脳の血管が詰まり、結果としてその血管が栄養していた組織が死んでしまう事です。原因としては、
1)動脈硬化 2)不整脈(心房細動) などが考えられます。
一番の原因は年をとることです、年齢とともに動脈硬化が進んでゆくのは避けられませんが、動脈硬化を早めるものとして高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、高尿酸血症、過度の飲酒、タバコ、過労、睡眠不足、ストレスのある生活などがあります。動脈硬化は脳梗塞ばかりでなく、心筋梗塞、腎不全などの原因ともなりこれを進めないようにする事が大切なのです。その為には、まずは食生活(高カロリー、高脂肪、塩分の多い食事を避け)適度な運動(過度の運動はよくありません)規則正しい生活(睡眠を充分にとり、ストレスを残さない)お酒は程ほどに、タバコはやめた方が良いでしょう。また、定期的な健康診断も受け早めに自分の体の状態を知る事も大切です。
不整脈、特に心房細動といわれている人は注意が必要です。心房細動とは心房が規則的に動いていない状態で、心房内に血栓(血のかたまり)ができやすくなります。血栓が左心房から頚動脈を通って脳の血管に詰まると脳梗塞となります。健康診断で心房細動が分かったら、循環器内科できちんとした治療(薬;血の固まるのを防ぐものや坑不整脈剤、強心薬など)が必要です。動脈硬化があるから必ず脳梗塞になるわけではなく(血管内腔が細くなっても血液が流れていれば良いわけで)、それを引き起こしやすくする状態を作らない事が大切です。先ず、脱水状態は血液の成分である水が少なくなり血液がどろどろした状態になりますので注意が必要です、水分の摂取に心がけて、暑い日向には長時間いないようにしたほうが良いと思います(最近は若い世代でも脱水によると思われる脳梗塞が増えています)。また高血圧や高コレステロール血症、糖尿病などは発見された時点できちんとした治療(食事療法、運動療法必要なら薬を飲む、定期的な検査)が必要です。脳梗塞の前ぶれの症状として一過性脳虚血発作(TIA)と言うのがあります。脳に血液が一時的にいかなくなり、手足の麻痺や言語障害などが出ますが24時間以内に症状が改善する発作の事ですがこのような発作が繰り返し起こっているうちに脳梗塞になってしまう人がいます。ですから、TIAはサッカーでのイエローカードの様なものと考えられます、この時点できちんとした診察を受け生活の改善や場合によっては予防の薬を飲む事によってレッドカードを受けないようにする事が大切です。(おかしいと思ったら必ず脳神経外科や神経内科を受診すること、脳ドックなども良いでしょう)。不幸にして、脳梗塞を起こしてしまった場合はリハビリテーションと再発の予防が必要です、麻痺があるからと言って動かさないと麻痺の無い部分の筋肉も弱ってしまい更に動けなくなり、動けの無くなる事によって他の病気になりますからリハビリテーションは欠かせないものです、また脳梗塞の再発はかなり頻度が高く血圧の管理や予防薬の服用は必要です。いずれにしても脳梗塞になってからでは遅いので、もう一度自分の生活を見直してゆく上でこの文章が参考になって頂ければ幸いです。
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