季節風  今月の俳句
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   季節風3月号より

    同人の俳句



   



 鳥帰る運河の果てに日の落ちて  神田  美穂子
 神さびて三輪の裾なる野火ひとつ  小林  美成子
 大北風に痩せてしまへり峡の村  大村  峰子
 涅槃絵や嘆きの百足黒く描く  曽根  満
 手鏡の中の余生や木蘭花  藤原  千代子
 干上りしダム湖の底を春の鹿  海野  勲
 一面の眩きひかり朝の霜  伊藤  芳子
 冬晴や馬は干草食みこぼす  山田  初枝
 一時に牛のお産や山笑ふ  亀澤  淑子
 朝戸繰る畑を雉子の駆け出せり  海野  みち子
 春霰トタンを撥ねる音軽き  宮ア  知恵美
 神の池羽繕ひして残る鴨  宮ア  みゆき
 片頬に乾く涙や鳥雲に  荻野  加壽子
 露座仏の膝に雀の長閑けしや  長島  操
 立春の朝日吸ひ込む兜屋根  小川  明美
 囀や榧の見渡す村十戸  藤本  節子
 禁教や聖堂跡のクロッカス  大長  文昭
 図書室のしじまに春の光かな  長谷川  のり子
 眼閉ぢ目の裏までも日向ぼこ  山本  逸美 
 余寒なほかみそりの刃の青光り  加山  ひさ子

    会員の特選句


  
 冬の川皺やはらかに日を返し  杉岡  裕子
 幾重にも色重なりて春の海  落合  千代子
 恋の猫闇のにほいの中に消ゆ  岩ア  武士
 喪服に紗かけたる春の時雨かな  山口  桂子



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