1.撮影・調査 / 2.解体 / 3.剥落止め・表打ち / 4.旧肌裏紙除去・補絹
5.肌裏打ち・増裏打ち / 6.折れ伏せ・付け廻し / 7.総裏打ち・仮貼りと補彩・仕上げ
4.旧肌裏紙除去・補絹


4−1.旧肌裏紙除去

 少しずつ肌裏紙を水で湿して除去する
 絵絹や裏彩色、表面の絵具を守るために、使用する水分は極力少なくします。
一筆、二筆ほどの面積を湿し、肌裏紙を繊維状に崩しながら少しずつ除去していきます。

4−2.補絹

 電子線劣化絹を用いて欠損箇所を補修する

 欠損部分はそのままにしておくと、絹が残っている部分と無い部分との段差から、さらに欠損が広がっていきます。そのため、欠損部と同じ形に切り出した絵絹を欠損部分に嵌め込んでいきます。


<電子線劣化絹とは・・・>
 高崎原子力研究所にて電子線を照射し、強制劣化させた絹のことです。強制劣化することによって、古い絵絹と強度を合わせます。もし現代の絵絹をそのまま補絹に用いると、強度が強すぎ、オリジナル部分を傷つけることがあります。


>>5.肌裏打ち・増裏打ち