平成15年9月議会(平成15年9月17日) 一般質問
浜名湖花博開催期間中における大規模地震発生時の防災対策について
 浜名湖花博が、来年4月8日から10月11日までの 187日間の日程で、村櫛町の浜名湖ガーデンパークを会場に開催されます。県内外はもとより、世界各国から多くの来場者が予想されております。来場者数につきましても期間中 500万人を目標とされ、平日の平均が2万人、ピーク時で1日当たり10万人との予測がされております。このような多くの人たちが集まるイベントにおいて、大災害が生じた場合の来場者への安心・安全の確保は大変重要な課題であり、博覧会協会を中心に静岡県、浜松市、その他関係機関が連携し、万全なる危機管理体制を構築することが急務であります。特に東海地震はその発生が切迫しているとの指摘もあり、もし発生した場合の被害は甚大なものと予想されております。会場となる村櫛町は、おととし静岡県が発表いたしました東海地震の第三次被害想定によりますと、震度7と、相当強い揺れが予想され、埋立地でもあり、津波や液状化現象による被害も予想されております。一方、気象庁では、ことしになり、東海地震の情報体制について見直しを行い、来年1月より、観測情報、注意情報、予知情報の3段階で地震情報を出すことといたしました。政府では注意情報が出た段階で地震の対策に入ることになり、従来の警戒宣言発令後だった対応に比べ、早い段階での対策が始まることになります。こうした状況を踏まえ、開催期間中にもし東海地震注意情報や警戒宣言が発令された場合、来場者への避難誘導を含め、防災対策についてお伺いいたします。二つ目に、来場者には海外や県外など、遠方からもたくさんの方々があるかと思います。注意情報または警戒宣言が出された場合、交通機関は制限をされたり、あるいはストップすることになり、来場者は一時的に避難し、とどまることになるかと思います。そこで、遠方からの来場者の対応策についてお伺いいたします。
答弁:木本陽三助役
 1番目の浜名湖花博における地震防災対策についてのうち、1点目の東海地震の注意情報や警戒宣言発令時の来場者への対応についてでございますが、気象庁が発表した「東海地震発生までのプレスリップ・シミュレーションの分析と評価」、これは1944年の東南海地震と同規模の前兆すべりを想定した場合の分析と評価でございますが、これによれば東海地震注意情報が出されるのは、発生の20時間前ごろと想定されております。シミュレーションどおりであれば、来場者が帰宅する十分な時間があると考えられますが、注意情報と地震までの間隔が短い場合には、会場及び周辺に多くの人がとどまることが予想されます。会場を含むこの地域は、津波による最大50センチメートルの浸水が想定されることから、最終の避難地は影響のない庄内半島の中央部で検討することになります。 浜名湖花博の防災対策は、財団法人静岡国際園芸博覧会協会が主体となり、検討会議を実施しておりますので、この中で避難場所や避難方法などについて定め、来場者の安全確保に努めてまいりたいと考えております。次に質問の2点目の、遠隔地からの来場者が帰宅困難になった場合の対応策についてでございますが、東海地震に関する情報がなく、突然地震が発生した場合には、公共交通機関などが不通となり、多くの来場者が会場付近に滞留することが予想されます。来場された皆様は、交通状況などが改善され、遠隔地への交通手段が確保されるまでの間は、当市で指定した避難所などで生活することになります。候補として、市立村櫛小学校や、市立南庄内小学校などがありますが、これだけでは十分でありませんので、これ以外の施設の活用も考慮して準備をしたいと考えております。いずれにいたしましても開催期間中、多くの方々に安心して来場していただけるよう、園芸博覧会協会や防災関係機関と十分に協議し、安全確保に万全を期してまいります。


今後の図書館業務サービスの充実について
 浜松市では生涯学習の拠点としての充実を図り、図書館サービスネットワークの再構築がなされようとしております。私の周りにも図書館をよく利用する友人・知人がたくさんおります。今日の図書館に求められるものは、単に本の貸し借りだけではなく、調査、資料提供などのレファレンス事業あるいは専門書や児童書の充実、そしてビデオ、CDなどの充実など、内容も多様化しております。また、ビジネスに必要な情報を効果的に収集できるビジネス支援や、市民への行政に関する情報の提供及び行政当局の政策立案に関する情報提供を行う行政支援など、新しいサービスも期待されております。今後、ますます知的情報拠点としての市民のニーズに合った、利用しやすい、魅力ある図書館づくりが求められているものと思います。
