■ 6月6日
 初の日付変更線越えと荷物紛失(Lost baggage)!

pe_001.jpg デトロイト空港のデルタ機
 

ca_02.jpg コンコースA
長い長いコンコースを走る赤いトラム

ca_03.jpg コンコース内のコーヒーショップ
 

 セントレア発デルタ(Delta)航空デトロイト行きは13:00発の予定が,マニラからの飛行機到着遅延のため2時間遅れ。 機内にはフィリピン人も多く,タガログ語の機内アナウンスもある。

 12時間の飛行後も日付はやはり6日。 デトロイト空港(Detroit Metropolitan Airport)でのトランジット(Transit)では,入国審査ゲート前のものすごい長蛇の行列に,はたして乗り継ぎに間に合うかどうか,心中ひやひやした。 当初の予定ではここで5時間の待ち時間があったが,遅延のため3時間弱に減っている。 ノロノロ運転のような行列の前進で徒に時間のみが進む。 後で聞いた二女の話ではデトロイトではいつもこんな状態らしい。 幸い,最後尾に近い我々一団に,既に空いていた“Resident and Alien”の入国審査ゲートの方へ回るよう手招きがあり,入国審査が終り,まずはひと安心。 しかし,税関の前にまたも長い列。 乗り継ぎ便までに約30分しか残っていないのに,これでは間に合わないではないかとはらはらしていると,英語はよく分からなかったが,乗り継ぎを急ぐ人は行列の外の方に回れという呼びかけの気配を感じ,そちらへ走る人々の後について無事関門通過。 各地への乗り継ぎ便用の荷物受取台にスーツケースを乗せ,電子掲示板でHalifax行きの時刻とゲートを確かめてから,小走りに長い通路と地下道を走り抜け,目的のB16ゲートへ。 やっと飛行機へ乗り込むが一向に離陸の気配なく,そのうち何かアナウンスがあり,乗客がぞろぞろ荷物を持って出ていく。 私たちもコンコースへ戻って電子掲示板を見ると,出発時間は2時間遅れと表示されている。 名古屋で2時間,デトロイトで2時間,計4時間の遅延となる。

 今アメリカ・カナダは夏時間のため,デトロイトのアメリカ東部時間に合わせるには時計の針は,1時間前に戻す必要があるのだが,カナダの東部時間はさらに1時間の時差があるので,時計の針は結局変える必要はなかった。

 Detroit空港の入国審査官は見たところ色黒小柄なインド系の女性であった。 日本や東南アジアの同種の職業の人と比べると,きわめて“愛想”がいい。 “Hellow”と声がかかり,入国の目的や滞在期間,初めてか否か,こちらに知人はいるのか,などと次々に質問が来る。 二女からは,余計なことは言わず“going to Canada for sight-seeing”「観光のためカナダに行く」とだけ答えればよい,との事前のEメール指示を貰っていたのだが。 そのあと端末機による左右の掌の指紋チェックがあって,無事「放免」される。 こういう調子だから時間がかかるわけだ。 手荷物受取場にもスペイン系の作業員がいる。 後で二女に聞くと,空港にはこういう移民系の事務官・作業員が多いとのこと。

 Detroitで70人乗り程度の小型機に乗り替え,約3時間のフライトののち22時過ぎにHalifaxの空港へ到着。 我々一行が最後の乗客だったらしく,何と荷物受取場へ出る大扉がすでにロックされているではないか。 一老紳士が携帯電話で事務所へ電話し,待つことしばし事務員がやって来て扉を開ける。 やっとカナダへ入国したと思ったら,一行の中で私の手荷物だけが着いていない。 “lost baggage”となった。
 担当の中年の担当官のおばさんに,カナダでの宿泊先と電話番号を連絡し,書類を作成してもらう。 荷物が出て来たら宿泊先へ配達しますとのこと。 2枚複写なので2枚目は私が持って行っていいのかと聞くと,すべて窓口に出せとのこと,ますます不安になる。 長女が,ネットで見た情報では,最後まで荷物が出て来ないケースはほとんどなく,たいていは別の空港に誤配されたに過ぎないと慰めてくれるが,気が重い。 ここでも入国の目的を聞かれ,P.E.I.に行くと答えると,審査官の女性はニコニコしていた。 これも後で二女に聞くと,P.E.I.好き日本人がまた一人来たな,という苦笑だというのだが。

 やっとのことロビーに出ると,約束通り二女が待っていてくれた。 彼女もここで4時間以上待っていたわけだ。 空港近くの予約済ホテル(Holiday Inn Express and Suites)へのシャトルバスでホテルへ。 長い一日であった。 長女が「お父さんの英語の助けがなかったら,私一人ではここまで来れなかった」と言うが,アメリカ行きの手荷物は,中身の検査があるから鍵はかけないで,という長女の忠告を聞き洩らした私の咎もあると思うので,威張れた話でもない。 なくなったスーツケースにはカメラと日本の免許証と国際免許証も入れていたので娘たちに叱られる。
 カナダではあらゆるものが英語とフランス語の2ヶ国語で表示されているのをこの目で見る。 二女の話では,それぞれの言語を使う人は頑固にnative languageだけを話し,bilingualはあまりいないし,「英語族」より「フランス語族」のほうが劣勢だという。 そして,後の話であるが,例えば“center”という語句はこの地域ではイギリス風に“centre”と書かれていることに気付いた。




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