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    立教169年(平成18年)3月25日発行 第225号
    清水栄一さん 韓国外国語大学留学を終え帰国

清水栄一さん(南静陵・後継者)
韓国外国語大学留学を終え帰国

清水栄一さん
 天理大学国際文化学部アジア学科(朝鮮語コース)在学中の清水栄一さん(南静陵後継者)は、一昨年(平成16年 3回生)同大学国際交流部が奨励する海外交換留学試験を志願し、同年7月、ソウルにある「韓国外国語大学」への留学が他の2名と決まり、翌年1月、関西国際空港を出発。2月1日から授業が開始され、1年間の留学生活を無事終えて今年1月20日帰国した。
 4月からは、天理大学4回生として復学する。1年間の韓国での生活で学んだ事、感想を書いて頂いたので、紙上にて紹介させて頂く。
【韓国で学んだこと】
 韓国に出発する前は語学に対する不安が一番大きかったが文化や考えの壁と比べたら語学の壁は小さなものだと実感した。それは韓国という国は距離的に日本から最も近い国でありながら最も遠い国とも呼ばれている。それは歴史や考え方の違いからである。韓国は1910年から1945年までの日帝時代(日本の植民地時代)があり今でも嫌いな国第一位に日本が挙げられるほど日本は受け入れられていない。日本では最近韓流ブームが騒がれているが韓国でも似たような日本ブームのようなものが若者の中では広がっている。文化的にはこのように日本と韓国は開放され友好的になっているように見えるが、そのような若者に日本に対するイメージを聞いても日本の文化は好きだが日本人は嫌いだというのが現状である。天理教を見ても韓国ではみかぐらうたはすべて韓国語で歌われていて教団も大韓天理教となっており戦後日本のものがなかなか受けいられなかったというのが分かる。すべての人がそうではないが一般的な見解はそうである。しかし個人的に韓国人の友達と付き合ってみるとそういったことはまるで感じられなくまるで家族のように日本人に対しても優しく親切に接してくれる人が多い。これは韓国人の性格とも関係があるのだと感じた。韓国語に"ウリ"という言葉があるがこの言葉を韓国人は頻繁に口にする。この言葉は日本語でいうと"私たちの…"という意味である。韓国人達は自国のことを"ウリナラ"(私たちの国)韓国語のことを"ウリマル"(私たちの言葉)というように様々な言葉の前にこの"ウリ"という言葉をつける。これは韓国人の性格にも現れていて一度仲良くなった友達に対しては"ウリドンセン"(私たちの弟)といったようにまるで家族のように呼び、日本人の立場から見たら少ししつこいくらいの付き合いを求めてくる。これはウリ精神といって韓国・朝鮮人が持ってる考え方である。個人的に親しい仲の人に対しては家族のように親しく接するが反対に面識のないものや知らないもの、よく思ってない人に対しては非常に排他的に接するというものである。とても正直な性格で熱しやすくて冷めやすいというのが韓国人の特徴であると感じた。日本では時には立て前を言うことも大切だという考えがあるが韓国ではそういう考えはあまりない。今日本と韓国は文化の面では文化開放されたが政治面ではまだまだ友好的な国とは言えない。日本は韓国に対して友好関係を推し進めてはいるがなかなかその距離が縮まらない。理由は歴史の問題も大きいが、そういった考え方の違いも大きいと感じた。しかし個人的にはすごく親切にしてくれる人も多いし簡単に仲良くなれる人たちである。日本と韓国がこれから友好的になるためには政治的な大きい視野で働きかけていくことももちろん必要なことではあるがお互いもっと個人を見て付き合っていくことが大切だと思った。天理教でも韓国ではいろいろな問題を抱えていると聞く。しかしいろいろな問題を抱えているとは言っても韓国でも天理教は伸びているのが現状である。韓国人の教人を見てみると布教やおたすけにとても熱心な人が多い。この韓国人のウリ精神という周りがすべて自分の家族のように接することでお道も広く拡がっているのだと感じた。しかし天理教では理を立てるというのがとても重要である。いくら道が拡がってもぢばとつながっていなければいつか崩れてしまうものである。自分は韓国で教会に参拝やひのきしんで行ってもまだ韓国人のパワーに圧倒されてまだ入り込めない部分が多々あったが、卒業後海外布教伝道部に入部し、ぢばと大韓天理教のパイプをしっかりつなぐために自分が何ができるのか、何をしなければならないのかを考えていかなければならないと思った。