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柿田川地下水脈上に東日本震災ガレキ焼却灰処分場!
このページは柿田川の良好な水環境を脅かしかねない危機的状況の解決の一助になることを願って作りました。みなさんの声を裾野市に届けてください。
11/28現在までの経緯と資料
現状にいたるまでの行政との交渉状況および要望書、行政からの回答書を公開します。

裾野市一般廃棄物最終処分場
焼却ガレキの状況写真を撮影してきました。ブルーシートに覆われているのが焼却ガレキ。下に敷かれて右端に見える白いものがゼオライト

裾野市による東日本震災ガレキ焼却埋立処分地

 裾野市は、東日本震災による被害を受けた岩手県山田町のガレキを受け入れ焼却処分の後、市内最終処分場に埋め立てると発表しました。しかし、その埋立地は柿田川の地下水脈上にあり放射性物質を含む有害物質を地下水に浸透させてしまうリスクがあります。当財団を始めとする柿田川・東富士地下水を守る連絡会からの質問に対し、裾野市からは安全を強調する回答書が寄せられました。

 しかし、何事にも完全はありえません。東部地区32万人の命の水を育む柿田川の地下水脈上にどうしても埋め立てなければいけない物なのでしょうか?安全を期すと言うことであれば、そのような重要な場所では無い所に埋めるべきだと考えます。

 連絡会では焼却が間に合わないのであれば、それだけをお手伝いして焼却後の灰に関しては山田町にお返しして、向こうで処分をしていただくと言う選択肢もあるのではないかと考え、環境省及び山田町の担当者と連絡を取り合い、受け入れに理解していただいたことを裾野市
に伝え行政同士で調整をお願いしたにもかかわらず、調整がされた形跡も無く当初の予定通り地下水脈上に埋立を強行しようとしています。

 がれき処理による風評被害が生じないよう努力してゆくと回答書にありますが、埋立処理自体が風評被害の元になると考えています。風評被害が出てしまった場合の補償はどうするつもりなのでしょうか?そんなことは起こりえないとでも言うのでしょうか?起こりえないことが起こることは福島原発事故で見たばかりです。地下水脈上に埋めないことが風評被害を防ぐ最大の対策であることを裾野市に認識していただきたいと考えます。


天然記念物名水ピンチ~柿田川に放射能等汚染の魔手~
                
公益財団法人 柿田川みどりのトラスト 会長 漆畑 信昭

 東日本大震災により、膨大なガレキが発生した。国は広域処理を各県に依頼したが、応じたのは、1都9県47件に過ぎない。放射性物質の被害及び風評被害を危惧したからと思う。当然のことである。
 静岡県が焼却を引き受ける木くずは、岩手県のものである。同県には木くずが、昨年9月末現在、約12万トン残存していると推定され、この内、静岡県が、国から要請されているのは、同県山田町、大槌町のもので、平成26年3月までに、23,500トン焼却の予定である。
 静岡県内では、正式に引き受けたのは、静岡市、浜松市、島田市、裾野市のたった4市に過ぎない。ここで問題なのは、裾野市である。平成24年度中に山田町の84トン(25年度以降は未定)を焼却する予定である。産業廃棄物最終処分場は同市須山字大野に位置し、水を透過しやすいスコリア層上に存在している。その下には、柿田川地下水脈が通っている。
 柿田川・東富士地下水を守る連絡会(公益財団法人柿田川みどりのトラスト以下9自然保護団体で構成)は、地域住民35万人の貴重な飲料水が、セシウム等の放射能に汚染されると、急ぎ5月29日に川勝静岡県知事に、次いて5月30日に大橋裾野市長に面会し、「苦渋の選択だが、焼却は反対しない。しかし、その主灰の埋立は断固反対する。他の場所に埋め立てるか、山田町に返送して欲しい」と要望書を提出した。知事は「柿田川は是非守らなければならない。風評被害の張本人になるつもりはない」と力説された。さらに気になったので5月31日に環境省山本昌宏廃棄物対策課長に電話をし、「柿田川地下水汚染と風評被害の恐れがあるので、山田町への主灰の返送を認めて欲しい」と訴えた。その結果、裾野市と山田町が合意すれば返送可能と言明した。その旨静岡県、裾野市に連絡した。
以降数カ月経過しても進展なく、気になり両者に問いただしたところ、山田町のガードが堅いとの返事だった。疑問を抱いたので、10月15日に山田町阿部秀一建設課長に電話をした。「静岡県からは話がなかった。柿田川地下水脈汚染の心配があるなら、主灰の返送は考慮する。但し、両県の合意が必要である。」と返事をいただいた。
 ガレキ焼却の日が近いと情報を得たので、10月23日に静岡県知事に、10月25日に裾野市長宛に、「環境省と山田町の内諾を得たので、焼却主灰の山田町返送を進めて欲しい」との要望書を提出した。
 11月1日に、静岡県知事から10月30日付の回答書を環境大臣から静岡県知事宛の回答書と共に郵送して来た。
要旨は、岩手県下の最終処分場に余裕がないとのことである。山田町が委託している宮古市の最終処分場は、余裕があると聞いている。この回答書は理解に苦しむ。
 11月9日に裾野市の管理型最終処分場を見学した。1メートルの粘性土の上に10センチメートルの厚さにゼオライトを敷き、その上に袋詰めの焼却灰を2段に並べる方法である。平面的に敷いただけであり、袋やシートが年月の経過とともに劣化し、豪雨の時、六価クロム等有害物質や放射能漏れの恐れは大である。
 柿田川の放射能等汚染が、天災なら我慢するが、1人の為政者の善意?より生じた人為的手段で、私たちが、38年間、血みどろの運動で死守して来た柿田川湧水が、微量たりとは云え汚染されるのは、断腸の思いだ。(水道法ではセシウムは10ベクレル以下)
 風評被害が生じたら、柿田川のイメージダウンのみならず、経済的なダメージを受けること必至である。


                                                       2012年11月

※上記文章は、2013年1月発行予定の新聞「柿田川」の記事を掲載しています。
裾野市回答書


ゼオライトは吸着機能を持つことから放射性物質を吸着するために使われているようです。確かに吸着をするようですが、永久的ではありません。活性炭と同様多孔質構造を持っています。多孔質の穴がふさがれてしまえば、効力を失います。吸着する物質は多数あります。(セシウム、ルビジウム、カリウム、バリウム、ストロンチウム、ナトリウム、カルシウム、鉄、アルミニウム、マグネシウム、リチウム) 放射性物質が漏れ出す前に自然界のそれらの物質を吸着してしまえば、ただの石になります。一度敷いたから永久に吸着すると言う物質ではないのです。浄水器に使われている活性炭も数カ月で交換が必要なことはみなさんご存知の通りです。
 写真で見る限り一度敷き詰めたらそのままになることは想像に難くありません。


 連絡会では埋立処分地の撤回を目指して、活動を継続して行きます。多くのみなさんのご支援をお待ちしています。
 裾野市への抗議(mail, FAX, 手紙 電話等)もお願いできればと思います。


 本ページは随時更新予定です。

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