田中接骨院(ふくらはぎのこむらがえり)応急処置
 
こむらがえりの応急処置(基本編)       田中接骨院
ふくらはぎのこむらがえり(筋けいれん)の応急処置
こむらがえりの応急処置の仕方には、基本編応用編があります。ふくらはぎのこむらがえりの応急処置では、基本編のお話をします。ふくらはぎ以外の部位で応用編のお話をしますので、応用編でわからない場合はまた、ふくらはぎの腓返りの応急処置に戻ってお読み下さい。
どうしても、文書で説明しますと専門用語がはいりわかりにくくなってしまいますので、図を多用し説明しています。
 
     
 
 
 
 
     
 
(図1)右膝関節の後面の筋
(図2)右下腿筋後側
 
下腿三頭筋の筋収縮けいれん
ふくらはぎのこむらがえりは、下腿の下腿三頭筋群の筋収縮けいれん(筋肉が収縮する)です。(図1)この筋けいれんを戻すには、筋肉を伸ばすのですが、解剖学とくに筋学と生理運動学の知識が必要になってきます。

理論的に理解していないと、ふくらはぎのこむらがえり(筋けいれん)の応急処置はできても、他の部位のこむらがえり(筋けいれん)の応急処置はできないことになります。またこむらがえり(筋けいれん)している筋肉を十分に伸ばすことも理論的に分からないとできないからです。ですから、理論的に理解することは、非常に重要なことといえます。
 
覚えたて
私が、こむらがえりの応急処置の仕方を覚えたのは、高校に入ってからです。陸上部に入って走っている時によく、ふくらはぎのこむらがえりになりころんで、のたうちまわっていました。その時、友人がすぐ来てこむらがえりの応急処置をしてくれたのです。その時はじめて知ったのです、こむらがえりは治すことができるのだと。
 
筋けいれん
こむらがえりは、正しい名称ではありませんが(正しくは、筋けいれんです)こむらがえりという名称は一般に広く知れ渡っていますので、この名称を使いますことをご了承ください。ちなみに私が子供のころは、こぶらがえり(焼津の方言でしょうか)といっていました。
 
二つの関節
ふくらはぎのこむらがえりを起こした下腿三頭筋群を伸ばす方法を説明します。(図2)下腿三頭筋群は、主に大腿骨の下部(起始部)から始まり足根骨(停止部)に止まります。(図2)を見ていただければ、筋肉の起始・停止が膝関節と足関節を越えて骨に付いていることがわかります。

このことから、一つの関節だけ操作しても筋肉を伸ばすことはできません、二つの関節を操作することにより有効に伸ばすことができます。ほとんどのこむらがえりの場合、二つの関節か、多関節の操作を行います。
 
画面上へ
 
 
     
 
(図3)右膝関節屈曲足関節背屈
(図4)右膝関節伸展足関節背屈
 
ふくらはぎのこむらがえりの応急処置の具体的操作方法
具体的操作方法を説明します。足関節を背屈させます(図3)しかし、前にも説明しましたように一つの関節を操作しただけでは筋肉は伸びてはくれません。ご自身で、ふくらはぎを触りながら足関節を背屈させると、完全に下腿三頭筋が伸びていないことが解かると思います。次に膝関節を伸ばします。(図4)膝関節が曲がっていた時は、完全に下腿三頭筋が伸びなかったものが完全に伸びていることが解かると思います。

ふくらはぎのこむらがえりの応急処置の具体的操作方法とは足関節を背屈位にして膝関節を伸展位にします。この肢位を1分位続けます。この時には、痛みはとれています。しばらくして、足関節を戻します。戻したときに痛みがある場合は、筋けいれんがまだ続いている状態なので、又足関節を背屈位にします。しばらくして、戻した時に痛まなければこむらがえりは治まっていますので、足関節と膝関節をもどします。
 
 
 
     
 
(図5)右足関節過伸展
(図6)一人で行う処置法
 
自分一人で行う方法 (ふくらはぎのこむらがえりの応急処置)
ふくらはぎのこむらがえりは、寝ているときに意識的にせよ、無意識的にせよ背伸びなどをしてふくらはぎに強く力を入れたときに起こりやすいのです。背伸びをしているから、ふくらはぎを伸ばしているように感じるかもしれませんが、(図5)そうではありません。(図5)をみていただくとお解かりになると思いますが、非常に強い力で収縮しています。ですから、この筋肉を伸ばしてやる必要があるわけです。

ふくらはぎのこむらがえりの応急処置を一人で行うのは大変ですが、運悪く周りに人がいない場合は自分でやるしかありません。(図6)その場合は、足先を柱やタンスまたは壁などに押し付け、かかとが足先より下になる位押し付ける感じです。そして、膝を手または反対の足を使い伸ばします。痛みがとれる肢位までもってきて、その肢位をしばらく続けます。

