十七世紀のイギリスでは砂糖は銀以上に値打ちのある大変な貴重品だったとのこと。
「ポルトガルのキャサリン王妃がチャールズ二世のもとへ輿入れした時、持参金として銀塊を持ってくる約束であったがキャサリン王妃が持ってきたのは砂糖であった。約束を違えたのにチャールズ二世は大喜びした。」という逸話があるそうです。
イギリスの上流階級では貴重品の砂糖を、やはり珍重されていたお茶に入れるという事が最高の贅沢とされ、紅茶だけでなく緑茶にも砂糖を入れて飲まれていたそうです。
イギリスではお茶と砂糖を結びつけましたが、日本ではお茶と砂糖を分離して、砂糖を使ったお菓子を食しその甘味が舌に残っている内に抹茶を飲むという茶の湯の文化を作り上げました。
なぜお菓子とお茶の相性が良いのかというと科学的にはお菓子=甘味料(酸性)とお茶(アルカリ性)が口の中で中和されて美味しく感じるのだそうです。
世間一般には緑色のお茶には砂糖味・塩味のお菓子が合い、お菓子→お茶の順番。茶色のお茶にはしょうゆ味・みそ味のお菓子が合い、お茶→お菓子の順番が良いといわれています。
また日本には「口中調味」という習慣もあります。これは米食文化の大きな特徴でもあります。西洋ではご飯そのものに味を付けて食べたり、おかずと混ぜ合わせて食べます。ところが日本人はおかずに箸をつけてはご飯を口に入れその間に味噌汁をすするという食べ方をします。味付けされていない白いご飯も口の中で味が加えられて美味しくなるのです。
今年も冬場の気候に恵まれて、たいへん美味しいお茶が出来上がっています。お気に入りのお茶菓子とご一緒に至福の一時を、お食事後のほっと一息の団欒に白銀屋の新茶をぜひお楽しみください。
(一部山政通信より抜粋)
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