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富士宮市の脳神経外科、外科、内科クリニック。加藤脳神経外科です。

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健康コラムHealth Column

健康コラム第13回  血管内手術について(カテーテル検査)

1)血管内手術とは?

みなさん、血管内手術をご存知でしょうか。脳梗塞の急性期(発症12時間以内)やくも膜下出血(破裂していない動脈瘤)に対して、頭蓋骨に穴を開ける、開頭手術の代わりに、足の付け根の大きな動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を患部まで通して、脳梗塞であれば詰まった血栓の回収を行い、脳動脈瘤であれば血管から突き出た瘤のような動脈瘤にコイルと呼ばれるプラチナ製の細い糸で内部を充填することで、血の流れを阻害して動脈瘤が破裂しないようにします。従来の開頭手術に比べると侵襲度が低く、術後の回復が圧倒的に早い事が一番のメリットです。脳血管障害に対するリハビリは、始めるのが早ければ早いだけ機能回復の可能性が高くなるので、積極的に施行されています。

2)血管内手術のメリットとデメリットについて

血管内手術は従来型の開頭手術に比べて侵襲性において大きなメリットがあって、積極的に施行されていますが、デメリットも少なくはありません。また動脈瘤の形によっては施行できない場合もあります。まずデメリットですが、血管は体の外からはリアルタイムで内部を見る事が出来ません、血管の内部をみるためにはX線を使った透視装置と、血管造影剤を使用する必要があります。みなさんご存知かと思いますが、X線は放射線の一種で被爆を避ける事ができません。健診等で胸や胃のレントゲンを撮影しますが、それよりも多くの被爆があります。被ばく量によっては皮膚の発赤とうの放射線障害が起きる事もあります。同時に造影剤を使用するので、造影剤のアレルギーを起こす可能性が高くなります。造影剤は主成分のヨードが引き起こすもので、起こった場合適切な処置をしなければ、命にかかわることもあります。病院内では適切な処置が望めるので、過度におそれる必要はありませんまた血管内にカテーテルを通すためには、ガイドワイヤーと呼ばれる細いワイヤーを造影しながら、血管内に進める必要が有ります。ガイドワイヤーはステンレス製のスプリングワイヤや、繊維性のテフロンコーティング等あります。ワイヤーは固く、血管壁を傷つけたり、場合によっては血管壁を突き破って出血を引き起こすこともあります。そうなった場合にはすぐに開頭手術に切り替える必要があります。デメリットの多くは、手技の熟練度に左右されます。より短時間で少ない被爆量でガイドワイヤーを患部まで進め、適切な処置を行う事が出来れば、安全性の高い、血管内手術を行う事ができます。

3)富士・富士宮地区での血管内手術の現状について

血管内手術は手技の熟練が必要とされるため、富士・富士宮地区では行える病院が限られており、症例が少なかったのですが、最近になって富士市立中央病院に血管内手術のスペシャリストが着任しました。そのため富士市立中央病院では随時、この血管内手術を行う事が出来るようになりました。当院でも脳梗塞の症例は多く、発症から6〜12時間以内であれば、血管内手術を用いて、梗塞部位の血栓を回収することで、予後が大幅に改善することが期待できます。脳梗塞は高齢者に多く、 リスクの関係から開頭手術は難しい症例も多く見られますが、血管内手術であればそのような場合でも施行できる場合が多くなります。手足が動かない、呂律が回らない、血圧が高い、痺れが強いなどの症状は脳梗塞の可能性があります。おかしいと思ったら当院に相談されてもいいですし、土日でも富士市立中央病院で対応できるとの事です。

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