平成15年度の市民アンケートの結果では、「図書館を利用しない」と答えた方が61.3%、「年に数回程度利用」と答えた方が23.8%でありました。合わせて85%の方が図書館をほとんど利用していないことになります。これに対し、「ほとんど毎日」あるいは「1週間に1回」また「1カ月に1回利用」と答えた方は、合わせて14%にとどまっております。この数字は、本の貸し借りだけではなく、新聞や雑誌の閲覧等も含めての利用であります。私が述べるまでもなく、全く利用しない未利用者と、図書館愛用者のバランスが、今後も一層重要な課題になっていくものと思われます。
 そこで一つ目に、このような状況を踏まえて、今後の図書館運営におけるニーズの発掘とサービスの充実について、当局のお考えをお伺いいたします。
二つ目ですが、昨今の図書館業務に関し、アウトソーシングいわゆる外部委託の実施を検討している自治体がふえていると聞きます。それによりますと、コストの削減のみならず、行政にない民間のノウハウや知識の導入により、専門性の向上を図り、より質の高い市民サービスを提供できるものと思われます。受託者側である出版業界あるいは書店業界などの協力体制もできつつあり、また、公の施設管理制度につきましても、地方自治法の改正等、実施の環境は整いつつあるかと思います。実際にアウトソーシングを実施する自治体も出てきているという報告を聞いております。
そこで、市当局としては、全国の自治体の動向などをどの程度把握しているのかお伺いするとともに、行政経営計画の検討事項に図書館業務のアウトソーシング導入を追加することについて、当局のお考えをお伺いいたします。
答弁:石川義徳生涯学習部長
   図書館の運営の展望についての第1点目、今後の図書館サービスの充実についての御質問にお答えいたします。まず、ニーズの発掘についてでございますが、平成15年3月末現在、図書館の利用者カードの交付状況は16万6412人で、人口の27.8%となっており、平成17年3月までに登録率33%を達成できるよう努力をしているところでございます。今年度から利用の便を図るため、祝日開館や開館時間の延長を実施しております。また、市民に開かれた図書館を目指して、図書館だよりをインターネットのホームページに掲載し、6月には城北図書館移転改築について、市民の御意見を聴く会を実施いたしました。すべての図書館に御意見箱を設けておりまして、さまざまな方法で市民の意見を伺い、図書館運営の参考にしております。来年度からはビデオ、CD、DVDなどの視聴覚資料の収集提供を開始し、新たな利用者層の発掘を図ってまいりたいと考えております。
 次に、サービスの充実についてでございますが、今、最も求められているのが、技術革新や高度情報化社会への対応でございます。高度なレファレンスにこたえられる図書資料の充実、専門職員の育成とともに、インターネットやCD−ROMなどを用いた情報提供や、所蔵資料のデジタル化を推進してまいります。さらに、静岡大学など、市内の大学と連携を図り、市民の多様で高度な要求にこたえられる図書館サービスが提供できるようにしてまいりたいと考えております。また、年々高まる市民の社会参加意欲にこたえるために、読書会や読み聞かせの勉強会といった自主的な読書活動はもちろん、障害者のためのボランティア活動、中学生、高校生ボランティアなど、さまざまな年代の人たちに、活動し交流する場を提供するとともに、職員による指導助言などの支援もしてまいりたいと考えております。
図書館は、生涯学習の拠点施設でございますので、今後とも利用者の図書資料との出会いを大切にし、市民とともに、時代とともに歩む図書館を目指して努力してまいりたいと考えております。
  次に、第2点目の図書館業務のアウトソーシングについてお答えいたします。浜松市では、公の施設の管理運営に当たり、コストとサービスのバランスを考慮しながら、市民が満足する質の高いサービスの提供に心がけてきたところでございます。
図書館業務のアウトソーシングについて、全国の自治体の動向をどの程度把握しているかとの質問でございますが、全国的な統計は出されておりませんので、詳細に把握できる状況ではございません。県内の公立図書館においては、窓口業務などの図書館業務の委託化はされておりませんが、東京都23区のうち9区の区立図書館においては、窓口業務などの委託化が進められていると聞いております。今後、図書館業務の委託状況について、調査してまいりたいと考えております。
