赤ちゃん 猫  人 工 保 育
もしも今あなたが赤ちゃんをひろい、育て方をネットで探しているのなら、
まずはお腹の中(肌着の中)へ赤ちゃんを入れて保温しながら読んでください。
迷っている時間はありません。 体温の低下は命にかかわります。
ここでは猫の赤ちゃんのやむをえない人口保育についてまとめます。
これら赤ちゃんの育てかたは私がM獣医師から伝えられた方法をまとめました。
大きく分けて
「温度」「代謝」このふたつで命は左右される、とM獣医師は言います。
下記のやり方は実際に生存率は高く、後天的な障害は全くみられません。
私自身1983年をきっかけに毎年赤ちゃんを拾い育てあげてきています。初期の試行錯誤からほぼ10年後には、現在の確立されたものができあがりました。育てあげた数は数えたことがありません(数えきれないため)。
アクシデントにより母親を失った赤ちゃんが少しでも助けられますようにここに記します。2005 6。
※ご注意 乳母が見つかったら乳母優先でお乳をいただきます。●人工保育2乳母
健康な大人には見えにくい注意点です。
以下により赤ちゃんは飲まなくなったり、体重が増えない、下痢、嘔吐、薬物中毒症状を現します。
合成洗剤を使用の部屋 合成洗剤で洗った物のある部屋に赤ちゃんを置かない。赤ちゃんの接するタオル類は2度ほど天然の界面活性剤(せっけんなど)で残留している合成洗剤を洗い流しておく。
化学薬品を使用の部屋 除菌剤、殺虫剤、虫よけ剤を使用したことのある部屋はさける。または部屋のすべてを天然界面活性剤(せっけんなど)で洗ったものに入れ替える。電気あんかをしまう押入れなども気をつける。
ほ乳ビンを洗うもの とうぜんですが、天然の界面活性剤(せっけんなど)を使用します。
食器洗い洗剤の多くが合成洗剤であり、その残留物は赤ちゃんに影響します。
参考●せっけんについて




赤ちゃんは自ら体温のコントロールはできません。
適温を人工でキープしてあげる必要があります。
温度25〜28をキープする(夏は30度くらいでもフタをあけておけばよい)
段ボールの保育箱がベスト。 保温、湿度、改造、全てに優る。
ただし上部に気をつける。あたたかい空気は上から逃げてゆく。
温度計ふたつ必ず用意する、外、箱内を計る。 箱内温度は箱をとじたまま見れるよう工夫する。私はおよそ30分おきに温度をチェックしている。
開眼三日目くらいまでは締め切り。
出し入れ口を横に作った場合は赤ちゃんがころがりでないよう十分に注意。
これはうさぎさんの例。牧草以外はほぼ同じ。
電気あんかは外で強弱できると便利。
箱の高さに注意。赤ちゃんの身長+少しくらいでよい。 高いとあたたかい空気は上部にいってしまい、赤ちゃんが寒くなる。
箱の加工もしくはあんかの下にタオルなどで高さを調節してもよい。
要は赤ちゃんの床部分と天井までの高さに気をつける。
横の広さはあまり気にしない。 広すぎと感じても、天井さえ低めなら温かい温度はキープできる。 毛布やぬいぐるみなどくりくりもぐりこめるほうが安心する。
箱奥にネル生地などあたたかめの素材、手前にさらしの綿など涼しげな素材にして暑さ寒さ対策をする。



母猫の母乳に一番近いもの、それは牛乳です。
加熱しないで冷たいままの牛乳を与えます。  牛乳は成分無調整。
常温保存できるものやペット用は与えません。
近年ではタカナシ低温殺菌牛乳が気に入っています。
 ●参考 牛乳について
 ●参考 粉ミルクと牛乳


授乳ばかりに気がいってしまいますが、入れるまえに出す、入れたら出すのが基本です。
本来は母親がなめて刺激して、排泄は全て飲み込んでしまう。 それを真似してティッシュなどで刺激する。

