第2章 上海


[上海第1日(Aug.25< Wed.>,1999)]

上海では黄山への往復基地として,上海國際機場賓館(International Airport Hotel)に延べ2泊した。 名古屋から上海へは西北航空ではなくて上海止まりの東方航空で来た。 空港での荷物受取りはソウルからの便の分と混在だった。
ホテルまでの距離がよく分からなかったので,ともあれに重い荷物を抱えてタクシー乗場の方へ歩きかけた時,二人の男が寄ってきて,片言の日本語と英語で「ホテルは決まっているか?」と聞く。 「一番近いホテルだ」と答えると,重ねて「エアポートホテルか?」と聞く。「そのとおり」と答えると,それなら向こうに見えるあの黄色い建物だから,荷物を持って案内しよう,と言う。 あんな近いところはタクシーも行かないと言う。 10分くらいでホテルへ着く。 チップはいくらにすべきかと考えていると,一人が小声で "一百(yibai)" と言う。 こんな軽い仕事の割には多すぎる金額でちょっと甘いかなとは思ったが,二人分として40元渡す。

ホテルからタクシーで市内へ出る。 中国での初めての一人歩きである。 いささか緊張する。 予め調べてあった南京西路の梅龍鎭廣場(伊勢丹 ISETAN )の地下の食堂街へ行って見る。 そこは地下一階で,「百佳超級市場」(Best Super Market)と「大食代」(Food Junction)が同居していた。 「大食代」は,華・日・洋(パンの類のみ)の色んな食を提供する10余の小さい店舗が並ぶ。 店の名を挙げてみると,

歐香、瓦hanzi_bao.gif(hanzi_bao.gif飯)、豊原屋、富豪(鶏粥・冷菜)、憶江南(麺家)、紅白香(火鍋)、格蘭西餅、m屋(牛肉丸面)、港式焼臘、雲酒樓(南北小炒)、etc,etc それにジュース,アイスクリームなどのコーナー"果汁hanzi_ba.gif"。

食物の単価は大体5〜12元。 見本を見つつ夕食として小籠包( 8元)とハム・野菜入り炒飯( 10元)を注文する。 セルフサービス式だが,後片付けは不要。 食べきれず,残す。 あと隣のスーバーで小さい牛乳パックを二つ( 2.2元, 2.5元)を買う。 南京西路をしばらく西方向へ歩いてから,タクシーで帰還。
タクシー料金は往路 49元+高速道路通行料金,復路 31元。 メーター通り。
フロントで上海雑技團の入場券を予約する。 8月28日 上海商城 ( Portman Ritz Carlton Hotelのある建物 )で 7:30pm開演,料金はA席:70元、B席:60元、C席:55元、D席・・・・とパンフレットに書いてあった。


[上海第2日(Aug.28< Sat.>,1999)]

黄山から帰った日の上海は噎せ返るような暑い晴天。 運動のため動物園まで歩く。 目的は動物園の場所確認と,市内の上海博物館へ行くバス路線を見つけることである。 地図で見ると,そこから博物館方面へ505路(系統)が出ているはず。 しかし中々それらしきバスが来ない。 そのうち9路(人民廣場経由××行き)が通り掛かったので飛び乗る。 女車掌さんがいるのも日本でワンマンバスを見慣れた目には珍しい。 空調バスで,人民廣場までは3元。 時間は約1時間を要した。 土曜日の午後とあって,ここ人民廣場公園は家族連れやにカップルと観光客で混み合う。 バスターミナルなのだが,別に大きな総合ターミナルビルがあるわけではなく,一帯に各路線,各社のバス乗場が無秩序に散在している感じ。 どこにも発着時刻表は見あたらない。 一般に中国ではバス路線の途中の停留所には時刻表なるものが存在しないことは,あとになってよく分かった。 歩き回っていると,私に「火車站(鉄道驛)はどこか?」と聞いてくる人もいる。 中国語と英語のアナウンスが聞こえて来る。
広壮な上海博物館に入って 5:00pmの閉館時間まで2時間,しばし涼を味わう。入場料20元。 すぐ近くにデパートらしきところがあったので,入ってみる。 ゲーム機販売店、婦人服店、ジーンズ専門店、文具店などが雑居している。 ポールペンを買ったとき,女店員が私の発音がよいといって褒めてくれて,お世辞と分かっていても,頬が緩んでしまう。
ここにも「美食FOODS廣場」があり,ここで夕飯を取る。
入口近くの萬s本定食のメニューを見ると,
MENU   値段   <内容>
日式猪排飯   23元  <とんかつ定食 のこと>
日式牛肉飯   23元   <牛丼 のこと>
親子飯定食   21元   <親子丼 らしい>
寿司定食   21元   <説明不要でしょう>
茶 (cha)   5元   <高い,日本茶?>
湯 (tang)   6元   <スープ,味噌汁かも?>
沙拉 (shala)   5元   <サラダ>
酒 (pijiu)  7元   <ビール>