伸ばす力を緩めたときにまだ痛む場合は、こむらがえりが治まっていませんのでふたたび伸ばします。しばらく経った後、力をまた緩めてみます。痛みがなければ、こむらがえりは治まっています。
 
画面上へ
周りの人が行う方法(ふくらはぎのこむらがえりの応急処置)
周りの人が気付いてふくらはぎのこむらがえりの応急処置をする方法です。(図7)こむらがえりを起こしている足をゆっくり持ち上げます、その足の裏の部分をお腹で押すようにあてがいます。片手を膝の上に置き膝が曲がるのを防ぎます。その時、膝を強く押さえつけないように膝からくる抵抗を感じながら力を加減します。

足裏にお腹を当てている部分にゆっくり体重をかけていきます。この時も足裏からくる抵抗を感じて力を加減します。足関節が背屈位にゆっくりもっていき痛みがなくなったか聞きます。痛みがなくなる位置でしばらくその肢位を続けます。

こむらがえりが治まったかどうか力をゆるめてみます、まだ痛みがある場合はふたたびゆっくり体重をかけていき痛みのなくなる位置までもってきます。しばらくたったらまた力をゆるめてみます。痛みがなかったら、こむらがえりは治まっています。
 
画面上へ
 
 
     
 
(図7)周りの人が行う方法
膝はゆっくり伸ばしましょう
 
こむらがえりの応急処置をする利点
このこむらがえりの応急処置をする利点には、いくつかあります。

痛みがその場ですぐにとれる。…こむらがえりの応急処置をしないでずっとがまんをした人は、痛みがいつまでも残ります。

二次的損傷を防ぎます。…こむらがえりの応急処置をしない人は、筋肉が硬直したままなので、その状態から歩こうとして体重をこむらがえりの起こした足に掛けると肉ばなれ(筋挫傷)を起こしやすくなります。

再こむらがえりを防ぎます。…こむらがえりの応急処置をしない人は、筋肉が硬い状態が続くので、こむらがえりを何度も起こしやすくなります。

こむらがえりの起きた時点で行う…後からこむらがえりの応急処置しようと思っても筋肉が硬くなって痛みがある為、こむら返りが起きた時点でのこむらがえりの応急処置のようにはいかなくなります。
 
こむらがえりの応急処置の注意点
自分自身でおこなう場合も他の人がおこなう場合にも、急激な動作や反動をつけた動作はかえって筋肉を傷めるのでゆっくりと筋肉の抵抗を確かめながらおこなうようにしましょう。
 
こむらがえりの応急処置がうまくいかず痛みが残った場合
もし、こむらがえりの応急処置がうまくいかず、痛みが残ってしまった場合には専門医にみてもらいましょう。状態によっては、二次的損傷が起こしやすくなります。
 
 
 
     
 
(図8)拮抗筋の関係
 
拮抗筋と協力筋 (ふくらはぎのこむらがえり)
筋肉には、拮抗筋(きっこうきん)と協力筋(きょうりょくきん)があります。拮抗筋は、2個以上の筋が互いに反対の作用をなすときにいい、これに対して協力筋は2個以上の筋が共同して同方向の運動を営むときにいいます。

下腿の筋肉にはふくらはぎ側の筋肉と弁慶の泣き所側の筋肉があります。(図8)ふくらはぎ側の筋肉を下腿三頭筋群(赤い筋肉)そして、弁慶の泣き所側の筋肉を前脛骨筋群(緑の筋肉)といいます。

下腿三頭筋群と前脛骨筋群の関係は拮抗筋になります。つまり背伸びをした時、前脛骨筋群は伸展(伸びている)しているのに対してふくらはぎのこむらがえりを起こした下腿三頭筋群は収縮(縮んでいる)しているのです。これは、重要なことで背伸びをして筋肉を伸ばしているのだから筋肉を伸ばす意味がないと誤解する方もいるからです。

この事から、こむらがえりを起こした筋肉は強く収縮した状態の時に起こりやすく常日頃から筋肉の柔軟性をつけるように運動を軽く行うように心掛けましょう。またスポーツ選手は、運動前の準備運動や運動後のクールダウンをしっかり行うようにしましょう。
 
 
ページ先頭へ戻る
Tanaka Bonesetter  田中接骨院
 
接骨院紹介
こむらがえりの応急処置
焼津案内
趣味
リンク
ホーム
  ■Copyright (C) 2004 Tanaka Bonesetter All Rights Reserved. ■