湖上にようこそ。見えない湖底を想い描くとき、その人の人生が、その質と量に応じた世界として、波間に揺らぎ透けて見えてきます。周防元水的視点が捉え垣間見せる楽園の世界が、色鮮やかな四季の浜名湖上に展開します。 毎月更新 購読無料

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ときめき Web小説       21/09/28更新

 

 

 

 

 

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第 1話 夕闇

第 2話 星空

第 3話 花火

第 4話 澪筋

第 5話 埋立

第 6話 鉄橋

第 7話 魚心

第 8話 仕掛

第 9話 鳥居

第10話 湖底

第11話 暗夜

第12話 湖上 

批評文へ

蘇る原体験との重なりは、世津への激しい独占欲へと私を誘っていく。 美しく輪郭の整ったその横顔。手を伸ばせば届くこの距離に私は私の全てを感じ、押し留めることのできない粗野な自分を感じた。……夕焼けの真の意味を知りそして悟った。終わってしまう。ようやく曳き波が二人の小舟に達し、世津を翻弄しそして崩していく。山々が色を失い暗い原色の海に沈む。身近にありそしてあまりにも遠い、世津。繰り返される思考。終わってしまう。ただその想いが時を延ばし世津を追いやった。