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心に響く芝居作り

劇団RINは、創設35年、公演台本数は64、延べ何公演かは数えていないので分かりません。

オリジナルにこだわったのは、芝居の原点である即時性、つまり、『今生きてる観客の心に響く作品を』ということと、劇団員を無理なく、出来れば全員舞台の上に上げるということが大きな理由でした。

「演 技の下手な人を金を取る舞台に上げるべきではない」という意見の人もいるし、それは的を得た考えであると思います。しかし、芝居もスポーツと一緒で舞台に 1回上がることは、1年稽古するよりも役者を成長させます。主要な役を演技力のある人で、初心者もそれなりの役で舞台に。初心者の演技の下手さによる不快 は、脚本や照明でカバー、それが今までの私達の考えでした。

また、作品も多岐に渡っています。SF劇、時代劇、シリアスな舞台からコメディータッチの舞台、ミュージカルもやりました。形にとらわれない芝居作り、それがRINのカラーでもありました。

まるで、主義主張がないようなやり方ですが、RINもまた、古い劇団に反発するように出来た劇団ですので、「何でもあり」の芝居の基本からすれば、それは1つのメッセージでもあったのです。ただし、どこよりも稽古時間を取る、それが私達のポリシーです。

しかし、演劇が全国的にも低迷し(演劇だけでなく、文化全体がですが)、入団希望者が減り、観客も減っていく中で芝居を続けることは、多くのデメリットを表面化させました。

観 客の少ない公演は、お客さんからしてもノレない、「出来るだけ全員を舞台に」が災いし、病気等のアクシデントで配役に穴があき、満足な稽古が出来ないなど のストレスを生み出してきました。また、劇団RINは、若い人が多い劇団としても特別でした。常に入れ替えがありながらも劇のレベルを下げることなく続 ける、それは簡単なようで簡単ではなかったことでもありました。しかし、その中で、当然のことをしない劇団員が生まれてしまったことも、事実です。

『劇団を続けることに意味があるのか?』

考えあぐねた末、「続ける価値のある劇団にしていこう」という結論に達しました。それほど大袈裟のことではありません。団費を払う、チケットを10枚以上売る、稽古だけでなく、道具作り・積み込み・片付けを可能な範囲で行う。それを劇団の常識にする。ただ、それだけです。

『人数が少なくてもRINらしい芝居を』、これが新しいRINの姿勢です。劇団員が多いに越したことはないですが、まずは、RINらしい芝居が出来る下地を作る、それが再出発点だと考えて、続けていきます。


 今後とも、新生RINをよろしくお願いします。