脳出血ってどうすれば防げるの

健康コラム第3回  脳出血についての知識

 

脳卒中は、大きく分けて血管が「詰まる(脳梗塞)」「破れる(脳出血・クモ膜下出血)」の2つに分類されます。
前回は「詰まる」脳梗塞についてお話ししましたが、今回は血管が「破れる」病気の一つ、「脳出血」について詳しく解説します。
<ある日突然、激しい頭痛や麻痺に襲われ、命に関わることもある恐ろしい病気ですが、その最大の原因は、皆さんの身近にある「あの病気」です。
正しい知識を持ち、日々の生活で予防を心がけることが、あなたと大切な家族の未来を守ります

 

脳出血とは? なぜ血管が破れてしまうの?

脳出血とは、文字通り、脳の中(大脳、小脳、脳幹など)の細い血管が破れて出血してしまう病気です。漏れ出した血液は血の塊(血腫)となり、周囲の脳細胞を圧迫したり壊したりして様々な症状を引き起こします。

では、なぜ丈夫なはずの血管が破れてしまうのでしょうか?

 

最大の原因は「高血圧」

脳出血の原因の約6~7割は「高血圧」によるものです。血圧が高い状態が長く続くと、脳の細い血管の壁は常に強い圧力を受け続け、傷んで脆(もろ)くなってしまいます。また、高い圧力に耐えようとして血管の壁が厚く硬くなる「動脈硬化」も進行します。 こうして弾力性を失い、ボロボロになった血管が、ある日の血圧上昇(怒った時、力んだ時、寒い場所に出た時など)に耐えきれなくなり、プチンと破れてしまうのです。

 

その他の原因

高血圧以外にも、加齢により血管が脆くなる病気(アミロイド血管症)や、生まれつきの血管の奇形(脳動静脈奇形など)、血液が固まりにくくなる病気や薬の影響などが原因となることもあります。
(※今回は、脳の表面の太い血管にできたコブが破裂する「クモ膜下出血」とは区別してお話ししています)

 

どんな症状が出るの?

脳出血の症状は、出血した場所や出血量によって様々ですが、多くのケースで突然発症します

 

激しい頭痛、吐き気、嘔吐(特に出血量が多い場合)

意識がもうろうとする、呼びかけに応じない

片方の手足が動かしにくい、しびれる(片麻痺)

言葉が出にくい、ろれつが回らない

めまい、ふらつき、まっすぐ歩けない

 

これらの症状が急に現れた場合は、脳出血(または脳梗塞)の可能性が高いです。ためらわずにすぐに救急車を呼んでください。

 

治療はどのように行うの?

1. 保存的治療(内科的治療)

多くの脳出血では、まずこの治療が行われます。
出血がそれ以上拡大しないように、血圧を下げる薬を点滴し、厳重に血圧を管理します。また、脳のむくみ(浮腫)を抑える薬を使用したり、止血剤を使ったりして、安静を保ちながら脳の状態が落ち着くのを待ちます

 

2. 手術治療(外科的治療)

出血量が多く脳への圧迫が強い場合や、意識状態が急速に悪化している場合などは、血の塊を取り除く手術が検討されます。 頭の骨を開けて直接血腫を取り除く「開頭血腫除去術」や、小さな穴から内視鏡を入れて血腫を吸い出す「内視鏡下血腫除去術」などがあります

治療後は、早期からリハビリテーションを開始し、残ってしまった麻痺などの機能回復を目指します

 

脳出血予防のためにできること!!

脳出血の最大の原因は「高血圧」です。つまり血圧を適切に管理することが最強の予防法となります

 

◎血圧管理

健康診断で高血圧を指摘された方は、放置せずに医療機関を受診し、医師の指導のもと、食事療法、運動療法、必要であれば薬物療法を行いましょう。家庭での毎日の血圧測定も大切です

◎減塩

日本人は塩分を摂りすぎる傾向があります。1日の塩分摂取量を6g未満(高血圧の方は)を目標に、薄味を心がけましょう。出汁や酸味、香辛料を上手に使うのがコツです

 

◎適度な運動

ウォーキングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。肥満の解消にもつながり、血圧を下げる効果が期待できます

◎節酒、禁煙

過度な飲酒は肝臓や腎臓に負担をかけて動脈硬化を促進させます。血管の弾力性が失われると血圧は上がります、同様に煙草も末梢血管を収縮させますので血圧上昇につながります


まずはこれらを意識することが予防の第一歩です。

脳出血は、発症すると命に関わったり、重い後遺症が残ったりする怖い病気ですが、その多くは日頃の血圧管理と生活習慣の改善で防ぐことができます。 「自分は大丈夫」と過信せず、自分の血圧に関心を持ち、血管をいたわる生活を心がけましょう


当院(加藤脳神経外科)では、MRIなどを用いた脳の検査や、生活習慣病の管理を行っております。「自分は大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

2026年08月02日