脳卒中(脳梗塞、脳出血など)は、日本人の死因の上位を占め、また「寝たきり」の原因となる病気の第1位でもあります。 ある日突然襲ってくる恐ろしい病気ですが、その原因や起こりやすい状況を正しく知ることで、リスクを大幅に減らすことができます。
まずは、脳梗塞がどのようにして起こるのか、こちらの図をご覧ください。

脳梗塞とは、文字通り脳の血管が「詰まって(塞がって)」しまう病気です。 脳の細胞は、血液が運んでくる酸素と栄養がなければ生きていけません。血管が詰まり血流が途絶えると、その先の脳細胞は短時間で壊死してしまいます。これが様々な麻痺や障害を引き起こします。
では、なぜ血管が詰まってしまうのでしょうか? 主な原因は、図の中央にあるように「血栓(けっせん)」と呼ばれる血の塊が血管を塞いでしまうことです。
この恐ろしい血栓ができる背景には、主に4つの大きな要因があります。
本来、健康な血管はゴムホースのようにしなやかです。しかし、加齢や生活習慣の乱れによって、血管の壁が厚く硬くなったり、内側にコレステロールなどの塊(プラーク)が溜まって狭くなったりします。これを動脈硬化と言います。 狭くなった血管は詰まりやすく、またプラークが剥がれて血栓となり、先の方で詰まる原因にもなります。
高血圧は、常に血管の壁に強い圧力がかかっている状態です。これは血管を傷つけ、動脈硬化を加速させる最大の原因となります。自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれ、気づかないうちにリスクを高めてしまいます。
脳の血管自体に問題がなくても、心臓が原因で脳梗塞になることがあります(心原性脳塞栓症)。 特に注意が必要なのが「心房細動」という不整脈です。心臓が細かく震えてうまく血液を送り出せなくなると、心臓の中で血液がよどんで大きな血栓ができやすくなります。これが血流に乗って脳へと飛んでいき、太い血管を突然詰まらせてしまいます。このタイプは重症化しやすいのが特徴です。
冬場に多く見られるのがヒートショックです。 暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動したり、冷え切った体で熱いお風呂に入ったりすると、血管が急激に縮んだり広がったりして、血圧が大きく変動します。このショックが引き金となり、血管が詰まったり破れたりする原因となります。
脳梗塞は突然発症しますが、その原因の多くは、日々の生活習慣の積み重ねの中にあります。
塩分を控えたバランスの良い食事
適度な運動
禁煙
冬場の室温管理(脱衣所を暖めるなど)
まずはこれらを意識することが予防の第一歩です。
また、高血圧や不整脈を指摘されている方、動脈硬化が心配な方は、放置せずに医療機関を受診し、適切な管理を行うことが最も重要です。
当院(加藤脳神経外科)では、MRIなどを用いた脳の検査や、生活習慣病の管理を行っております。「自分は大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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