤーハ~。
ヤー(ピシィッ)ローハイド!
(そう聞こえたんだ、中学生の時の私には!)

<しつこく時代?ネタ4>
 ここまで来ると、一人言なので、気にしないで下さい。
 当然と言えば当然なのだが、ヨーロッパは、アメリカより
早く、都市国家が形成され、それがペスト等を引き起こす
原因ともなったとの事だが、それはさて置き。
 都市国家の生活様式は、当然生活用具にも影響を
及ぼすのは当然であり、あまりハードな折畳みナイフは、
必要無いのである。事実ヨーロッパは、スリップジョイントが多い。
それ以上なら、シースナイフを持てばいいのである。
良質の砥石が少ないので、硬度も低めにする。
 サファリのシリーズは、アメリカでは、ロックを付ける大きさである。
ドイツのハーダーやヒュバーツでは、かなり大きいモデルでも
スリップジョイントが普通に存在する。サファリのラインが、
今日もあるのは、そんな時代背景もあると思うのは、
私だけであろうか?
 アメリカのシュレードや、レミントンにも大型のスリップジョイントは
存在した。ただそこには、限りなくシェフィールドの影響があるのは、
言うまでも無い。今後は、どう変化していくのか?

<思い出・・・?グランプリ>
 ふと思いだしたのだが、1995年までは、グランプリという
モデルがあった。
1993年までは、P型ドライバーに溝が切ってあり、
コンビーフオープナーとしての使用方があった。
一時アングラーにも付いた時期があった。
もちろんドライバーの強度は犠牲になるが、ビクトリの
背側のツールを酷使するのもどうかと思うので、
ツールの強度は論じない事にする。
 高校生にとっては、コルクスクリューより必要なツールで、
何故もっとこのツールを付けないのか疑問だった。
 でも良く考えると、このツールを使わなくてはならないのは、
SPAMやコンビーフ位であり、後はあまり使い道は無いのである。
しかも、私自身どちらもここ数年食べていない。
市場は、どうなのか?
以前は、もっと食べていた様な気がする。
の溝自体省かれていた。古いモデルは、溝は切られてていない。
時の流れか?

 社会や時代の変遷、生活の変化を反映させた利器材で
あるところのビクトリノックスを、時代を追ってタイプ別に保存する。
これは、近代文化史の整理に通じると思う。パールハンドルは、
比較的平和な時でないと作らない。記念モデルもしかり。
前述したランヤードシャックルも時代を表している。
天然材の枯渇の話は、重要だが さて置くとして、
パールハンドルが企画されるくらいの世の中と、
そこにピンセットを入れる加工をする職人の存在を尊びたい。
何本持っているのかは、気にする必要がないのですよ。

 当初は戦争物資の一部であった物が、生活に溶け込み
平和で豊な生活や時代をサポートする。キャンプなのか、
牧場なのか、荒野なのか、都会の社交界なのか、戦争なのか。
使われ方の頻度で、バリエーションが増減する。
 願わくば、ソルジャーを見た子供達が、「ソルジャーって誰が
使うの?」「昔は、どこの国にも兵隊って言うのががいたんだって。」
と言われるような未来であったら良いと思う。
 私が、その子達にもツールの説明や正しい使い方を教えられる位
近未来ならと思うし、私以外の大人もそれをやれればと思う。
夢ですね、夢。現実は程遠い。何が出来る訳でもないので、せめて
その日が来るまで買い続ける。その日が来る様に買い続ける。
持ってる本数を数えるの意味無いでしょ?

 かなり格好つけました。御容赦御容赦。でも、永い間持ち
続けた希望です。これを、中2の時に、学校祭で発表しました。
「武器と言われる物の歴史や、時代への影響を理解し、
利器として愛し、正しく利用することを教えることにより
犯罪が減る」と言う研究を発表した。当然問題児として
マーキングされました。

 エルズナーファミリー様
戦線で使われるより、御祝いでワイン飲むのに使われたり、
ラブレターを開けるのに使われた方が良いですよね?
兵役と同じ人数が、ラブレター書くんですから。


     
<業者向け>
 販売卸しが、ビクトリノックスジャパンに移行するに際して、
取引業者とのパイプをより大事にした。1990年代は、個人
輸入が幅を利かせ始め、直販店より2~3割安く売り出した
からである。
業者向けノベリティー(スイスチャンプXLグリーン)商品や、
修理工具等の配布等や、店頭配布物の増加が見られた。
ベルト、Tシャツ、ライト、キィーホルダー、ストラップなどである。
 日本全国で20本限定のスイスチャンプ グリーンハンドルは、
垂涎であった。行き先の察しは付く。
これだけは、オークションにも出てこない。
80年代は、ケースと電動ディスプレイが主で、
たまにキーホルダーがあった。
東京から岐阜まで集め歩いた。

(工具追記)
 通常は、ハサミのバネを主に、キィーリング、爪楊枝
、ピンセット、メガネドライバーが定番である。
ところが、なんと!レザーケースのストロングホックが、
ヤフオクに出品されていた。出品者の方は、
元関係者らしく、木製のプレートやら、名入れサンプルの
プレートやら、ごろごろ持っていた。
同梱のビクトリノックスも、「VICTORIA」併記やら
「ERINOX」やらあり、ベテラン正規業者のようである。
ストロングホックの替えまでしていたとは・・・。
 恐るべしサービスである。さすがビクトリノックス!