次に、行政経営計画の検討事項に図書館業務のアウトソーシング導入を追加する考えはないかとの御質問でございますが、図書館では、事務事業の内容に応じた柔軟な職員配置、また効率的に事務事業を推進するために、昭和54年の児童文庫用移動図書館車の導入時から非常勤職員の活用を始めました。以後、中央図書館の改築や東図書館、北図書館など地区図書館を順次開館し、図書館のネットワークの構築を図り、図書館サービスを充実してまいりました。この間にも非常勤職員の活用を図りながら、効率的な図書館の運営を行ってきたところでございまして、現在、職員数は94名、そのうち非常勤職員は46名で、職員全体の48.9%を占めており、非常勤職員の比率の高い職場となっております。御案内のように、今回の地方自治法の一部改正により導入される指定管理者制度は、多様化する市民ニーズに、より効果的かつ効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力やノウハウを幅広く活用し、市民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的としております。したがいまして、図書館運営のあり方については、地方自治法の改正の趣旨を踏まえまして、図書館が果たさなければならない、市民の教育と文化の発展に寄与するための社会教育の機関としての役割や、財政効率からの視点での運営を考慮しながら調査研究し、行政経営計画に追加するかどうか検討してまいりたいと考えております。


公民館の再配置整備計画について
 公民館は、図書館などの施設とともに地域の生涯学習の拠点であり、そして、地域活動の拠点であり、また、併設のサービスセンターによる証明書発行業務など、身近な市役所としても利用され、今後もその役割や機能は高まってくるものと思われます。
 昭和51年に作成されました公民館整備計画に基づき、原則として1中学校区に1館の割合で配置が進み、平成8年度にその計画は終了を見ました。その後、それぞれの地域においての人口の増加、社会環境の変化、公民館の利用状況も大きく変化してきており、公民館の新設や施設の改修の要望など、多数寄せられていると聞いております。そして、本年度の予算において、再配置整備の調査事業費が計上され、現在、計画の見直しが進められているところであります。こうした状況の中で、例えば積志地区は、ことしの8月末において、世帯数は1万3069世帯を数え、人口は3万7813人であります。地区内には小学校が4校、中学校が2校あり、学校の週5日制に伴い、公民館を中心とした地域活動もふえております。また、地区内にある積志公民館の利用人数につきましても、平成13年度が15万3746人、平成14年度に至っては17万 238人と、全28館を見ても一番多い数となっております。施設としても満杯状態となっているのが現状でございます。地区内への公民館新設は、住民の大きな大きな願いとなっております。そこで、今後の公民館のあり方を含め再配置整備計画についてどのように進めていくか、当局のお考えをお伺いいたします。
答弁:石川義徳生涯学習部長
公民館は、各種の学習活動の拠点となる社会教育施設でございます。従来の公民館においては、個人の教養や知識、日常生活の質を高めるための多くの講座が開催されてまいりました。しかし、民間のカルチャーセンターや通信教育などが充実した今日においては、世代間や地域住民の交流を通じ、地域のコミュニティの育成が図られる公民館活動が求められております。公民館は、住民の身近な学習、交流の場として、また、コミュニティ活動の拠点として、今後も生涯学習の推進に大きな役割を果たすものであり、時代の求めに応じた公民館活動が展開できますよう努めてまいります。
 浜松市が設置いたしました公民館施設は、現在28館ございます。これは御案内のように、昭和51年度に作成いたしました公民館整備計画に基づき、1中学校区1公民館の設置を図ったもので、本計画は平成8年の可美公民館の開館をもって計画を終えているものでございます。しかし、整備計画策定後の浜松市の発展は目覚ましく、御指摘のございました積志地区などの郊外地域を中心とした人口の増加に伴い、中学校が増設されたことにより、エリア内に二つの中学校区を持った公民館もございます。そのため、地域の皆様から公民館新設の要望も寄せられております。
 このような中、これからの浜松市の公民館の配置を再検討すべく、本年度、配置計画策定のための調査を実施しているものであります。本調査では地域人口、人口密度、交通条件などの社会環境や利用状況と公民館施設の規模などを比較、検討するものでございます。この調査結果をもとに、地域の生涯学習に携わる方々の活動状況、中学校区、公民館の施設内容などを考慮し、市民の皆様へより平等な生涯学習の場の提供が行えるよう、公民館再配置整備計画を策定してまいりたいと考えております。


