作家が使う、自作や独自に工夫した道具たちを掲載していきます。
平文を作成するときの道具(柏原由貴子)
- 糸鋸(いとのこ)
- よく銀の切り方について質問を受けます。左より、糸鋸の刃と、糸鋸フレーム2柄。
- 刃はヘラクレス社の6/0。以前はバローべ社のものを使っていましたが、いつも行くお店には、ヘラクレスのしか置いていないので。
両者とも、あんまり違いはないように思います。糸鋸は、よく使うもの(中)と、特に細かいところ用(右)。長さが変えられる自在式なので、
張り具合を調整でき、使いやすい。また、折れた糸鋸刃をいじましく再利用することも可。懐が浅いほう(5cm)が、ブレが少なく、思い通りに動かせますが、浅すぎて、すぐにつかえてしまうので、普段は深いほう(10cm)を使っています。
- 銀(模様になる銀の板)
- 銀は、0.1mmのものを1〜3枚重ね、さらに0.5mmの銅板に貼りあわせて切ります。
木工道具 その1(新宮州三)
- 自由形態を造れる事が特徴の刳り物(くりもの)の仕事において、豆鉋(まめかんな)は象徴的な道具のひと
つです。鉋刃は、専門の職人の方に造って頂きますが、刃先の形、鉋台の形は、
器物に合わせて工人それぞれの工夫を入れて造ります。使用する材料によって刃
の角度も変わります。この小さな愛らしい鉋は、使うほど手にしっくり馴染んで
いきます。そんな道具造りも、工人の楽しみと言えるのではないでしょうか。
漆器作りの下地作業で使うヒノキのへら(八木茂樹)
- 私は漆器作りの下地という作業をしています。
木地屋さんで削ってもらった木地に漆と珪藻土と地の子を混ぜた
粘土状の漆で木地を丈夫にするための肉付けをします。
今回紹介するのは下地をつける為のヘラです。
材質はヒノキを使用します。
自分の使いやすいサイズに削るためあえてヘラになっていないヒノキの板を買います。
そして器に合わせて形を整えヘラにします。
ヒノキの一番の特徴は薄く削っても反りが少なく粘りがあることです。
また木本来のねばりを出すためと
ヘラの適当な柔らかさと割れをふさぐために常に水につけておく必要があります。
一ヶ月も水につけておくと木の芯まで水がしみこみ乾いている時と比べて
驚くほど丈夫です。
一番良いヘラを作るには目が細かくて反りが少ない木を選ぶことです。
今はヘラ木の材料が少なくなり良いヒノキのヘラは少なくなりつつあります。
私は貴重なヘラ木を無駄なく使う事を心がけています。
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