1.撮影・調査 / 2.解体 / 3.剥落止め・表打ち / 4.旧肌裏紙除去・補絹
5.肌裏打ち・増裏打ち / 6.折れ伏せ・付け廻し / 7.総裏打ち・仮貼りと補彩・仕上げ
7.総裏打ち・仮貼りと補彩・仕上げ


7−1.総裏打

 染宇陀紙と古糊を用いて総裏打ちをする
 
総裏紙には宇陀紙を用います。白土が漉き込まれた、柔らかく強い紙です。表具の背面にあたる紙であるため、美しく、かつ強度が十分であることが求められます。奈良県吉野の福西○○製を使用しています。
本紙が中世などの古い絵画の場合は、バランスをとるために、宇陀紙を古色風の色合いに天然染料で染め上げます。
総裏打ちにも古糊を使用します。


7−2.仮貼りと補彩

 乾燥させるための仮貼と補絹部分の補彩

 十分に乾燥させるため、仮張に貼り付けます。この乾燥が十分であると、仕立て上がり後も状態よく掛けることができるようになります。
仮貼をしている間には、補絹部分を、周りの色味に合わせて補彩をします。あくまでも、周囲の色味に合わせた色を塗るだけで、絵を描き足すことは決して行ないません。

 補彩後、裏面を上にした状態に貼り直します(よりバランスよく乾燥させるため)。最低でも3ヶ月以上、できるだけ長く、乾燥状態にさせておくことをお薦めします。


7−3.仕上げ

 上軸、下軸、軸首、風帯を取り付けます。
 桐太巻添軸付屋郎箱を新調し、その中に出来あがった表具を納入します。



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