消防行政について
 まず一つ目に、消防団の活性化についてお伺いいたします。消防団員は、御承知のとおり、職業を持ちながら郷土愛護の精神に基づき、地域の安全と安心を守るために、熱い気持ちを持って日夜活動を行っています。議員の中にも先輩方々がいらっしゃいますが、私も議員になる直前まで消防団員として活動をさせていただきました。今は退団したとはいえ、みずからの地域はみずから守るという消防団精神は忘れておらず、今後も持ち続けたく思います。消防団は、さまざまな職業の人間が集まり活動しており、単に地域の防火や防災活動にとどまらず、人づくりやまちづくり、そして若者の意識高揚の場として、いろいろな意味で生涯学習の場ともなっていると、私は感じております。
 本市消防団は、地域の自治会初め後援会の御理解と御支援をいただき、地域に密着した活動を行っており、市においても車両や庁舎など、装備や施設など一層の充実が図られており、常備消防とも緊密な連携のもと活動しております。また、団員の充足率も98%と高く、団員の年齢構成を見ても、40歳以下の若い人が76%を占め、全国的に見ても大変すばらしく機能していると私は認識しております。しかしながら一方で、社会状況の変化や住民意識の変化あるいは就業構造の変化に伴い、全国的な傾向として、団員不足や団員のサラリーマン化等、さまざまな課題が語られております。国においても「新時代に即した消防団のあり方について」と題し、さまざまな検討が加えられているところであります。消防団を取り巻く環境は常に変化してきており、基本的な考え方や本質は守り、変えるべきものは変え、新しい時代に合った消防団づくりが大切かと思います。また同時に、地域に暮らす市民の皆様お一人一人が地域の安全に対し、関心を持っていただくとともに、消防団活動に対する理解と協力が大切であると思います。そこで、これからの消防団のさらなる活性化について当局のお考えをお伺いいたします。
 二つ目に、救急救命士の処置範囲拡大についてお伺いいたします。救急救命士は心肺停止など、生命の危機に瀕した重篤な救急患者に対し、医療機関に搬送されるまでの間、限定的に認められた医療行為を伴う救急救命処置を行うことにより、救命率の向上を図り、救急業務の高度化にこれまで一定の効果を上げてまいりました。このような状況の中で、平成13年に秋田県などで救急救命士による気道確保のために、認められていない気管挿管の実施が明らかになり、救急救命士の処置範囲の拡大を求める声が、マスコミや世論で高まり始めました。国の関係機関においても、さまざまな検討が重ねられているところであります。
 処置範囲の拡大には、ことしになって、医学的な高度な知識技能の習得や、医師の指導助言などの体制、いわゆるメディカルコントロール体制の確立を前提に、一部改正されることになったと聞いております。そこで、救急救命士が行うことができる救命処置の現状と今後の救急救命士の教育体制についてお伺いいたします。
答弁:土屋冨夫消防長
 第1点目の消防団の活性化についてでございますが、消防団員の皆様には、それぞれお仕事を持ちながら地域住民の生命と財産を守るため、ひたむきに消防団活動に奉仕されておられますことに、心から感謝申し上げます。消防団員の皆様方の日ごろの御労苦に報いるため、本市といたしましては浜松市消防団員互助会に助成し、団員の皆様への各種の給付事業や、消防団活動を支えておられる御家族に対する慰安会の実施など、消防団員の福利厚生事業を推進しております。また、本年度は第6分団庁舎の建てかえや、第3分団と第22分団のポンプ車の更新を進めるほか、退職報償金の増額や国の服制基準の改正に伴う新たな活動服の支給にも取り組んでいるところでございます。御承知のように、消防団と消防署は互いに連携し合い、防火・防災活動に当たる車の両輪のような関係でございます。特に平成7年に発生した阪神・淡路大震災を契機に、大都市においても消防団の役割が再評価されております。大災害時においては、地域防災のかなめである消防団がいかに重要であるか、改めて認識されたところであります。国においても消防庁長官が「新時代に即した消防団のあり方について」検討委員会へ諮問をし、本年3月に最終報告があったところでございます。本市におきましても、こうした報告などを参考にしながら、消防施設や装備の計画的な更新、団員の処遇の向上、さらには市民の皆様方への消防団活動の広報など、引き続き消防団の活性化対策を積極的に進めてまいる所存でございます。
