秋季大祭記念講話(要旨)
増田正義先生(典日分教会長)
増田先生は、以前は典日分教会青年として御用をされる中、親奥様に仕込みを受け、どんな悪い事でも人間思案で判断せず、その中に神様の思召しを汲み取り、感謝の心で通る事を教えられたとの事である。
例えば、ある時親奥様の講社祭の運転中に、わき見運転のトラックに衝突された時、親奥様は全く相手を責める事なく、相手の体を気遣い、更に、その運転手がどうしても仕事の途中なので後日お詫びに伺うから行かせてほしいというと、親奥様はお許しになった。この時増田先生は、人間思案として、どこの誰ともわからない相手を信用する事は考えられなかった。後日、その運転手がお詫びに来てくれた事にも恐れ入ったが、親奥様はその運転手に怪我がなく、仕事も上手く出来た事にお喜びになられた事には、信仰の素晴らしさを感じさせられたとの事であった。
その後、少年会本部、専修科、三日講習科に勤務された。先代からは、何事にも不足を言わず取り組み、とても人柄も良く大勢の方から慕われる存在であり、また、何よりも親奥様の信仰を一番受けついでいるので、典日の教会長になるのに相応しい方だと仰って頂いたとの事である。
増田先生は、平成13年1月13日に最愛の奥様を亡くされている。朝出かける前には笑顔で送り出してくれた奥様が、突然の心配停止となり息を引取られたのである。その時の様子を、詳しくお話下さり、大変辛い思いをされた事は言うまでもない。また、当時子供さんも4人おられ、高校生の長男さんから下は小学校2年の女の子もおられたのである。まだ、幼い子供さんもある中、男手一つで子育てもしなければならない事を考えると尚更である。
しかし、先生は、確かに奥様を亡くされた事は辛い事であるが、これも自分自身のいんねんであり、悔やんでいても仕方がないのであり、逆に、前向きに考えようと生きて来られた結果、今では、神様が自分に父親と母親の両方の役割をさせて、いろいろ気づかなかった母親の気持ちを教えて下さり、父親母親両方の子育ての喜びを与えて頂いたと仰っていた。
以上、さすがに信仰者として、どんな中にも前向きに感謝の気持ちを忘れず通られた姿が、とても素晴らしく感じられたお話であった。
尚、今回のお話に関して「こころ」と「ほっ」というタイトルの本が出版されているので、興味ある方は読んで頂きたいものである。