小鳥を迎えるにあたって 雛~中雛(約 生後0日~2ヶ月)
おうちで繁殖したものではなく、ペットショップからお迎えしたことを仮定してお話を進めていきます。ペットショップの方針によって、餌や飼育方法などが色々と違うので参考までということで。
まず迎えるに当たって注意すべき点は、必ず実際に個体に触れてみて身体チェックをしてみましょう。
お店の方に「触ってみたいんですがいいですか?」と聞けば触らせてくれると思いますが、ここで1つ気をつけてほしいのですが、雛を触る場合はできるだけ手を温めてください。
雛の適温は35~40度と高いため、人が触ることで雛の体温を奪って体調不良を起こす可能性があります。
そのため、お店ではこの知識がない方に対して触れることを断ることもあります。
次に確認すべきことは現在ご飯をどのようにあげているかです。
いくら鳥を飼ったことがあるといっても、これから迎える子がどんなご飯を食べて育っているか確認することが大切です。
インコをこれからはじめて迎える人ならなおさら聞いておきましょう。
迎えるときに教えてもらったご飯も一緒に購入しておけば食べず嫌いということにはならないはずです。
あとはお店の品質チェックの確認ですが、このお店はどれだけペットの健康管理に取り組んでいるかの目安にもなりますし、鳥さんの知識があるかどうかも確認できることです。
あげているご飯の種類、餌の回数、蒸かしている時間など。
そして一番のチェック項目として体重管理と専門医により健康診断があるかどうかです。
定期的に専門医の健康診断をされているところはまだまだ少ないですが、体重管理をしていれば鳥さんに関して気遣っていることがわかります。
雛~中雛をお迎えに当たって必要なもの
ご飯 (雛用パウダーフードなど) |
雛用飼育セット (スプーンまたはスポイトの飼育セットセット) |
飼育ケースまたは水槽 (18~30cmくらいのもの) |
ペットヒーターまたはパネルヒーター(両方あれば便利) |
温度計x2 (室温用と飼育ケース内用 湿度計があると尚可) |
キャリーバック (病院への通院時に利用) |
キャリーバック用保温袋 (冬場の病院への通院時に利用) |
料理用はかり (個体の体重管理 できれば小数点が量れるもの) |
サーモスタット (温度管理に利用) |
ホット用ペットボトル (湯たんぽとして利用可能) |
四角いしょうゆ皿 (餌入れや水入れに利用) |
ペット保険 (加入時は必ず条件を確認してください) |
必要なもの | … | 便利なもの | … | 余裕があれば | … |
食事の話です。
最初(生後0日~3週間)はパウダー系の食事をとらせていきます。
ここでは「フォーミュラー3」をあげていくということで説明します。
まず熱湯で必要な量だけ蒸かし、人肌よりも若干熱い程度まで冷ましてから与えていきます。
最初は消化不良になると困るので離乳食並にやわらかくしてポンプで与えていきます。
そのうの状態と雛の状態を確認をして与えていきますが、あまり無理やり与えるのではなく時間がかかっても雛のペースで与えましょう。
場合によっては、そのう炎などの病気を引き起こしかねないので注意してください。
鳥さんの種類や個体差によって成長の早さが色々なので平均的なことをみてお話します。
生後2週間くらいからパウダー系のみだと消化が早すぎて1日に4、5回と回数が増えていきます。
あくまでも私のやり方でお話をすすめていきますので参考程度にお願いします。
この時期あたりから粟玉を使っていきます。
ただそのままだと消化しづらいので、すり鉢で7割くらい細かくしてフォーミュラー3と混ぜて与えます。
これまでポンプで与えてきましたが、粟玉を使うようになるとポンプの口が狭く詰まってしまうので、スポイトまたはスプーンを利用していきます。
スポイトやスプーンは雛用飼育セットみたいな形で器と一緒に売られていることが多いです。
成長とともに粟玉を5割、3割と徐々に原型の状態にしていきます。
これは穀物に慣らせることで一人餌に切り替えをしやすくすることにつながります。
当然のことながら原型に近い状態になるにつれてお湯で蒸かす時間も長くなるので、消化不良を起こさせないように気をつけてください。
別の餌のあげ方でお話を進めていきます。
ペットショップからお迎えするときには既に粟玉に切り替わっていて、一人餌にあと少しの状態になっている子が多いかと思います。
おそらく生後1ヶ月から1ヵ月半くらいじゃないかな?
