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 6月15日(土)朝11時出航。梅雨前線の通過後で不安定な日よりとなりました。気になる波高発表もTV、新聞、NTTとそれぞれ違い変わりやすい天気を予想させます。曇りかと思えば真夏の太陽が照りつけ漁船が多い割には海鳥の姿は余り見られません。何やらいつもと違う雰囲気を感じて沖に急ぎます。ポイントまでの往路での暇つぶしに漁探に目をやると、今切れ付近30〜35mの海底は驚くほど魚影の濃いのが分かります。道理で8隻ほどの漁船が航路を塞ぐように忙しく網を曳いている筈です。漁船に航路を譲って迂回するようにして魚礁に到着し、ここぞと思う好ポイントに投錨します。底2mに大量のアジが群れているのが分かりますが、1.5m程の波は仕掛の準備を翻弄し容易にさせません。竿出しの余りの遅さに釣果は釣る前から見えていました。コマセをいくら蒔いても移動した群れを元に戻せません。マアジ3匹を揚げるのがやっとでした。寂しい釣果ではあるけれど成魚3匹であれば十分な量の海の幸と一人満足して、大量捕獲から大物狙いへと棚を変えていきます。のんびりとた昼寝モードに今日も入ります。
 やけに揺れるなと思いながら体を起こして竿先の動きを確認し、そして又眠りに就きます。こんな事を繰り返しながら1時間程過ぎてから辺りを見回すと荒れ模様になりつつある海に数えるだけの船と洋上は随分と寂
しくなってきています。残りのコマセを惜しげもなく大量に使用して最後のトライを試みつつ帰り支度に入ります。辺りの遊漁船も次々に竿を納め錨を揚げ始めます。危険なく無事帰港出来るかなと不安がよぎる中、これから釣りを始めようという猛者もいます。近付いてきた漁船は戸惑うことなくポイントを決め投錨、あっという間に仕掛を下ろし、暫くしてアジを揚げ始めました。1匹2匹、そして鈴なりに付いてさえいます。何と言うことでしょう。時化始めた海にカルチャーショック様なものが広がります。
 今回は出直しだ。急ぎ錨を巻き上げますが、こんな時ほど錨が海底から外れません。船を前後進させ外そうとしますが大きく振り回されてしまいます。ウインチのブレーカーが数回飛び、その都度猛烈な勢
いでロープが引き戻されます。巻き込まれまいと奮闘し汗が吹き出て万策が尽きロープに血が滲むと、仕方がない、錨を海に捨てる覚悟を決めました。
 鋏を準備した処で、もう一回だけとバックしながら錨を曳いた処運良くやっと外れました。早速気になっていた快釣状態の漁船に近付いていきます。25フィート程の船の左舷に2人並んで腰を下ろし脈釣りをしています。惚れ込むような釣り師の姿を伺っていると「アジしか釣れないよ。」とトモの人が呆れた様に声を掛けてきます。日焼けし海の男の顔です。ミヨシの人は私の師匠によく似ています。面長の笑い顔が素晴らしい船長と思しきその人は、その間にも素早い手つきで仕掛を引き揚げ目前でアジを揚げています。
 何時までも見とれていたいのですが、先を考えると思いやられます、何時までも居られません。浜名湖のホーン岬、今切れを早めに通過しなくてはいけません。引き潮で南風、波高2mとなればかなりの難渋が予想されます。南風を受けて発生した波が急激に浅くなった今切れ付近で大波になり、引き潮とぶつかる様になると大きなうねりと共に三角波が立ち、大変危険な状態になっています。まるでサーフィンをしている様に舵が思う様に効かず翻弄されます。足を踏ん張り横波を受けない様に舵とアクセルを調節し慎重に通過していきます。波静かな湖内に入ると一安心、アサリ堀をしながら高ぶった心身を鎮めます。ワタリガニがハサミを振り上げ私を威嚇します。挟まれそうになって「わっ!」と声を上げると何事もなく戻って来た自分を発見します。
 「かあさん、生姜とアサツキをたっぷりかけてね。」今夜も料亭の味、おかずはアジのタタキです。この味堪えられません。

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