 続いて、御質問の第2点目、救急救命士の処置範囲の拡大についてお答えいたします。現在、救急救命士には、心臓や呼吸機能の停止など、生命の危機に瀕した重篤な患者に対し、救急救命士法により、限定的に3項目の医療行為による救命処置が可能となっています。一つは、除細動器による電気ショック、二つ目は、チューブ状の器具を用いた食道閉鎖方式による気道確保、三つ目は、乳酸加リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液処置でございます。これらの処置を行うときは、その都度、医師の具体的な指示のもとに行うこととされていましたが、このうち除細動につきましては救急救命士法施行規則の改正により、一定条件のもと、いわゆる指示なし除細動を行うことができるように処置範囲が拡大されたところでございます。本市におきましては、医療機関との調整等の体制が整い、本年8月15日から実施しております。また、気道確保の処置として、気管内にチューブを挿管する行為につきましては、平成16年7月を目途に、必要な追加講習と30症例以上の病院実習等の条件を満たした救急救命士に限り、実施が認められる方向で法整備等の準備が進められております。
 救急救命士の処置範囲の拡大に当たっては、メディカルコントロール体制の整備が条件とされていまして、これは医師の常時の指導助言、医学的見地からの事後検証、再教育のための病院実習等の体制が確立されていることが前提となっているものであります。
 次に、救急救命士の教育体制についてでございますが、資格取得時における病院実習等は定められていますが、その後における再教育制度は確立されていないのが現状であります。救急処置範囲の拡大、救急業務の高度化に適切に対応し得る救急救命士の知識・技能の一層の向上が求められることから、資格取得後における継続的な再教育が極めて重要であると認識しているところでございます。
 このようなことから、医師会を初め関係医療機関と連携を図り、病院実習への定期的な派遣等を計画するとともに、症例検討会を随時開催するなど、救急救命士を初め救急隊員のレベルアップを図る研修体制の構築に努めてまいりたいと考えております。



東地区土地区画整理事業について
 現在進行中の東地区における土地区画整理事業は終盤を迎えており、東地区の愛称がイーストタウンと決まり、政令指定都市を目指す浜松の新しい顔としてのまちづくりが始まっております。同時に、市民の関心も大変高いものになっているかと思います。
 まず、一つ目の質問です。イーストタウンの北側に隣接して、東西を走る都市計画道路植松和地線、通称六間道路は、浜松市の東西を横断する幹線道路であり、イーストタウンへの重要なアクセス道路でもあります。しかしながら、慢性的な交通渋滞も深刻な状況となっており、通勤・通学者や産業経済活動にも多大な影響を及ぼしております。特に、馬込川にかかる昭和橋付近が障害となり、整備も急がれるところであります。一方で、国が平成19年度完成を目指して整備が進められています新天竜川橋拡幅工事に伴う受け口路線として、一層の交通渋滞も予想されるところであります。そこで、都市計画道路植松和地線のうち、現在整備を実施している都市計画道路小池三島線から都市計画道路有玉南中田島線までの整備状況と、昭和橋整備計画について、土木部長にお伺いいたします。
 二つ目の質問でございます。東地区の土地区画整理事業は、総事業費1157億6000万円をかけ、第一地区が平成17年度、第二地区が平成18年度に完了する予定であります。現在は事業の終盤を迎えており、道路などの基盤整備も進み、官公庁施設を中心とした行政交流ゾーンあるいは静岡文化芸術大学を中心とした教育文化ゾーンを初め、行政と市民が一体となったまちづくりが進んでおります。そこで、東地区の区画整理事業の進捗状況について、都市計画部長にお伺いいたします。
 三つ目の質問ですが、東地区では、健全で良好な都市環境の形成と安全で快適な歩行者空間の創出を図り、個性的で魅力ある市街地を形成することを目標に、住民の皆さんと浜松市により地区計画が作成されております。道路に接する外壁及び屋根は落ちつきある色を基本とし、原色はポイント的な使用に制限するとともに、周辺のまち並みとの調和に十分配慮した色調とするなど、建築物の外壁及び屋根など、建築物等の形態や看板などの意匠の制限を定めています。あいまいな表現ではありますが、都市景観に配慮したまちづくりを目指しているものであります。
