[寸評]
このところ面白本の連発ですが、これも相当なもの。力作です。
山村の人々の生活・民俗描写が興味深く克明で感心させられます。
3部構成のストーリーは大変にドラマチックで、かつスリリング。
あっと驚く展開に500ページの長尺も中だるみはまったく無し。
終盤の惨劇とふっきれたようなラストも感動を誘います。
もはや坂東眞砂子は民俗伝承ホラー作家の枠を超えたようです。
[寸評]
このシリーズのファンであり、主人公たちに思い入れの強い私には結構楽しめました。
逆に今までの作品を読んでいない人には、まあ面白いサスペンスアクション、といった程度かもしれません。
「百舌の叫ぶ夜」や「幻の翼」の頃の全編ナイフのような鋭さと冷たさが感じられないのは残念。
このシリーズに甘さはいらない。
そして美希の××シーン、もともと週刊ポスト連載だからなのか。やめてほしかったなぁ。
[寸評]
「されど修羅ゆく君は」が面白かった作者でしたが、これはいけません。
話も人物設定も中途半端。
前作同様10代半ばの女の子が出てくるのですが、これがまたこんなやついねぇよ、というほど大人びたもの。
武井の過去の話はどうなったの? 何で大学助教授だった奴がこんなに度胸があって腕がたつの?
警察はどうしたの? こんなに簡単に人が殺されていいの? 不満だらけでした。
[寸評]
年末で公私ともに忙しく、ちびりちびりと読んでいたらさっぱり筋が分からなくなってしまい、
こんな採点となりました。巷では結構評価は高いようです。
確かにつまらなくはないけれど、でも簡単に麻薬をやり、簡単に銃を撃ち人を傷つけ、簡単に抱き合う人々に感情移入するのは容易ではありません。
平気で殺し合いながら赤ん坊は神のように大事にするあたり、いかにもアメリカ人の描きそうなことだと思うのは私だけでしょうか。邦題もダサイ。
[あらすじ]
明治末期の越後の雪深い山村を舞台とした愛憎のドラマ。
地主の屋敷に奉納芝居の振り付けのために東京から2人の役者、扇水と弟子の涼之助が呼ばれた。
涼之助はふたなり(両性具有)で妖しい魅力を持っていた。地主の息子の嫁が涼之助に近づく。
またこの村の近くの山には人を食う山妣がいると言われていた。
[採点] ☆☆☆☆★
[あらすじ]
「百舌の叫ぶ夜」などの公安シリーズものの最新作。
前作「砕かれた鍵」で夫倉木を失った美希は夫の古巣警察庁特別監察官室の警部となっている。
前作の警察の解体再編を狙った事件で免職となった元警察官が次々と殺され、その現場に百舌の羽根が残されていた。
死んだはずの恐るべき殺し屋”百舌”がよみがえったのか。
[採点] ☆☆☆☆
[採点] ☆☆★
[採点] ☆☆☆
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