ビクトリノックスその７ おっさん何処行くの編
はじめに （ごあいさつ）
その１ （ルーズベルト、リュトリ、スイスアート）
その２ （プルーナー各種）
その３ （もれ刻印、パテント、面白ツール)
その４ （ＭＰ３、スイスツール限定、７００年未入荷、ポルシェ）
その５ （Ａ＆Ｇ、７２ＡＰ、雲母、イミテーションタートル、古川）
その６ （ＳＡ－１６、ＡＫ、ジャッキーチェン）
その７ （前世紀最大の謎？？？）
その８ （ソルジャー、１２５周年）
その９ （書籍等）
その１０ （その他）
拘りの小部屋（年代の判別と時代ネタ）
その１２ （更なる進撃）
戻る （３６５日、備忘録）
ヤフオクにとんでもない物が、出品された。
このナイフの最初の持ち主でもある出品者によれば、
「１９８０年代、渋谷の東急ハンズで、カスタムモデルとして
９５００円で購入。
名前は、忘れたが、日本人のビルダーだった。」との事。
当時、フォールディングを扱えるのは、藤本氏と鹿山氏らの
藤本製作所の数名、古川氏、田崎氏、香川氏、平山女史くらい。
石塚氏、相田氏、加藤氏榊原氏も製作したが、本数は極僅か。
真田氏や、松浪氏はこの少し後に記憶している。
決定的なのは、昭和６１年当時は、ビクトリノックスの
クラシックは、２８００円。つまり、工賃は、６７００円。
クラシックを一度バラして、樹脂やべっ甲に金属のピンで
ブレード等をカシメて、整形しポリッシュかけて、しかも
６７００円であげられるのは、藤本氏をおいて他は無い。
豆八丁が、１２５００円の時代である。
同時に出品されていたべっ甲ハンドルの物は、
１２０００円の即決で、誰かが落札した。
この落札者の発想根拠も私と同じだと思う。
今ならタイマイも養殖されているが、１９８０年代は
特定のルートを持った者しか使えなかった。
キィーリングが、金環なのも判断根拠。
製作本数からいって、岐阜は考えにくい。
しかも、藤本氏は、渋谷に住んでいた。
右の写真は、別ルートで入手した物。
べっ甲の方は、ＳＤがベースである。
ＳＤは、１９８６年１１月０１日付けの価格表に、新商品として登場。
刻印の「Ｖi」は、同じ１９８６年１０月１１日の銀座ナイフショウの
三宝ブースにて初めて公示された。
ここら辺から推察するに、このモデルは、１９８６年末～１９８７年
５月迄の期間に作られたのではないだろうか。
写真の右上のブルーの２丁出は、藤本製作所の作品。
現在ビクトリノックスのカスタムは、守屋氏が精力的に
作っているし、佐々木氏や、杉原氏の物も市場に見うけられるが、
根本的に違う。
２０年前の東急ハンズの情報を得るのは、至難の技である。
鹿山さんも覚えていないだろう。
誰か御存知ありませんか？
＜左＞
この写真を見て「おかしい」と思った人は、かなり鋭い。
通常は、この位置での各ツール停止はありえない。これは、
展示用のモデルである。大小のブレードは切れるが、各ツールの
スプリングのテンションは、効いていない。
１９９５年位に出た業者用の、店舗向け販促カタログにも
載っていない。幻の「千手観音」モデル。
その後、業者用カタログの改訂は、定かでないが、
ゴムマットや大理石版なども出ているので、改訂の可能性は
ある。
＜右＞
偉大なる先駆者と、三宝商事なくしては、今日の私のコレクションも
無かったであろう。
１９９３年よりビクトリノックスジャパンとなるので、
最も良い時代だったかもしれない。
素晴らしいアニバーサリーだったに違いない。
皮ケースは、かなり古いタイプ。
この年代には、市場流通していないので、多分復刻での特注。
静岡の浅間神社の門前町の赤鳥居の商店街の
最後の方にある「研屋」さんのショーウィンドを何気なく覗くと
「ＶＩ」刻印のテンスターモデル発見。
多分アメリカの大統領のプレゼンテーションモデルを
真似た物だろう。
店主様の話では、
「何か御祝いがあって、その時作った物らしい。」とのこと。
税込みの２１００円と激安！
刻印からして、２０年以上前のモデル。
近所の皆さん何故買わないの！（2011年6月）
箱は、ブラックトレジャーの色違いのグリーン版。
＜左＞
メインブレードは、ロックの架かる３分の２セレーション。
キィーリングとチーズ用ブレード（ロック無し）
ピンセット、爪楊枝。
キッチン系なのに缶切りと栓抜きが付かない。
＜右＞
ピクニックセット。他にもスプーン付きの物が存在する。
ポリの水筒状のものがフタの所に収納されるが、
水を入れて膨らむと、このケースには入らなくなる。
洗浄用の水入れか？
どちらも四国のオーヤスヤさん。
＜その４＞のオートツールやラチェットもオーヤスヤさん。
アメリカ買い付けの為か、特殊な物が入荷する。
ここが空いていたので、年月が前後するが掲載した
（2013年04月17日）。
その８ （１２５周年、ソルジャー）