技法の用語&漆について簡単な解説
- Q1.うるしは樹液?
- ウルシ科の落葉高木の樹液。
採取したままのものを生漆(きうるし)といい、成分の80パーセントはウルシオール。
これを加温して水分を除き顔料などを加えたものを製漆(せいうるし)といい、塗料として用いる。
- Q2.うるしはどこでとれる?
- 岩手県、茨城県、新潟県など。近年は中国産も多い。
- Q3.うるしを乾かすには?
- 湿度(70〜80%くらい)と温度(20〜30℃くらい)が必要。
箱や扉の閉まる棚(フロやムロと言う。)の中で温度と湿度を保つと、硬化して乾く。
- Q4.うるしの種類
- 生漆(きうるし):木から採取したままのもの。
- 透漆(すきうるし):上質の生漆をゆっくり熱して水分を取り去り透明度を高くした精製漆。木地蝋(きじろ)漆。
- 蝋色漆(ろいろうるし):油を含まない漆。塗った後炭で研ぎ、研磨し磨き粉でみがき光沢をだす。 など
- Q5.うるしの色はどうやってだしている?
- 各種顔料を混ぜ、好みの色にすることができるが、漆は元々薄い茶色というか透明ではないもの。
白い顔料を混ぜても、真っ白にはならず、ベージュというかくすんだ感じの白になる。
- 黒い漆は漆が鉄分によって黒変する性質を利用し、透漆(すきうるし)の中に、鉄または鉄の化合物を混入してつくる。
- Q6.きゅう漆とは?
- 器物に漆を塗ること。また、漆を塗った器物。
- Q7.木地(きじ)とは?
- 漆器を作る過程で、漆を塗る前の地肌のままの器物。
- Q8.乾漆(かんしつ)とは?
- 奈良時代に始まる漆工芸の技法。土または木の原形に木屑(こくそ)などを混ぜた漆を塗り、
その上に麻布をはり、さらに上に漆を塗ることを繰り返してかたどる方法。
上代には「夾紵(きようちよ)」「(そく)」と呼ばれた。脱乾漆と木心乾漆とがある。
- (現在は、 粘土で成形→石膏で型を作成→麻布をはる→漆を塗る という工程が一般的)
- Q9.蒔絵(まきえ)とは?
- 漆で文様を描き、金・銀・スズ・色粉などを付着させた漆工芸。
- 技法上から研ぎ出し蒔絵・平蒔絵・高蒔絵に大別され、絵以外の地の装飾としては、
梨子地(なしじ)・塵地(ちりじ)・平目地・沃懸(いかけ)地などがある。奈良時代に始まり平安時代に盛んになる。漆工芸の代表
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