カウンターには寿司と巻き寿司(8元)が並んでいる。
私が頼んだものは,牛肉粉熱湯(20元)。 カレー味のスープでビーフンと野菜と牛肉が入ったもの。 ごはんが一皿付く。

近くに,先刻見落としていたNo.925バスターミナルを発見,そして505路バスの行く先は「虹橋機場」とあったから,最終10:00pmまでにここへ来ればホテルまで帰れることが確認できた。

すぐ近くに,上海大劇場という石造りの堂々たる建物があった。 興味を覚えて切符売り場へ入ってみる。 上演予定は,

8月末  紅楼夢  
9月初  日  出 -----<これは名作話劇「雷雨」の作者 曹禹 の作品>  
 入場料 = A席 200元,B席 160元,C席 120元,D席 100元,E席 80元 

ふたたび南京西路を30-40分歩いて,上海商城に上海雑技團を見に行く。
年寄りの西洋人の観光客も多い。 四階の劇場入口の前で,予約券を正規の入場券に交換する。
入口が(座席番号の偶数の人)の入口ドア と (奇数番号の人)の入口ドア と左右に分かれているのが面白い。上演時間はきっかり7:30pm〜9:00pmの1.5時間。 B席の料金としてホテルへ払ったのは55元てあるが,直接ここで買えば45元。 私は雑技團を見るのは初めてである。人間の体の柔らかさをこれでもか,これでもかと見せつけるような演技であった。
925ターミナルから帰りのバスに乗る。 終点で降りればよいとゆっくり構えていたら,終点はホテルから遥かに遠い車庫の近辺の裏通りであった。 おかげで,また薄暗い車道をとぼとぼと小一時間もかけ大回りしてホテルへ帰着。 途中人影はほとんどなかったが,車が時々猛スピードで走り抜ける,広い迎賓五路あたりだったか,路傍の薄暗い公園で黙ってバスケットボールに興じる少年たちがいたり,とある建物からスチュアデスらしい制服の娘さんが一人二人出て来て,さっさと歩いて行ったり,何かサイレントの非現実の世界をさまよっているかのような不思議な気分を味わった。 結局,終点のひとつ手前の「機場廣場」で降りるのが正解であった。 よく歩いた一日,足の裏にマメができていた。


[上海第3日(Aug.29< Sun.>,1999)]

panda.jpg 西安行きの班機(便)は午後出発なので,朝空港へ行き,荷物だけ預けることにする。 国際機場(国際線)の入口ドアの近くに有料カート貸出しコーナーがある。 一台2元だが,荷物運搬サービス付きだと8元/回。 これは下記のように掲示してある。 これをメモしていると,「赤帽」の制服姿のお兄ちゃんがニコニコと話し掛けて来た。

  虹橋機場紅帽子服務 Red CapService
  租車費 Trolley 2元/台
  租車費服務 Trolley & Service 8元/毎次

国際線ロビーの端に寄存處(荷物の一時預かり)がある。

時間をつぶすために動物園へ行こうと空港でタクシーに乗り込もうとしたら,動物園と言った途端,降りてくれとの挨拶。 「強生タクシー」は優良会社だと聞いて選んで乗ったのに失望。別のタクシーに「動物園去不去?」とまず聞いたら30元というから,それも仕方なしと乗り込む。 日曜日でやたら子どもが多い。 大熊猫(パンダ)を見るためだけに行ったのだが,中はとてつもなく広い。彼(彼女)は一番奥にいた。
ここで使ったお金:入場料 10元,漢堡包(ハンバーグ) 16.5元, ジュース 6元, 場内地図 2元, アイスキャンディー 2元, 帰りのバス(925系統) 2元, これでタクシー代の元は取ったつもり。

搭乗手続きで一つ "うっかりミス" をした。 カウンターでチェックインした時,一時預けした大きな方の荷物のことを,手続き済と錯覚していた。 幸い赤帽のお兄さんが,急いで運んできてくれ,列の先頭に割り込んで,追加手続きを代行してくれた。受付の女性は渋い顔で「先排隊hanzi_ba.gif (まず列に並んでよ) 」 と言っていたようだったが,私は出発時間が迫っていたので,この時ばかりは割り込み行為に感謝した。 待合室は黄山行きの時と同じ7番。

飛行機は15:30頃上海を離陸し,17:30西安の咸陽国際機場へ着いた。

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