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43  vol.2 もったいない!は国際語
2010.11.04 Thu.
 NHKの今年の大河ドラマは「功名が辻」。
山内一豊とその妻千代の一代記です。高知城に移封されるまで、静岡県の掛川城主であったため、掛川市はあやかりブームに沸いています。
 妻千代がお嫁入りの持参金で一豊に馬揃えの折の名馬を求めさせ、一豊は天晴れ面目を施した逸話は、戦前小学校の教科書に「日本女性の鑑」として取上げられていました。ところが先の大戦に敗れた途端、千代さんは「へそ繰りの元祖」とさげすまれ、憮然たる思いでしたが、千代さんは漸く名誉回復した感じです。
 障子を切り張りして倹約の範を垂れた松下禪尼(北条時宗の祖母)の話や質素倹約して、自家はおろか、藩の財政まで立て直した二宮金次郎等の戦前の教材に取上げられた逸話は、「大量消費、使い捨て」の高度経済成長の大浪に飲み込まれ知る人はありません。
 そんな折二月来日されたノーベル平和賞受賞者でケニア国女性環境副大臣のワンガリ・マータイさんは、資源愛護、再利用、ゴミ減量等を一言で表す言葉を探していましたが、母国語や英語にもなく、二年程前日本に「もったいない」と言う言葉がある事を知り「物を大切にする先人の知恵、生活様式の異なる世界で、共通の環境意識を持たせる最適の言葉」と稱賛され、自国ケニアは勿論世界各地で「MOTTAINAI」を広めているとの事、使い捨て国日本では死語になりかけている言葉が国際語に成りかけています。
 マータイさんからはさらに「技術先進国なのに古い文化を大切にしている」とお褒めの言葉を戴いています。この古い日本文化を凝縮しているのが日本の茶の湯(茶道)ではないでしょうか、簡素、節約、華美に走らずを基調にに「和敬静寂」の心を説いています。茶道祖千利休は「茶の湯とはただ湯をわかし、茶をたてて、のむばかりなることと知るべし」と説いています。案外「もったいない」もこの辺から生まれた言葉ではと思います。
 茶の湯、煎茶礼式はあくまでも基本です。毎日の生活の中自然に召し上って戴くのが千利休の唱える真の茶道ではないでしょうか。
 今年も初夏の香り、日本文化の凝縮した新茶が出始めています。しかも栄養素のエキスです。どうぞ新茶をお召し上がりください。


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