静岡市の郊外賤機山の山裾に名刹、臨済寺があります。この寺は徳川家康公が幼少の頃今川家の人質として過ごした事でも知られています。そのみどりに囲まれた一隅に静岡茶の祖と仰がれる三人のお坊さん達の像を祀る茶祖堂が建っています。
栄西禅師(1141〜1215)は宋(中国)より始めて茶の種子を持ち帰られた方で日本の茶の祖と稱えられています。そして「喫茶養生記」を著しました。
聖一国師(1202〜1280)は栄西禅師とほぼ同じ頃、やはり宋より茶の種子を持ち帰り郷里に近い静岡市の足久保の地へ、これを播き、静岡茶の祖と仰がれています。紅葉の名所、京都の東福寺を開基した事でも知られています。
大応国師(1235〜1308)は宋より帰国の折、茶の湯に用いる台子(たな)を持ち帰り中国の茶の礼式を伝えたお坊さんで、日本の茶道の祖として敬われています。静岡市内に国師の産湯を使ったと云われる井戸が残っています。
毎年初夏の候、新茶の献茶式が賑やかに行われ、三人のお坊さん方の功績を稱えています。
栄西禅師より茶の種子を拝受し京都の高山寺へ播いた、明恵上人は、茶の功徳を稱えて茶の十徳を唱えています。
(一)諸天加護 (二)父母孝養 (三)悪魔降伏
(四)睡眠自除 (五)五臓調和 (六)無病息災
(七)明友和合 (八)正心修身 (九)煩悩消滅
(十)臨終不乱
分かりにくいのが(三)の悪魔降伏ですが、これは各人それぞれの思い、考え方があると思います。
【インフルエンザに 茶カテキンの威力!】
《十月十五日の新聞報道によりますと、流行のインフルエンザの感染抑制効果に緑茶のカテキン(EGCG)が大変有効であり感染後も効果が認められたと報じています。
静岡茶で冬を乗り切りましょう。》
この様に日本の茶はお坊さん方により、中国より伝来し、そのおいしさ故に全国にひろまり、その数々の薬効は現代の科学により解明され類まれなる自然飲料と評価されています。
寒さと共にお茶の味もおいしさを増す季節となりました。白銀屋銘茶をよろしく。!
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