おしっこ
:母乳の時は黄色。 牛乳になると透明。 体調不良や問題があると黄色になる。
うんち:牛乳になると一旦下痢になり、その後カチカチの便秘になる。 便秘はまったく気にしなくてよい。
羊水や初乳のうんちカチカチ 牛乳を飲むと一旦下痢になる その後いきなり便秘カチカチ。色はクリーム色からカラシ色。
はかり:デジタルのキッチンスケールで授乳毎の体重と授乳量をはかる。
温度:冷蔵庫に入っていたままの冷たい牛乳をほ乳ビンに入れます。
保育箱で身体があたたまっているので風呂あがりのビールのごとく飲んでゆきます。
あたためた牛乳はさめる時にタンパクや脂肪のマクができます。 マクは胃壁にはりつき消化不良を起こします。 マクは固形物と同じで赤ちゃんは消化できません。
粉ミルクは離乳まで使用しません。 粉は小さな固形物の集合体でしかありません。 水に溶けたように見えても消化できなかったりします。 同じ理由から薬を飲ませることもできません。作るたびに温度や濃度が変化するのは赤ちゃんにとって負担です。 粉ミルクの子がやせて脱水気味なのはこのためです。
冬は寒いので冷蔵庫の温度はこわいという気持ちもわかりますが、私はそれで失敗したことはありません。 保育箱の温度管理ができていれば問題ありません。 もしも牛乳をあたためるとしても室温までとします。
ほ乳ビンは今のところこの形がベストだと感じます。
持つ所は弾力あり、万一の強制給餌にも使うことができます。
チクビはやわかい物よりもこのタイプのほうがしっかりくわえてくれます。
チクビの先は自分でカットしなくてはいけないタイプですが、慎重にハサミなどで少しづつけずって行きます。穴の大きさは1mm以下。ほ乳ビンを横にしても牛乳が出ないくらいです。(出すぎると赤ちゃんが吸わないのに出てしまい誤嚥のもとです。)
近年気に入っているのはタカナシの低温殺菌牛乳です。 腸内の常在菌のバランスがとても良くなると感じます。
また緊急の糖欠に乳糖は役立ちます。
乳糖:脳を作るのに必要な栄養素です。 乳糖0の人工ミルクで脳や脊髄に致命的な後遺症がでた子猫を何例か知っています。(兄弟のほとんどまたは全てが死亡、偶然生き残った個体には障害が見られる。) 
保定:頭を指で固定してあげる。 ぐらぐらしているとチクビからはずれてしまう。
誤嚥:「ごえん」に注意します。 本来ならやわらかいお乳が赤ちゃんの口に合わせて形も動きも自在ですがほ乳器はそれができません。 吸ったミルクが食道からそれて気管に入ってしまうと水におぼれた状態になりミルクを鼻から吐き出します。 気管が炎症を起こし、何度も繰り返しやすいので注意が必要です。 気管の炎症つまり気管支炎がすすむと肺炎になり命を落とすこともあります。 鼻の穴から「ぶしゅぶしゅ」と出たらすばやくティッシュで吸い、授乳を中断します。 残ったミルクは1滴づつなめてもらいます。(授乳毎に繰り返すようならカテーテルを使用します.)
時間:赤ちゃんは最悪の事態が起こるまで泣きません。 とくにママが留守をしている時は外敵から身を守るために静かにしています。 「泣く」→「限界を超えた」というサインです。 ですから泣くまで放置するのでは危険です。
泣くまえに「ママが帰ってきたわよ」なめるようにさすってあげて「ママー!」こちらから大きな声を誘導します。
(母子の場合によくある「まさか産んでいたなんて」というのは赤ちゃんの声はそれほど聞けないということですね。)

赤ちゃんの変化にはやく気づくために授乳毎に記録をとること。

箱内温度
箱外温度
個体別の体重

2006 06 詠田
2008 06 追記
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