1.撮影・調査 / 2.解体 / 3.剥落止め・表打ち / 4.旧肌裏紙除去・補絹
5.肌裏打ち・増裏打ち / 6.折れ伏せ・付け廻し / 7.総裏打ち・仮貼りと補彩・仕上げ
1.撮影・調査


1−1.写真撮影 通常撮影 顕微鏡撮影 透過光撮影

 修理前の状態を記録するため、詳細な撮影を行ないます。全体から、傷みの状況がわかる拡大写真、絵具の粒子の様子が分かる顕微鏡写真など、様々な撮影をします。また、過去の修理の痕跡を調べたり、絵画内部の損傷を調べるために、透過光撮影を行ないます。さらに調査を進める場合には、赤外線、x線による撮影を行なうこともあります。

1−2.調査 採寸


 表具や本紙の寸法をとり、表具の状態の記録とします。過去の修理の記録として、修理前の裏打紙の打ち方や紙の取り方も採寸し、記録することもあります。

 
損傷地図作成
 現状を把握することは修理する上で、大変重要なことです。そのため、修理をする前に各部を詳細に目視調査し、亀裂や剥落、オーバーペイントの状況や染み、皺などを、原寸大の地図に表して、記録とします。また、この後の修理方針を立てる上で非常に重要な情報となります。


 
分光測色計計測
 肌裏紙の取替えや、修理中に使用する水によるクリーニング効果などによって、修理前と修理後で本紙の色が違って見えることがあります(たいていは汚れが落ちて、全体に明るい印象になることが多いです。)そのため、修理前後の色変化の状態を記録するため、分光測色計による計測をおこないます。

>>2.解体