大中寺の草創のいきさつ
 現在の大中寺の地には、夢窓国師の開山以前に真言系のお寺があったと「大中寺沿革誌」は述べています。残念なことにその寺の名前等の詳しいことは伝わっていません。夢窓国師は正和2年〔1313〕に修禅の地を求め、甲州を出でて愛鷹山中に到りました。そのことにより禅宗との法縁が結ばれ、沢田山大中寺の草創に繋がったと〔川瀬一馬著・夢窓国師と庭園・講談社〕考えられています。天明8年〔1788〕には、鎌倉時代の作と思われる等身大の密教系の本尊・不動明王〔宝剣のみ現存〕が惜しくも、火災のために消失しました。しかし寛政8年〔1796〕には、沢門和尚により早くも現存の不動明王のお姿が作られ、本堂・客殿と共に開眼落成式を迎えました。寺中には真言宗を物語るものとして、古い板碑や宝きょう印塔そして五輪塔も散見されますし、近在には元真言宗という寺伝を持つお寺がいくつかあります。それらのことから考えて、元真言宗と言う「大中寺沿革誌」の記述にはうなづけるものがあります。
大中寺の歴代
1代: 夢窓国師 11代: 龍嶽礼和尚 21代: 桃壑全察和尚
2代: 補茂和尚 12代: 栄岩和尚 22代: 忠道宜誠和尚
3代: 大儀和尚 13代: 清岳座元禅師 23代: 月庭玄教和尚
4代: 山印和尚 14代: 文英座元禅師 24代: 月潭玄璋和尚
5代: 実庵和尚 15代: 別春和尚 看護: 達禅禅磨和尚
6代: 春叢和尚 16代: 最宗祖乗和尚 25代: 大眉敬俊和尚
7代: 嶽叟和尚 17代: 台叟栄才和尚 26代: 大愚友道和尚
8代: 精印和尚 18代: 黄河冶檀和尚 当代: 下山光悦
9代: 太原崇孚和尚 19代: 春国流芳和尚
10代: 大輝祥暹和尚 20代: 沢門宗仁和尚
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