ただペットショップの飼育方法によっては粟玉のみで栄養補助的なものが入っていないときがあります。
そんなときはどうするかを説明していきます。
フォーミュラー3を混ぜるのも有りなんですが、250g入りで約1500円くらいするのであと1、2週間で一人餌になる子に対してはもったいない感じがします。
1羽だとかなり余りますが、一人餌になっても栄養補助として与えても問題はありません。
そこで利用するのが、「ヒナフトール」、「葉緑素(粉末)」、「カルシウムパウダー(粉末)」の3つです。
合計金額的にはフォーミュラー3の上をいきますが、「葉緑素(粉末)」、「カルシウムパウダー(粉末)」は一人餌になっても使えるものなので無駄になるということはありません。
この時期の餌の割合は、「粟玉:8、ヒナフトール:1、葉緑素(粉末):0.5、カルシウムパウダー(粉末):0.5」くらいです。
※ ヒナフトールにはカルシウム成分がないためカルシウムパウダーを使っています。
あくまでも参考例なので上記のようにしなければならないということはありません。
鳥さんの種類や状況によって飼い主さんがその子の様子を見ながら臨機応変に対応していきましょう。
ここで鳥さんの健康管理というものを学んでいただきたいです。
小鳥を迎えるにあたって 中雛~若鳥(約 生後2ヶ月~5ヶ月)
セキセイインコや文鳥などはこの時期になると、自分から餌を食べるようになりスポイトやスプーンでの挿し餌を嫌がるようになって自立の兆しが見れるようになります。鳥種にもよりますが、早い子であれば1ヶ月半くらいで兆候がみられます。
この時期にお迎えをする方は店員に色々と確認をしましょう。
ペットショップからお迎えするにあたって、ペットショップと自宅では環境が違うため色々と準備も必要になるためです。
嫌がるようになったらしょうゆ皿に蒸したご飯をいれておきましょう。
それでも嫌がるようになったらいよいよ成鳥用のご飯を用意するようになります。
メーカーによっては若鳥用のものがありますが、最寄のショップでない場合はむき餌と殻つきの主食を用意しておきます。
最初はむき餌:7、殻つき3の割合で主食を作り、それに栄養補助食品をあわせてあげていきます。
本来であれば殻つき餌だけでもいいのですが、むき餌があることによってカロリーコントロールができるのであったほうが便利です。
種類に関してもそうですが、一人餌に切り替わるこの時期に手乗りの練習もしていきます。
同時期にいまのおうち(飼育ケースや水槽)からケージへとお引越しになります。
飼育ケースや水槽から切り替わることによって、おうちがこれまでの広さの2~3倍となるので保温(温度)管理はしっかりしましょう。
また広くなったからといってケージの中におもちゃの入れすぎに注意しましょう。
人間にとっては愛情かもしれませんが、鳥にとっては障害物にもなりかねないということです。
常に鳥目線を忘れずに。
中雛~若鳥をお迎えに当たって必要なもの
ご飯やおやつ (※ 下記参照) |
ケージ (鳥種によって適した大きさを選びましょう) |
飼育ケースまたは水槽 (18~30cmくらいのもの) |
ペットヒーターまたはパネルヒーター(両方あれば便利) |
温度計x2 (室温用と飼育ケース内用 湿度計があると尚可) |
キャリーバック (病院への通院時に利用) |
キャリーバック用保温袋 (冬場の病院への通院時に利用) |
料理用はかり (個体の体重管理 できれば小数点が量れるもの) |
サーモスタット (温度管理に利用) |
ホット用ペットボトル (湯たんぽとして利用可能) |
四角いしょうゆ皿 (餌入れや水入れに利用) |
ペット保険 (加入時は必ず条件を確認してください) |
一般的なご飯の種類
殻付き餌 |
葉緑素または小松菜(粉末栄養補助商品) |
殻剥き餌 |
