[寸評]
前回読んだ「凶眼」もさっぱりだったが今回も・・・。
登場人物にハードボイルドっぽく気の利いた台詞回しをさせているつもりらしいが、まるで会話になっていない。(最近こういうのが多いんだ。)
これで話のテンポが乱されてしまう。
どの登場人物にも魅力が乏しく、展開も整理されていないため物語に気持ちが入っていかない。
以前は読み応えのある本もあった作者なのだからがんばって欲しいですね。
[寸評]
「クリスマスのフロスト」に続くフロスト警部ものの第2弾。
長尺でおまけに次から次へといろいろな事件が起こるが、構成がしっかり整理されており話の筋が分からなくなることはない。
フロストの下品なジョークも健在で、会話が実に生き生きとしており、脇役連も性格付けがはっきりしている。
読みやすくかつ面白い。
ただ、これだけの長さを保たせてきながらラストがもう少し余韻のある終わり方だったら、ということで★ひとつ減点。
[寸評]
「ビッグ・タウン」に続くダラスの私立探偵フリッポの第2弾。
先週の「フロスト日和」と同様読みやすくかつ面白い。
しかし話の方は最初から見えてしまうようでどんでん返しもそれほどの意外性はないので、前作より物足りないということで採点はやや辛め。
それでもエンタテインメント性は高く、バーテンダーのサリーとフリッポのコンビも雰囲気良く、終盤はスリルたっぷり。
もう50ページ書き込んであればと思わせる小品。
[寸評]
特にドラマチックでもないけれどたいへん気持ちの良い物語です。
人一倍純粋なるがゆえに悩み、それが表に出てしまい一層悩んでしまうという、正直で頑固者のそれぞれの登場人物の描き方がとても上手い。
話の展開にやや変化が乏しく、はらはらも中くらい、笑いも爆笑とまではいきません。
それでも殺伐とした本の多い中、終わり方もほっとさせてくれ、ほんわかといい気持ちになりました。
[寸評]
図書館にリクエストし延々と待ってようやく読めました。
さすが「ゴサインタン」の作者、単なる強い結婚願望を持つOL風俗ものを十分に超えている。
登場人物の心の動きが非常にリアルに描写されており、男の私も勉強になりました(今さら、ですがね)。
後半、登場人物たちが新しい世界に飛び立っていくあたり、やや状況を追いかけるだけになったようなところもあるが、生きていくことの厳しさを描きながら作者の人間を見つめる目の優しさを感じさせる作品でした。
[あらすじ]
19才の印刷工永井万里子の勤める印刷会社が倒産し、整理屋として会社に乗り込んできたのは叔父の萩元勉だった。
その叔父が万里子の目の前で車もろとも爆死してしまう。
母のすすめで叔父の友人だった元調査員の真船に調査を依頼する。
真船は警察も絡んでいるらしい事件の真相を昔の調査会社の同僚らの助けを借りつつ突き止めていく。
[採点] ☆☆
[あらすじ]
イギリスはデントンの町の名物警部フロスト。
犯罪統計報告書と署員の残業手当申請書類の締め切りに追われながら、上司を殴って降格転属させられてきたウェブスター巡査と共に次々起こる事件に振り回される。
公衆便所で見つかった浮浪者殺人、連続婦女暴行魔、轢き逃げ、遊興地区で起きた強盗傷害事件等々。
きついジョークと不眠不休の粘りでへまを重ねながら捜査は続く。
[採点] ☆☆☆☆★
[あらすじ]
元検事補の私立探偵ジャック・フリッポは、知り合いの弁護士の依頼で生命保険に絡む事故調査を引き受ける。
湖で溺死した男には50万ドルの保険がかけられており、受取人はバーの共同経営者。
ぷんぷん臭う事件だが地区の保安官も治安判事も本件に何の疑いも持っていないようだ。
やがて調査を続けるフリッポはあからさまな妨害を受けるようになる。
[採点] ☆☆☆★
[あらすじ]
二ツ目の落語家今昔亭三つ葉は従弟でテニスコーチの綾丸良から話し方の伝授を頼まれる。
テニス教室でどもってしまい生徒に馬鹿にされるのが恐いと言う。
良の他おかしな縁で集まったのは、すぐ人に反発してしまう十河五月、マイクの前で口が重くなる野球解説者の湯河原、
関西から転校してきて小学校でいじめを受けている村林少年。
三つ葉は彼らに落語を教えることにするが・・・。
[採点] ☆☆☆☆
[あらすじ]
斉藤康子は東京の損害保険会社に勤める30代のOL。
同期の女たちのほとんどが結婚退職していく中、将来設計も特になく補助的な仕事を黙々とこなしていた。
ある日、若い同僚たちと共に独身で新進のシナリオライターと飲む機会を持つ。
ところが男は脂ぎった小太りの体型にダサい服装、実家が信州の農家ということで若い子たちはしらけるが、康子はナイーブな彼に惹かれる。
[採点] ☆☆☆☆
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▲ 「クリスマスのフロスト」
イギリスの田舎町で起こった少女失踪事件を捜査する仕事中毒にして下品で押しの強い名物警部フロストを中心に描く警察小説。
とにかくフロストのキャラクタが最高で、連発する下品なジョークも爆笑もの。
94年の週間文春傑作ミステリー1位。