誰も書かなかった簿記入門
第6版
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簿記とは何か

簿記の対象となる「取引」とは何か


 財産の状態に変化を伴う事業活動であるため、簿記上の取引になるものの例としては、次のようなも

のがあります。
 
 ・取引先から注文のあった商品を納品して、代金を現金で受け取った。

 ・新商品を仕入れて、代金を現金で支払った。

 ・銀行からの借り入れを、現金で受け取った。

 ・土地の購入代金を、現金で支払った。

 ・残業代を含め給料を、現金で支払った。
 
 「商品の納品」、「商品の仕入れ」、「借り入れ」、「土地の購入」、「残業代を含む給料」といった原因が

発生し、その結果いずれも「現金を受け取った」、「現金を支払った」のように財産の増減があったので、

財産の状態に変化を伴う事業活動であり、簿記上の取引があったということになります。

 このように、財産の状態を変化させる原因があり、その結果として財産の状態が変化したとき、簿記上

の取引が発生し帳簿に記録します。