カルシウムパウダー(粉末栄養補助商品) |
卵黄フード(粉末栄養補助商品) |
カルビタミックス(粉末栄養補助商品) |
カルビタバード(液体栄養補助商品) |
ペレット各種(主食にしたい場合はこちらをメインに) |
フォーミュラー3(雛用のご飯) |
おやつ
粟穂または赤穂 |
葉物(青梗菜や小松菜など) |
かじりま専科 |
カットルボーン |
塩土 |
オーツ麦 |
カナリアシード |
必要なもの | … | 便利なもの | … | 余裕があれば | … |
小鳥を迎えるにあたって 若鳥~成鳥(約 生後5ヶ月~)
いくら一人餌に切り替わったばかりの若鳥といってもまだまだ子供です。体もまだしっかりしていないためこの時期の保温管理はしっかりしましょう。
鳥だけではなく、生き物は飼い主に対して病気を隠します。
常に鳥と触れ合いながら便の状態・体重管理・おしりが汚れていないかなどを確認しましょう。
また、この時期はよく動くこともあり放鳥中での事故やケージ内での怪我も少なくありません。
病気や怪我とも向き合わなくてはならなくなるので、1年に2回は便検査やそのう検査をすることをおすすめします。
これを機会に2~3件の行きつけの病院を探すのもいいかもしれません。
成鳥を迎えた場合は「観賞用」か「繁殖用」として売場ではみているため、ほとんどの子は手乗りではありません。
なつかないからといっても、ご飯をあげるとき名前を呼んであげたりと常に声をかけてあげることでコミュニケーションが取れます。
根気がいりますが、慣れてくれば指に乗らずとも肩に乗ってくれるようにもなります。
頑張りましょう。
繁殖用として向かえた場合は相性があるので、いきなり同じケージに入れずに鳥かごを隣り合わせにお互いの行動をみたり放鳥してみるのもいいかもしれません。
オスがメスの背中に乗ってお尻を振るようなしぐさを見られるのであれば、同じケージに入れて巣箱をいれて様子を見ればいいでしょう。
ただ喧嘩をずっと続けるようであれば距離を離すしかないかもしれません。
ただ繁殖は親鳥になる子たちに負荷を与えるとともに、飼い主へも負荷を与えるので常に未来を予測し、自分自身のこともそうですが鳥たちのことをしっかりと考えてください。
またメスの場合はオスがいなくても卵を産みます。
巣箱をいれていなくても、ケージの片隅やえさ箱に産み落とすことが多いです。
ただ鳥さんによっては卵を温めようとする子もいますが、これはこれで体力を消費するため卵を抜き取るか偽卵とすり替えておくといいでしょう。
なぜ偽卵を使うかというと、産み落としたばかりに抜き取ってしまうと鳥さんは「あれ? 産んでいなかったのかな」と錯覚を起こして再度産卵に入ってしまうため、体力を消耗して母体に危険が生じやすくなります。
仮にオスが発情しすぎると病気にもつながるので注意しましょう。
あまりひどい場合はホルモンバランスが崩れてしまい体調が不安定になります。
若鳥~成鳥をお迎えに当たって必要なもの
ご飯やおやつ (※ 上記参照) |
ケージ (鳥種によって適した大きさを選びましょう) |
飼育ケースまたは水槽 (18~30cmくらいのもの) |
ペットヒーターまたはパネルヒーター(両方あれば便利) |
温度計x2 (室温用と飼育ケース内用 湿度計があると尚可) |
キャリーバック (病院への通院時に利用) |
キャリーバック用保温袋 (冬場の病院への通院時に利用) |
料理用はかり (個体の体重管理 できれば小数点が量れるもの) |
サーモスタット (温度管理に利用) |
ホット用ペットボトル (湯たんぽとして利用可能) |
四角いしょうゆ皿 (餌入れや水入れに利用) |
ペット保険 (加入時は必ず条件を確認してください) |
必要なもの | … | 便利なもの | … | 余裕があれば | … |