【伐採から製材、建築まで】

新月伐採された木には場所や日付けなどのバーコードがつけられます。


山で枝葉をつけたまま、3か月以上、乾燥させます。


製材してから天然乾燥させ、さらに反りを修正するために挽きます。


建築現場へ持ち込まれ、加工されて住宅ができあがります。


自然乾燥させた木は生きています。やさしい暮らしを支えます。


【Q and A】

Q.なぜ、乾燥させるのですか?
A.干し柿と同じように、木材も乾燥させると、縮みます。逆に水分を含むとお米のようにふくらみます。木目の縦の方向にはほとんど縮みませんが、横の方向には数%縮みます。乾燥する過程で、ねじれや反り、割れなどが出てしまうため、よく乾燥させることが大切です。乾燥させないままの木だと、家の柱や土台が狂ってしまいます。また、乾燥させると強度が増し、粘り強くなる特徴があります。

木は春から夏にかけて、水分や養分を根から吸い上げて、活発に成長をします。つまり、狂いやすい木になってしまいます。また、この時期の木は水分や養分が多ためカビや虫の心配があります。冬に伐採し枝葉をつけたまま数ヶ月放置すると、たっぷりと時間をかけて葉から水分を抜けてゆっくりと木が乾燥します。

蒸気や減圧など高温で人工乾燥させると木の細胞が死んでしまい、本来の木の良さを引き出すことができません。マルモは木を生かすことができる新月伐採と葉枯らし、天然乾燥の木材を提供しています。


Q.国産の木の方がいいんですか?
A.日本は高温多湿の気候です。欧米の乾燥した気候なら、ホワイトウッドやパインなどの木材を使えますが、日本ではシロアリや湿気のために、すぐに傷んでしまい長持ちしません。スギ、ヒノキは湿気に強く日本の気候に適しているといえます。昔から「裏山の木で家を建てると長持ちする」と言われているように、日本の木は日本の気候にあった木なのです。


Q.ヒノキとスギとどっちがいいんですか?
A.総檜造りをうたう住宅メーカーもありますが、ことわざにあるように「適材適所」が大切です。ヒノキは耐久性と強度があり柱や土台などに使われます。スギは加工しやすい特徴があります。スギ、ヒノキともに木の中心の赤い部分の心材は腐りにくく、固さがあります。

床に使った場合、スギは柔らかく爪でこすっただけでも跡が残りますが、その分、足にやさしい感触。真冬でも素足でいられるほど、保温性があります。ヒノキは固いので傷が付きにくい特徴があります。


Q.木材の寿命はどのくらい?
A.木材の寿命はとても長く、一般に「樹齢分の寿命がある」と言われています。またスギ・ヒノキは伐採後、300年までくらいは強度が高くなっていくそうです。法隆寺は1300年経った今でも強度が落ちていません。法隆寺の修繕の時にカンナで削った時にヒノキの爽やかな香りがしたという話を聞いたことがあります。

Q.森の伐採は二酸化炭素を増やすのでは?
A.植物は二酸化炭素(CO2)を取り込み、炭素(C)を身体に酸素(O2)を出す光合成をしています。木から炭が作られますが、それらはすべて空気の二酸化炭素から植物が作ったもの。長持ちする住宅は、いわば炭素の貯蔵庫。20年から30年で取り壊し、産廃として捨てられ燃やされたり腐ったりすると、二酸化炭素になってしまいます。

スギ花粉で嫌われているスギですが、スギは広葉樹よりも成長が早く、ヒノキの1.4〜2.2倍と言われています。また、冬の葉のない期間の落葉樹は光合成ができません。スギは酸素をたくさん作ってくれる優等生なのです。

光合成は幼年期に活発ですが、老木になると成長が遅くなり、光合成もあまりしなくなります。そのため、50年から60年くらいで伐採と植林を繰り返していくことが、森の光合成を効率良くする方法なのです。ですから、伐採することが直接、二酸化炭素を増やすことにはつながりません。ただ、日本の材木が安い輸入材に負けて、森が荒廃している現状があります。国産材を使うことが、日本の森を守ることになるのです。


Q.野ざらしで乾燥?
A.マルモでは、天然乾燥にこだわっています。製材後、材木を一段ごとに桟をはさんで、空気の通り道をつくります。不思議に思われるかも知れませんが、製材したての木材は、水に濡らした方が乾きやすいのです。そうして、3〜4か月ほど屋外で雨風にさらします。その後、さらに3〜4か月、屋根の下で熟成させます。木によっては2年程かかる場合もあります。

気候に逆らわず、太陽の光と風、気温で乾かした木は、色やつや、香りが良くなります。特に心材部分はいい感じになります。表面はひび割れが少なく、強度も増します。新築後、5年くらいで起こる狂いがほとんどなくなります。細胞が壊れてしまう人工乾燥にはない、風合いが天然乾燥にはあります。


Q.どうして日本の木材の方が高いんですか?
A.大手ハウスメーカーが外材しか使わないのは量がまとまらないことが原因のようです。日本の山は急斜面が多く、伐採した木を運び出すのも、植林もとても大変です。外国のように大きな機械で、伐採・搬出ができません。その分、人件費が高くついてしまい、一般に外材よりも高くなってしまいます。ただ、最近では、外材(外国産の木材)よりも安いことも多くなっています。日本の木材は手が届かないほど、高くありません。

もうひとつ大切なことは、適正な乾燥をした国産材は長持ちするということ。木材費は本体工事の10%程度、多くて20%程度です。数%上乗せするだけで、すべて国産材で住宅を建てることができます。


皆様からの質問を受け付けています。素朴なギモンから住まいのギモン、森づくりのギモンまでお答します。お気軽にどうぞ。
マルモ森下材木店 代表 森下 幸司
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