サバ爆釣   外洋の釣果 カカリ釣り シマアジ釣り カレイ釣り カサゴ釣り マアジ釣り 戻りカツオ釣り 初ガツオ釣り  マアジの成魚釣り

 11月3日(木)朝7時、二人で出航。文化の日に相応しい穏やかな天気です。今切れ口を通過する時に必ず訪れる儀式の様な緊張感は今回はありません。10隻程の和船が私たちを迎える様にのんびりと糸を垂らしています。これ程ゆったりと構えた今切れ口にお目に掛かるのは久し振りで、こんな時には、まるで浄土に来たかの様な錯覚に襲われるから本当に不思議です。和船の先にテトラが見えます。そのテトラの上に凛として立つ釣り師は、まるで仏像の様に後光が差して眩しく見えます。大きなタモと7m竿の絶妙な均衡が光背となり持物となって、見事なまでに清浄な世界を海原上に出現させています。包み込む様な静寂が辺りを支配し、沖の情景がこの背景となって視界一杯に広がってくると、コックピットはこれまでにない安堵感で満たされていきます。

 和船間を縫うように外洋へと向かいます。
 遠州灘沖はまたとない凪で、曇り空の下に波らしきものは見当たりません。うねりも全くありません。嬉しいものです。暖かな海原は天の恵みかと思われる程に優しく私たちを待っていてくれました。昨晩深酒をし船酔いが心配された釣友も、至って元気で仕掛け作りに余念無く動き回っています。全てが快調、今日の釣行の成功が予感されます。
 魚礁が迫ってきました。魚探に目をやるといきなり魚群が現れます。回遊しているのでしょう。錨を入れ仕掛けを落とそうとすると、魚群は姿を消してしまいます。魚道を確かめるため5分程周囲を隈無く探り、懸かり釣りしている遊漁船間へと再投錨をします。はやる心が仕掛けを素早く下ろさせます。脈釣りの棚を取ってスターンレールに道糸を結んでいると、いきなり強烈なアタリが手元に伝わってきました。ポイントに間違いはなさそうです。いきなりのヒットに心も弾み、取り込みにも力が入ります。急ぎ過ぎたのでしょうか、数秒でハリスは全て切られ嬉しい悲鳴となりました。爆釣の予感がバラシを惜しませる事もなく、次の第二投を急がせます。程なく、アタリがありました。先程の失敗を生かして慎重に取り込みます。水深5m程からうっすらと白い光が見え始めます。やがてそれが鮮やかな2つの青白い光となって海面近くを動き回り始めると、強い引きが指先を襲います。鯖です。型は小さいものの丸々と肥った鯖は、凄い勢いで舷側を走り回り釣り師を興奮させます。ハリス切れをさせまいと道糸の出し入れを繰り返します。この遣り取りが堪りません。トリムタブに道糸を取られる等、散々手こずりそして大いに楽しませてもらった末に第1号をゲットしました。針を外しサバ折りして血抜きをすると15秒程、直ぐに次のキャスティングに入ります。忙しい忙しい。周りを気遣うことも出来ずに揚げ続けました。
 一息付いた頃にミカンを頬張りました。釣友は電動リールを操り腰を据えて釣り続けています。気が付くとクーラーは満杯近くになっています。アタリは連続していて一向に止む気配はありません。洋上は何処も似た状況で、他船の活気が遠くから伝わってきます。まだまだ快釣は続きそうです。この調子で行けばひょっとして念願のハマチ等も揚がるのかもしれません。邪念が過ぎると天はよくしたもので、途端にその人の持ち駒を切らせます。コマセが底をつきました。魚群を眼下にし無念の納竿です。
 6時間程絶好調で休み無し、鯖35本、鰺5本、姫鯛1枚を間断なく揚げて意気揚々の帰港となりました。爆釣で食べ切れない程の鯖は親戚中に幅広くお裾分け、残った鯖2本をシメサバにしてそれはそれは美味しく戴きました。 

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