(工具追記2)
 実は、上記の業者様は、市内の方だった。ところが、私も
友人達も全くその店名を覚えていない。当然店があったと
言われたところは、何度も通った所である。
 12星座の替えハンドルも持っていたから、1985年までは
やっていた筈である。不覚!!!
バネ、ピンセット、爪楊枝、キーリング、ピン、
マイナスドライバー、電池とその蓋、ここまではよく見る。
 ハサミのピンや、メインピンは、見た事が無い。
しかも箱の中に、アルミ台のピンセットも入っていたし、
形状の違うバネも入っていた。
当時パーツのデリバリーはあまり行われていなかったように
記憶している。


(クリスマスプレゼント?)
 昨年のソルジャーダマスカスに引き続き、今年はトラベラー
(ただしピンセットと爪楊枝無し)。ハンドルは、
ウッドに社標のインレイ!
実に泣かせる。Rc硬度は、通常の56が60とのこと。
 ただ、昨年の2010本に対して、今年は4000本。
日本へは、80本が入荷。スイスアートシリーズも良かったが、
今回のウッドも好みである。
 来年は、辰年。どんな限定を見せてくれるだろうか。
 ネット上には、早くも干支ハンドルの限定が!


<オールド雑記 2013年04月>
 思い出したので書き留めておこう。
 写真を載せようかどうか迷うが、実は、1950年代のモデルに、
ハンドルの反った個体が割りと存在する。
ヤスリ付きスーベニアのピンセット付きのバッファローもそうだが、
これはピンセットのテンションなので仕方ないとする。
 状態は、コルクスクリュー側のみで、片方が少し浮いて反っている。
こちらのみ経年変化する事は、考えられない。どうもコンマ数ミリ
小さいのだと思う。実用上は、全く問題は無い。


<カスタム>
 ダマスカスのブレードが、スイスビアンコ社とのコラボと
聞いていた。
どんな会社か私にはわからないが、HPにとんでもない
モデルがあった。
   「ラージブレード2枚付き+鎌刃!3000本限定。」
 アクション良好。ハンドルは、銅色(銅だったら鼻血)で綺麗。
他にも色々ある。う~ん。ビクトリの世界は、奥が深い。
 チーズナイフもこの会社の製作。
 あらためて、スイス行きたい!


    
<左>
 ビクトリノックス トレイルマスターブラックアイス
世界限定で世界同時発売。
日本上陸は、各19本(銀座店)との事。
銀座と大阪との2店舗のみの販売なので、
各店10本弱か?
10月11日にHP公示で15日(因みに台風26号直撃)
に販売開始。19日には完売!何という速さ。
価格は、12,600円。

 一説には、世界各600との噂だが、今のところ不明。
ネット上には、ほとんど情報無し。シリアルも無し。
 昨年8月の、スパルタン2012には、低価格ながら
シリアルが入ったのに、何故今回は入れなかったのだろうか?
 本体は、ニューソルジャーのピンセット付きと思えばいいです。
ある意味、よりソルジャーらしいモデルである。
 
 さあ あと2ヵ月。後は、どんな限定が出てくるか?


<2015年03月10日>
 ヤフオク(結構買うんです)でフローリストを購入。
新しいモデルです。
 ブレードを開いて 目 キラーン!
 「VI」 何故?
(再度お断り:当HPには、VIとViという表記がよく出ますが、
VIは、VとIが同じ大きさの刻印。ViとはIが小さい刻印を指します。
小文字で打ってあるということではありません。)
 「だから何だ!」
 「何でもありません。」

どうでもいいロックネタ


 何のページだか解らなくなってしまうのでとりあえずここまで。
(と言いながら増えて行く。)
 ここまで読んでいただいて、有難う御座いました。
楽しかったですか?
頭痛くなりませんでしたか?
お付き合い戴いて、有難う御座います。

まだまだ書いて無い話があります。
 
 ブレードのポリッシュの話。
 ツースピックの形状の変遷。
 ボトルオープナーのラインカッターの事。
 社標の太さ。
 コルクスクリューの溝と巻き数。
 ナイロンハンドルの社標。
 ピクニッカーNLの波刃に、スプーンとフォークをセットにして、
ナイロンケースに入れたセット等の派生商品。
 キイリングや、ランヤードなどの小物と販促グッズ。等等。

 「だから何だ。」と言われれば、
「何でもありません。」と言うようなネタです。

 過日「2CHでお前のHP紹介されてるぞ。」といわれたので
ビックリしました。
 2CHで「ビクマニア」と言われたので、言ってくれた方に
敬意を表して、纏めさせていただいた次第であります。
大まかな年代区分の手助けになればと思います。
刻印等は、他の印刷物にも載っているので、
割愛させていただきます。
 間違っていたらお許し下さい。
 
 あと、ビクトリノックスのビンテージを買って、
サビやオイルの固着で困った時には、
森高コーキ㈱(0120-177502)「さびとりつや之助」を
使ってます。予め割り箸を細く削っておいて、
擦る様に付けるといいです。
元々品質が安定しているので、かなり綺麗になります。
CRC5-56と併用して使っています。

 個人的見解なので、
御使用、作業に関しての保証は致しかねます。



その12 (更なる進撃)
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