<初段>
初段は、利得を稼ぐことを第一の目的とながらも、低雑音であることを意識し、S/Nの向上を目指した回路としました。このため、ローノイズハイμ管であり、シールド対策も施されているEF86を3極管接続で使用することとします。これなら、より高い利得が必要な場合には、5極管として使うことも出来ます。また、ドライバ段とは直結とすることにより時定数を一つ減らしています。VR−グリッド間の27kΩは、ハイμ管の不安定な動作を緩和するための抵抗です。ドライバ段とは直結となっているため、EF86のプレート電圧は55Vで動作させます。この電圧がドライバ段の12BH7A(パラ接続)のグリッドにかかる電圧となります。

EF86の電源電圧(Eb)を210V、負荷抵抗(RL)を220kΩと仮定して、EF86の動作特性図に負荷線を引いて(IP=0mA/Ep=210V,IP=0.95mA/Ep=0V)、グリッド・バイアス−1.2Vとの交点を求めると、IP=約0.7mA、Ep=約55Vという値が出てきます。この動作条件でのEF86の利得は、約30倍となります。プレート電圧(Ep)を55Vという低い値にしたのは、次の12BH7Aと直結となるので、12BH7AのEpが定格を越えないようにするためです。Ep/Ipを低く押さえたことによりEF86の負荷はかなり軽くなっているので、球の寿命も延びそうです。
※私の用いたEF86の動作特性図から、この負荷線を基に動作点を求めようとすると、かなりアバウトな値しか読み取ることが出来ません。ここに書いた値は、あくまでも設計上の目安です。
・EF86−規格表
・EF86−特性図
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