或る作家のお話し「何んともお恥ずかしい次第であるが私は長い間、あやめと花菖蒲とかきつばたの区別がつかなかった。いや、いまでも実物に接しても確かな判別を言いきる自信がない………。」との事、とにかく素人ではむずかしいとされています。花屋さんによると普通あやめと云っているのはアヤメ科のアヤメ、や花菖蒲で花のつけ根が黄色で、かきつばたの葉は花菖蒲の様に中央に突起脈がなく、花は楕円形で外花蓋が三片下に垂れ、内花蓋三片が稍尖っているのが見分けののポイントだそうです。
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「いずれがあやめかきつばた」と美人の形容詞に使われています。平安末期の武将源三位ョ政は戦功により後鳥羽院からあやめの前と云う美女を戴くことになったが大勢の美女が揃っていて誰があやめの前か分からず「五月雨に沼石垣水こえていずれがあやめ引くぞわずらう」と詠んだそうです。
源三位ョ政は歌人としても有名でした。
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水がなければ
どうにもならない花がある。
あやめにしょうぶ かきつばた
それが何だかいとしくて
どなたも 水を忘れず描きます
(サトウ ハチロウ)
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