新春座談会
さあ伏せこもう、
喜びの心を持って
〈出席者〉
水本勘一(直轄ようぼく)
伊藤とき(直轄ようぼく)
堀越正敏(直轄ようぼく)
〈司会〉編集部
■信仰のはじまり
司会 信仰をさせて頂いているお互いは、ひのきしん精神を持って教会に伏せ込ませて頂き、将来の幸せを願うなら、しっかりと良い種を蒔かせて頂く事が大切だと思うのです。今日は、常に大教会のひのきしんの上におつとめ下さっている皆さんに「伏せ込みの喜び」についてお話し頂きたいと思います。
水本 私は祖父母の代からの信仰です。昭和20年の終戦後、当時の静岡分教会の旧神殿ふしんに叔父に連れられて手伝いに行った時、松浦光栄親奥さんに勧められて道についたのです。
伊藤 私は嫁入り前は天理教には縁がなかったのですが、嫁入り後、姑さんが天理教の人に誘われ静岡分教会にお話を聞きに行き、舅の病気のこともあって教会に参拝させていただく様になったのです。
司会 伊藤さん御自身が一生懸命信仰されるようになったのは?
伊藤 きっかけは、30年くらい前になりますか。子供たちが高校や大学を受験するようになり、私も教会に参拝させて頂けば自分の気持ちも休まるだろう、と思ったからです。でも、主人が勤めに出ていましたので農事全てを私一人で責任を持ってやっていましたので、なかなか教会へ運ぶことはできなかったのです。
それから15年くらい前になりますか、身上にお障りを頂いて、ようやく修養科に入れて頂きました。
司会 身上はどのような状態だったのですか。
伊藤 気管支の血管が切れて、ちょっと咳き込むと血が出る。お医者さんからも「絶対安静に」と言われ、どんな大病かと心配しましたが、修養科に入学し、1週間ほど薬を飲み、再検査したら「心配するほどのことも無い」と御守護頂きました。
司会 堀越さんはいかがですか。
堀越 信仰は母親の代からです。子供の頃からお道の話は聞かされていましたが、反発のほうが強くて信仰に入っていくということはなかったのです。25歳の時胃潰瘍を患って手術をし、体調は万全でなかったのですが修養科に入学しました。もう42年も前のことになりますが、長いわりには成人出来ていません。(笑)
■不思議を見せられて
司会 私たちは旬に種を蒔き、芽生えると間引き、草を取り、肥をおいて丹精をします。「伏せ込み」もそれと同じだと思うのですが、そうした上から大教会へ伏せこませて頂こう、と思われたのは。水本 私は戦争に行く時、おばあさんから「お息の紙」をお守りに、と渡されたのです。それが不思議なことに、中支の戦地で警備をしている時腹痛となり、すぐそばにあった病院で診てもらうとB型パラチブスとのこと。そのお医者さんが静岡の出身で、私が静岡の者と判ると「伝染病の中で一番軽い病気だが、病院でゆっくり休んでいけ」と冗談を言ってくれる程でした。
またある時は戦友と2人で中隊長の所へ荷物を運ぶ途中、敵の襲撃に遭い一命危ういところを通り抜けることができましたが、本当に神様に助けられたとしみじみ思い、その恩返しの思いから除隊後信仰の上に熱心になりました。
司会 終戦後はどうされたのですか。
水本 信仰していてもふしを見せられることがあり、昭和25, 6年頃、一時会社勤めをしていましたが、私が辞めた後その会社が倒産し、会社に借金がある、と訴えられたのです。その時、松浦幸雄会長さんから「日参をするように」と勧められ、毎朝一生懸命日参をさせて頂きました。
その後、おぢばがえりをし、かんろだいの前で参拝させて頂いた時、「今までの通り方が悪かったのだ」と反省させて頂いたら、頭から全身を洗われたような、澄んだ境地になり、生まれ変わったように感じさせて頂く事ができました。
伊藤 私自身は身上におていれを戴いて神様のお急き込みに気が付き、修養科への入学の心を決めたのです。身上が健康であったなら3ヵ月も家を空けることは出来なかったと思います。
また不思議なことに、たえず血を吐くのではないので苦しいことも無く、家族からも「何もしなくていい」と言われ、神様が休暇を下さったのだと感謝していました。
■伏せ込みの喜び
司会 堀越さんは見事なさつきの盆栽を教会に持ってきて下さっていますが、それは…。堀越 瀬名のほうに家を新築し、多少庭もありました。その時、隣の方がさつきの盆栽をやっており、私も教えてもらって始めたのです。もう20年以上になり、盆栽も大きくなってきました。家に飾っておいても観て下さる人も少ないですし、教会に持って行けば大勢の人に観て頂けると思い、大教会長さんのお許しを頂いて置かせて頂いています。
司会 なかなか手がかかるのでしょうね。
堀越 植えっぱなしだと根づまりをおこすので2年に1回は植え替えて、整枝をしたりと手間はかかりますが、そうすることによって良い花を咲かせてくれますので、それが楽しみです。
さつきが終わった後は、女房も花が好きなので一緒になってあの花がいい、この花がいい、と楽しくやっています。
毎朝、教会へ水やりに来ていますが、自分も楽しいし、参拝に来られた信者さんたちの気持ちが少しでも癒やされ、明るくなって下されば私たちの大きな喜びにもなります。
司会 水本さんが神殿掃除のひのきしんをお勤めくださるようになったのは…。
水本 家におっても用はないし、家族の身上の時にはなんとか御守護を頂きたい、と願うわけですが、お願いするだけでは申し訳ないので、私の出来ることは何か、と考えた時、体を使ってお掃除をさせて頂こう、ということになったのです。多少の雨では家から自転車で30分位で来れます。健康に通らせて頂いているのが一番の御守護だと思うし、皆さんに若い若い、と言われるのが一番有難いです。
伊藤 家の近くにあった畑2ヶ所を駐車場にしましたので、畑の仕事も去年からなくなりました。それに今年になってから一度も病院にも行きませんので、その分、時間に余裕も出来ましたから午後のお掃除に間に合うように教会に運ばせて頂いています。
外に出れば、色々の方と知り合いになれるし、いろんな話も聞かせて頂けますので、有難く、お礼の心を持って勤めさせて頂いております。
司会 大教会に参拝させて頂き、何か一つでもひのきしんをさせて頂こう、という喜びの心を持ってお勤め頂いている皆さんのお話を聞かせて頂き、喜びの心を持って伏せ込ませて頂く人の輪が広がることを願っています。
今日は有難うございました。