過疎地有償運送について

事業開始にあたって

平成16年3月16日、国土交通省自動車交通局長名による「福祉有償運送及び過疎地有償運送に係る道路運送法代80条1項による許可の取り扱いについて」の通達により、NPO等による有償運送を一定の条件を付して認められることになりました。

 平成15年11月にNPO法人の認証を受けたフロンティア清沢は、清沢地区を中心に地域活性化の諸事業に取り組みを始めたばかりではありましたが、この通達を受け「過疎地有償運送」導入の検討をただちに開始いたしました。

 有償運送事業は、地方自治体が設置する運営協議会の場で関係者と十分協議して合意することが義務付けられています。検討を始めた当初、静岡市において運営協議会が開かれるかどうか情報が入らなかったのですが、平成17年6月福祉有償運送を希望するNPOのネットワーク(市民福祉移動サービスネット)に加入することで情報が共有出来、準備が加速されました。準備に際しては静岡市交通政策課には多くの助言をいただきました。

 平成18年3月「静岡市福祉過疎地有償運送運営協議会」が開催され、フロンティア清沢による過疎地有償運送事業に合意をいただき、平成18年9月15日中部運輸局静岡運輸支局長名で有償運送許可をいただきました。

 清沢地区には、バスが運行されていない地区が6地区あり、約123世帯400人が住んでいます。
今回運行するのは5地区でありますがこの地区の高齢化率は45%であります。

 この度、フロンティア清沢による過疎地有償運送導入により、高齢化や子供等の移動制約者や地区住民に移動のサービスが提供出来ることになりました。これにより地区の高齢者等の方々が、今まで以上にいつでも外出しやすくなり、個々の生活の幅を広げ自己実現が図られることを期待しています。

 清沢地区における過疎地有償運送は、清沢地区連合町内会、清沢地区社会福祉推進協議会の協力を受けながら、運転手として登録された15名の方々を始め多くのボランティアの皆様の支えをいただき始めることが出来ました。

 過疎地有償運送事業を継続していくための資金計画は万全ではありません。フロンティア清沢の収益事業部門である「きよさわ里の駅」が唯一の頼りではありますが、安心して有償運送を支える規模にはいたっておりません。スタッフ一同高い目標を持って取り組むことが求められています。

 ボランティアの育成と質の向上は有償運送事業を円滑に推進するために欠かすことの出来ない条件です。更に多くの方々がこの事業に参加してくださるよう努力いたします。

 当該地区の皆様の1日も早くとの要望に応えるべく、十分な準備も出来ないまま運行開始となりましたが、日々改善改良を重ねながら車輌を走らせます。そして、わたし達が始めた過疎地有償運送が、同じ過疎に悩む地域の皆様のフロンティアとして地域活性化のお役にたてれば幸いです。そのためにも頑張ります。

 過疎地有償運送の開始にあたり、国土交通省中部運輸局静岡運輸支局、静岡市都市局都市計画部交通計画課並びに福祉移動サービスネット静岡様には多大なるお力添えいただきましたこと心から御礼申し上げます。