ガソリン漏れ修理。

ある日、ジールに掛かっていたバイクカバーを外すとそこはかとなくガソリンの臭いがしました。地面には湿り気を帯びた染みが。「…ガソリンだ!」
と、いう訳で(毎度毎度強引だなぁ。)ガソリン漏れの修理です。

分かります…よね? 初めはRF400Rの症状同様にコックのパッキンを疑ったのですが、どうもコックの上、タンクとコックの間から漏れているようでしたので、ストレーナ本体とストレーナを止めるビス2本分、計3つのパッキンを注文してきました。

しめて231円。うーん、リーズナブル。


部品番号。 今回注文した部品です。

右側の画像のスケートボードみたいな形(我ながらいい例えだ!)をしているのがストレーナ本体のパッキンです。丸いワッシャ状の物がビス用でこちらは画像に写っているもの以外にもう1つ(計2つ)あります。

パッキン。

燃料コック。漏れのスピードが遅い様でしたので、一先ずコックからキャブレターまでのガソリンを抜きます。

ドレンを4本緩めるのはなかなか非現実的ですので、コックをオフにしてアイドリング+近所迷惑にならない程度の空吹かしでエンストするまでエンジンを回します。これをやっておかないと、後々タンクと車体の間のガソリンホースを外した瞬間にガソリンまみれになります。


シートを外します。タンデムシートを外し、タンデムシート下部の10mmボルトを外します。メインシートは後方へ引き抜くように外します。

シート前方ははめ込みとベルクロによる固定のみでした。


近すぎましたか?ダミーダクト(正式名称が分からないのでこの名前で通します。)のフロント上側のキャップボルト(六角4mm)を外します。画像は左側のみですが、もちろん右側も同様に取り外します。以下、左右に同じ作業がある場合は片側のみの紹介です。

構造上、もしかしたら(本当に低い確率で。)ダミーダクトを外さなくてもタンクを外す事が出来るかもしれませんが、樹脂類に負荷が掛かりすぎるのでお勧めしません。


ゴムは引っ張ると…。 ダミーダクトの後方(乗車時に膝が当たる辺り。)にゴムの滑り止めがあるのでそれをめくります。ゴムに無理な力をかけてちぎったりしないように注意して下さい。

ゴムをめくるとキャップボルト(↑と同サイズ。)が現れるのでそれを外し、ダクト全体をフロント方向へスライドさせて取り外します。

めくれまーす。

ラチェラチェ。メインシート下に10mmボルトが2本ありますので、それを外します。シートを外した後ならどんなタイミングで外してもいいと思いますが、ジールのタンクは前方にもボルト止めが施されているため、前側のボルトを抜くまでは緩める程度でもいいかもしれません。

表現が曖昧で申し訳ありませんが、この辺りは個人の嗜好にお任せします。(何だかんだ書きましたが、私は外してしまいました。)


小物入れ・横。上に書いた前側の固定ボルトは小物入れの下に隠れています。普通ネイキッドのタンクは「後ろ側がボルト止め・前側ははめ込みのみ」というパターンが多いと思うのですが、ジールはご丁寧にも「前後ボルト止め」となっていますので、まずはボルトを隠している小物入れを外します。

今回は横側のネジから外します。プラスの2番…だったような(焦)。ごめんなさい、合うサイズのドライバーをご使用下さい。


小物入れ・上。上側は小物入れのふたを開けると固定ビスがあります。

何か給油レシートみたいのがいっぱい入っていますが私の所為ではありません、念のため。


らちぇらちぇ・第2弾。前側も10mmボルト2本です。頭は同サイズですが、ネジ部の長さが違いますので、後ろ側と混同しないようにしてください。

今回はネジ・ボルトの脱着本数が非常に少ないので、分からなくなる事はまずないかと思いますが…。


ホース取り外し部。今回タンクを外す前に外す必要があったのはガソリンホース1本でした。車種によっては油面センサーの配線等を取り外す必要がありますので、持ち上げてみてストレスが掛かっている部分があったら面倒でも再確認をして下さい。

ガソリンコックが横に張り出していますので、引っ掛けない様に注意が必要です。ホースを外す部位の候補は何箇所かありますが、今回は燃料フィルターの車体側で外すのが一番スマートだった様に思います。一人での作業+撮影のため、外している最中の画像は用意できませんでした。


ストレーナ。見た目には損傷は確認できませんでした。

気温が低いと多く漏れる傾向にありましたので、熱による伸縮が影響していたものと思われます。


カリカリ。こちらは触った瞬間に「ダメだ。」と分かりました。新品は本体側が柔らかいゴム状でネジ側が固めのガスケット状なのですが、今回外したパッキンは爪でカリカリやると崩れてしまうほど劣化していました。

どうやら今回の主犯はこちらのようです。ただ、どちらにせよ両方変えておいた方が後々二度手間にならずにいい感じ(?)だと思います。


お掃除・そのいち。せっかくなので外したついでに掃除をしておきましょう。

ネジ穴部に堆積したガソリンとパッキンの混合クズのようなものを細めのマイナスドライバーでかきとります。ちょっと楽しいです♪


お掃除・そのに。上では「ついで」なんて言っていますが、こちらは大真面目にやって下さい。

パッキンがあたる部分をスクレパー(なければマイナスドライバー・傷に注意。)で均します。せっかく新しいパッキンを入れても、間にゴミが挟まっていたら何の意味もありません。ちなみに、ネジを締めていく時にネジ穴部からゴミが浮いてくる可能性もありますので、上での作業もある意味重要と言えるかも知れません。


優しく!新しいパッキンをはめ込みます。溝の中に突起がありますので、その部分で挟み込むように固定するのですが、くれぐれもねじれが生じないようにはめてください。

タンク側の清掃はガソリンを含ませたタオルで拭く程度でいいと思います。ただ、塗装面をガソリンで清掃するのは本来はNGです。今回は見える位置ではありませんので…(えー。)。


意外と面倒。私は作業の終盤でよく「外した逆順に組み付けて終了です。」等の締め方をするのですが、コレが以外に大変だったりします。特に画像にあるようなホースの場合、行きは「引っ張れば抜ける。」だったものが帰りには「指も入らないような所にホースを通す。」なんて難題に変わったりするわけです。

デジカメで撮影しながら作業をすると案外組みつけに迷わずに済みます。


オマケ。番外編。

取り付いていた位置関係のままに外した部品を置いておくのも中々に有効です。ボルトやネジはマグネットトレイを利用するか、付いていた位置に軽めにはめておくと紛失せずに済みます。整備士の中には付け直しを時間の無駄と一喝する方もいらっしゃいますが、個人でやる分には正攻法だと思います。
私の様に砂利の上での作業の場合、紛失は命取りですので、特にお勧めです。

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