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16  vol.29 桜の開花と新茶
2021.10.16 Sat.
 今年もいよいよ桜前線が北上し全国的に桜満開の季節を迎えました。桜は夏頃に翌年の春に咲く花の元となる花芽を形成して休眠(成長に適さない環境時に活動を休止する)に入ります。花芽は冬の寒さに一定期間さらされると休眠から目覚めて(休眠打破)、春先の気温の上昇とともに成長して開花します。気象庁は気象台・観測所ごとに一本の標本木(ソメイヨシノ)定めて開花日を予測します。そして開花から一週間程で満開となります。
 桜の満開日とほぼ同じくして茶業研究所が茶の萌芽を宣言します。茶樹の上に二十センチ四方の箱を置いてこの枠内の全部の新芽を調べて新芽の七割が頂芽の約二倍の大きさに達した時が萌芽宣言のテタイミングです。桜の開花宣言と茶の萌芽宣言は発表する役所が別々なのに何故か不思議と連動しています。
 茶農家は桜蕾の膨らみを見て新茶の時期の目安とし、開花宣言から「その一週間後が茶の萌芽、一ヵ月後が茶摘み始め」であると予想します。
 一方、筍は地温が高い方が作柄がよいとされています。冬が寒いと春になって地温が上がった時に柔らかい筍が掘れます。茶業者は「筍が豊作だと初夏の茶も豊作になる」と予想します。茶樹も休眠しますが季節のメリハリがはっきりしていて冬が寒い方が良いと言われています。寒さの中で育った茶葉は品質が良く美味しいお茶になります。茶業者は昔からの経験により桜で茶の生産の時期を、筍で茶の作柄を予想してきました。
 また茶農家は柿の葉の伸び具合を見ながら農作業を進めます。これは柿の葉と茶の新芽の伸育状況が似ているためです。
 桜前線と共に茶の萌芽前線もいよいよ北上してまいりました。今年は冬寒く慈雨恵まれ、地温も高く新芽は順調に伸育して、とてもおいしい新茶が出来上がりました。どうぞ季節の便り白銀屋新茶をお召し上がり下さい。


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