ホームヘ          1へ        2へ                   

             スケッチ行脚     遠江三十三観音めぐり 3



  第二十三番  掛川市粟ケ岳   無間山観音堂(むげんさんかんのんどう)



粟ケ岳山頂に車で登る。車線が狭く一台しか通れない。
対向車が来れば待避所で待たなければいけない。
観音堂は山頂より少し手前にあった。
もうかなり朽ちている。
この観音様は今では日坂の常現寺に祀られている。



御詠歌
   「ちさとまで一目で見ゆるおとこ山
                仏の誓いたのもしきかな」

 
「観音堂椎の大樹や風ひかる   伊々山」


 220327













 勢至菩薩













 第二十四番  島田市志戸呂     岩崎山観音寺(いわさきやまかんのんじ)



旧金谷町です。大井川の西側にある。
画面の後ろはすぐ第二東名高速道路です。

観音堂は新築されたばかりです。


御詠歌
    「田子の浦伊豆山かけて大井川
           岩崎照す秋の夜の月」





220328








  第二十五番  島田市菊川  松島山岩松寺(まつしまさんがんしょうじ)


   金谷の民話 『松島の歩き観音』

昔、火剣山の参道にひっそりと立っておられる観音様を見た里人が
「さぞおさびしかろう」と観音様を背負い小夜の中山峠へやってきました。

この辺りは上り下りの旅人が多いので退屈なさることはありますまい」と、
道端に据えて帰りました。

翌日火剣山に草刈りに向かった里人は驚いてしまいました。
昨日確かに峠に移してきた観音様が元の所に立っているのでした。
足下が土ぼこりで汚れています。

観音様はこの地がお好きで、自分で帰られたに違いありません。
この時からこの観音様を「歩き観音」と呼ぶようになりました。

 本堂の隣にある石の観音様です。

御詠歌 「とがえりの松に涼しき風立ちて谷にたえなる音は菊水」





220331

















不動明王















  第二十六番  島田市神谷城  杖操山妙国寺(じょうそうざんみょうこくじ)



この辺りは、菊川に続く隠れた要路で、戦国の
世の東海道の、激しい喧騒を外れこの場所に
隠棲する人達が、住み着いたものと思われる。

境内にこの地区の人達の句碑が建っていた。

昭和48年観音開帳奉納俳句、、、全17句あり
「春泥や棟上の餅突き刺る」名は省略
「一堂に揃ふ笑顔や福寿草」
「ふろ吹きやどの窓もみな雑木山」
「稜線の霞突き抜く送電塔」
「谷百戸ちらほら田植はじまりぬ」

御詠歌 「はるばると参りて拝む観世音
            罪深くとも救い給えや」






  第二十七番 菊川市西方 瀧生山永宝寺内慈眼寺 (りゅうしょうざんえいほうじないじげんじ)



小笠郡唯一の修験道寺院。代々「滝の谷法印」と俗称され
檀家を持たない祈祷寺として、信仰されている。

そういえば、お堂の中に修行中の写真が掲げてありました。

お堂の前に池があり「野猿」と呼ばれる、人力ロープウェイ(2人
乗り)がここから対岸まで掛けられている。
休日には地域の子供たちが乗りに来るようです。



御詠歌 「さえいずる月をながむる瀧の水
           かみすみぬれば下も濁らず」



220402






















大日如来




220402







   第二十八番  菊川市西方   拈華山正法寺 (ねんげざんしょうぼうじ)



正面に石柱の門がありイヌマキを左右から

つなげて門に仕立ててある。

寺の裏山はに山城になっていた。

堀田城または松下城といわれる。



御詠歌 
  「やつたにや梅の名木のりの寺
         うしおにひびく鐘のおとずれ」



220404






  第二十九番  旧小笠町高橋  国源山正林寺内磯辺山 (こくげんさんしょうりんじないいそべやま)


文明8年(1476)駿府城主今川義忠が遠州に進攻し、
見付城の斯波氏らを打ち破っての帰路、4月6日夜半

この塩買坂にさしかかったところ、地の利に詳しい横地
の残党が奇襲、義忠は流れ矢を受けて戦死した。

その41年後の永正14年(1517)義忠の嫡子氏親が、
この地を平定したことから、この寺を開いて父の菩
提を弔った。

塩の道の道筋で「塩買坂」という名が残ってここで南北の
物資の売買があり、当時は賑っていたという。


御詠歌 「はるばると登りてみれば磯部山
            小松かき分け出ずる月かげ」


 「朱印帳塩買い坂は花盛り   伊々山」



220404














虚空蔵菩薩












  第三十番 掛川市岩滑  宝珠山盛岩院内青木寺 (ほうしゅざん せいがんいんない あおきでら)


数百年前は旧小笠町嶺田、大東町中、菊川市
下内田の地区は湖水で青木寺は湖水に突出し
た丘であったという。

ここにはいろんな石像が祀られていました。
絵は七福神のうちの五体です。

御詠歌  「磯山の松の葉こゆる
      沖つ白波ゆき見よと誰いそぐらん」




220412









  第三十一番 掛川市岩滑  紅梅山菊水寺 (こうばいさんきくすいじ)



昔、岩滑村に古刹があったが戦国時代の戦乱に
巻き込まれ、地蔵堂と観音堂を残して全て灰にな
ってしまった。その後、大水害に見舞われ観音堂

は、御本尊とともに失われてしまった。しかしその後
御本尊は山際で発見されてこの村の中島家が自宅
内に堂宇を建て、これを祀ったといわれる。

この時は堂の裏山の木が切り倒されていてこの絵
の左の家の女性が我家の山で、木が御堂に覆いか
ぶさって倒れる前に、木を切ったといっていた。
このお宅で朱印を打って頂いた。

御詠歌 「岩滑や春のあしたに
      来て見れば梅の梢にうぐひすの声」



220412












 弥勒菩薩













  第三十二番  掛川市今瀧  如意輪山今瀧寺 (にょいりんざんこんりゅうじ)



山門はいぬ槙の大樹の枝葉を刈り込んで造られた
見事なもので必見。枝葉のなかに沢山風蘭が寄生
していてそれを盗みに、トラックで来て盗って行って
しまったので、盗られないようにと、竹が格子状に
つけてあった。

ちょっと変った呆け除け(ぼけよけ)観音もたっている。
この観音様の足下に爺と婆がいてちょっと滑稽です。

御詠歌 「旅衣きていまだきを
       ながむれば砕けて見ゆる有明の月」


220413








  第三十三番  掛川市岩井寺  佐束山岩井寺(さづかざんがんじょうじ)



 ここが最後の霊場です。絵もこれが33枚
揃いました。いつも観音堂ばかりで、描きよう
がないと悩みました。
朱色の山門は大きくて立派でした。

本堂の前には弘法大師の行脚像が、立って
いました。

御詠歌 「山高き峰のいおりに
      住む人は雲にはつせの風やまつらん」



 「鳥雲に大師の像の結願寺  伊々山」




220413







  遠江三十三観音霊場巡りもこれで終了します。
  今回の霊場はみな古いものばかりで、中には観音堂だけというものや、
  他の寺に移って〇〇寺内となっているものも結構ありました。
  最後まで御覧いただきありがとうございました。

ホームヘ          1へ        2へ