柿の木

神とは何か、永遠のテーマを求め続ける主人公が辿り着き垣間見たその地には、一本の柿の木があった。多忙を極める現代人に送る安らぎの書。毎月更新購読無料。

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柿の木

　夕闇迫る中、竹林は見たこともない姿を現し、頭を垂れ頭を垂れして月明かりを消し去って深い闇を作り出していく。灌木と須々木の入り交じった土手が取り囲むその一画に一際高く榊が揺れもせず立っていた。