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3  vol.42「二峠六宿」
2023.11.10 Fri.
 五街道の一つ東海道。江戸日本橋から京都三条大橋に至る宿駅は五十三箇所あり、世に「東海道五十三次」と呼ばれています。徳川家康公は東海道の交通を大変重要視し、関ヶ原の戦い直後の1601年に一斉に宿駅を設置し1624年に完成しました。来年は四百周年の節目の年になります。「次」と呼ぶのは街道の物資輸送は宿場ごとに継ぎ送る方式をとっていたため、「五十三継=次」と呼ばれるようになりました。
 静岡県は東西に155キロと長く、県内には三島宿から白須賀宿まで二十二宿がありました。静岡市内には蒲原・由比・興津・江尻・府中・丸子の六つの宿場と、東海道の難所として知られる由比〜興津間の薩捶峠、丸子〜岡部間の宇津ノ谷峠の二峠がありました。これを「二峠六宿」と呼びます。現代の区分に於いて一市内に六宿というのは全国最多となります。
 蒲原…かつて家康公が織田信長を、
もてなすために蒲原御殿を建てた町。
 由比…富士山と薩捶峠を描いた歌川広    重の浮世絵で知られる。桜海老が特産。
 薩捶峠…東海道三大難所の一つ。峠か    らの富士山と駿河湾の景色は絶景。
 興津…家康公が幼少期に手習いを受け     た清見寺や近代要人の別荘地として有名。
 江尻…港町としての顔も持ち、清水次郎     長親分でお馴染み。追分羊羹が名物。
 府中…戦国時代に今川氏が統治し、家     康公が大御所政治を行った城下町。
 丸子…道中最小の宿。東海道中膝栗毛     や浮世絵のとろろ汁が名物。
 宇津ノ谷峠…交通の要衝として知られ、     平安期の「蔦の細道」も残る。
 江戸時代には喫茶の風習も庶民に広がりました。2020年に日本遺産に認定された静岡市出身の十辺舎一九作「東海道中膝栗毛」の中でも弥次さん喜多さんは美味しいお茶を飲んで楽しい旅をしたことでしょう。
 寒さとともにお茶の美味しい季節になりました。白銀屋自慢の「やぶ北深蒸し茶」で東海道の旅情を味わってください。


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