 しかしながら、その運用に当たり十分に協議され、審査されているか疑問であるとの市民からの声も聞こえております。今後の建築物の計画等への影響も懸念されるところであります。全国各地のまちづくりにおいて、企業カラーだからといって、原色またはそれに近い色の使用について、都市景観の保全の見地から都市景観にあわせた色使いをする例は各地で見受けられます。また、安全で快適な歩行者空間の創出についても、高齢化社会への対応や中心市街地活性化にとっても大変重要な要素であります。政令指定都市を目指す浜松の顔としてのまちづくりは、東地区のみならず市民全体の関心も高く、50年先あるいは 100年先を見据えたまちづくりが必要であるかと思います。そこで、今後のイーストタウンのまちづくりについて、地区計画を有効に機能させることを含め、市がどのようにかかわり、進めていくか、都市計画部長にお伺いいたします。
答弁:川嶋正芳土木部長
 第1点目の都市計画道路植松和地線(六間道路)の整備計画の見通しについてお答え申し上げます。都市計画道路植松和地線は、国道 152号を起点に西進し、東名浜松西インターや観光地の舘山寺方面に至る放射幹線道路で、東地区へのアクセス道路として位置づけられております。
御質問のイーストタウンに隣接する小池三島線から有玉南中田島線までの延長約1410メートル区間の整備状況につきましては、平成元年度から事業着手いたしまして、小池三島線から駒形橋までの延長約 350メートル区間は、平成18年度に完成する計画となっております。残り延長約1060メートル区間につきましても、早期完成に向けて現在関係地権者の御理解、御協力を得ながら用地取得を進めており、現在の進捗率は約50%となっております。中でもボトルネックとなっている昭和橋の改築工事を先行するため、県で計画している馬込川の河川改修や工事施行中の一般車両の迂回路設定など、さまざまな課題が山積しており、市としては地域の皆様にこれらの理解が得られるように、測量調査や今後の計画など話し合いを重ね、事業に向けての御理解をいただいたところでございます。
 今後は、公安委員会や河川管理者など関係機関と詳細協議を進め、平成19年度までには昭和橋を完成させるよう努めてまいります。いずれにしましても植松和地線は優先度の高い整備路線として位置づけており、今後も積極的に整備促進を図ってまいりますので、御理解をいただきたいと思います。

答弁:加藤市之助都市計画部長

 東地区土地区画整理事業の進捗状況についてお答えいたします。東地区につきましては、地区の健全な発展と新たな都心拠点の形成を目標に、土地区画整理事業を進めております。
 東第一土地区画整理事業は、昭和62年度から、東第二土地区画整理事業は平成4年度から事業を進めており、平成14年度末の事業費ベースの進捗率は、東第一地区が95.1%、そして東第二地区が73.5%となっております。
 これまでに道路整備や地下駐車場の整備のほか、市街地再開発事業や優良建築物等整備事業を活用したマンション分譲による定住人口の増加や、まちづくりセンターなどの公共公益施設の設置、さらに静岡文化芸術大学の開設など、公民一体となったまちづくりを進め、都市の再生を図っております。今後も多機能に利活用ができるアクト通りを中心に、道路などの基盤整備や建物移転を進めてまいります。また、市内に点在している官公庁施設を計画的に集約した国の合同庁舎や、医療施設の整備など、都市機能の向上、良好な都市環境の形成、さらに防災機能の向上など、浜松市の新都心にふさわしい個性豊かなまちづくりを推進してまいります。
 次に、3点目の地区計画を有効に機能させることを含め、今後のまちづくりについて、市がどのようにかかわり、進めていくかについてお答えします。地区計画は、建物の用途、形態、敷地の緑化などのルールを地区ごとに定め、居住環境の整備や保全、商業環境の創出など、地域のまちづくりを推進する手法の一つであります。
 東地区の地区計画につきましては、地元組織であるまちづくり協議会を中心にまちづくり検討委員会を発足し、協議・検討を重ねて地区整備計画の地元案を策定しました。この地元案をもとに、区域の整備、開発及び保全の方針を定め、次に、整備計画として建築物等の用途の制限、壁面の位置の制限、建築物等の形態または意匠の制限などを定めております。したがいまして、今後、建築行為等の計画が具体化した場合には、地元組織でありますまちづくり協議会や街づくり会議と連携を図りながら、健全で良好な都市環境の形成や、個性的で魅力ある市街地形成を目標に、建築物の規制・誘導を適正に行い、政令指定都市も見据えた地区の健全な発展と都市景観に配慮したまちづくりを進めてまいりたいと考えております。