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東京大学 文科一類



  
 受験終了後のアンケートには、必ず次のような質問がある。

  受験勉強を始めたのはいつですか。志望校を決めたのはいつですか。


 私はこのような質問をされるたびに困ってしまう。完全にセンターに切り替えたのは12月の終わりころだし、東大のための勉強を本格的に始めたのはセンター後だが、いつ普通の勉強から受験勉強に切り替えたかと聞かれても私にはわからない。勉強時間は部活動と学校祭が終わって確かに増えたが、夏休みが明けても受験に対する意識はまだまだ低かったように思う。

 志望校を決めるという作業もほとんどなかった。東大に行けるのであれば行きたい、という程度だったのが、気づいたら、何があっても東大を受験したい、という気持ちに変わっていた。むしろ迷ったのは私立の受験校だった。国立とは違って全くこだわりが無く、『東大を落ちたとき』に行かなくてはいけなくなる私立について考えるのが嫌だった。結局、受験校を決定したのはセンター試験後の出願のときだった。
 今でも『勝因』が何であったかはわからないので、いいアドバイスをすることはできない。ただ、少しでも自分でよかったと思えることを書いてみたいと思う。
 

@模試の使い方
 私は1年のときから学校で受けられるハイレベル模試をできるだけ多く受けてきた。
それがどれだけ役に立ったかはわからないが、難しい問題に対して上手い具合に諦めたり部分点を狙ったり、という入試本番では役に立つ技が身についたと思う。
 東大即応模試は、夏にK塾、秋にK塾とS予備校のものを受けた。私は夏にA判定だったのに、秋には両方ともCとDに下がっていた。私が受験生であることを意識したのは秋の模試が返却されたときかもしれない。センター試験を挟んで残り2ヶ月ほどしかないことに私は驚いた。模試は教科によって、受験直後か返却後に見直した。東大の受験は普段の模試とは少し違うので、模試は何度か受ける価値があると思う。また大手の予備校は何年も東大入試を研究しているので、似た問題が本番でも出る確率が高い。
 

A塾
 私は高校に入って某会の添削を始めた。部活で塾に行く時間は無かったし、行きたいと思う塾も無かった。3年になり、東京にあるK塾の夏期講習を2週間くらい受けた。この中で現代文は特に意味があったと思う。苦手だった現代文はこれを機に少しずつ上がっていった。
 塾に行っている方が安心だという人もいるが、時間の有効利用を考えると、某会等を使った自学を私は勧めたい。
 

B部活動、学校行事
 今坂り返ってみて、私は部活をやめないで本当に良かったと思える。そこで妥協していたら、きっと同じ結果にはなっていなかったと思う。部活をやることで、心に余裕ができた。時間があるときはしっかり勉強する習慣もついていた。
 学校行事でも部活でも、高校でしかできないことはたくさんあると思う。勉強することも確かに進学校である母校での生活では欠かせないが、勉強だったら浪人すればいくらでもできる。私は今しかできないことを、後悔しないようにできるだけ多くやりたいと思った。今では自分の選択が正しかったと思える。

 
 25・26日の受験終了後、色々後悔した。私はオープンキャンパスに行けず、初めて校舎内に入ったのが受験当日だった。校舎の中は言い表しにくい、良い雰囲気が漂っていて、初めて、この学校に通いたい、と思える学校に出会えたと思った。しかし私立が受かっていたので、浪人する気は無く、一回のチャレンジに賭けようと思っていた。だが結果は悲惨で、得点源にするつもりの数学で大失敗し、解答速報を見てみると、自信のあった古典はぼろぼろだった。地歴は始めから(授業の先生に)『あまり期待しないように』と言われていたし、現代文はもともと苦手だった。英語でいくら満点近くとれたとしても、希望はなかった。

 10日の合格発表まで私は毎日憂鬱だった。それまで根拠のない自信を持ち続けていたが、受験後初めてそれが消えた。後期日程も願書を出していたが足切りの可能性が大きかったため、今更小論文の勉強をする気にもなれなかった。
 
 
 結局、10日は合格発表を見に行くことにした。私は初めて東大の合格発表の風景を見
て、N市の祭りに勝る人ごみに驚いた。結果がどうであれ、見に行くだけでも意味があると思った。
 

 東大と医学部の最大の違いは、定員の違いではないだろうか。東大は(理三を除き)、例えば文一でも前期は401人。そのため、全ての教科を完壁にする必要は無い。見られるのは全教科の合計点だけなので、自分の力に合わせて配点を考えることができ、教科数が多いため苦手科目を得意科目でカバーすることもできる。
 だが私は得意科目に頼るより苦手科目をなくし、どの教科でもほどほど取るつもりでいる方が簡単に合格点に達すると思う。その方が受験当日も気が楽だと思う。




 彼女の英語の実力は申し分のないものでしたが、現代文が苦手でした。それでも、不得意科目克服の努力は続けていました。文系でも現代文を不得意とする受験生はいます。
 苦手科目を得意科目にすることは難しいものですが、足を引っ張られないようにし、総合点で合格レベルに達するようにしなければなりません。そのためには、継続して努力することが必要です。

 また、彼女の2次試験は、事前に自分が考えていたプラン通りには行きませんでした。
 確実に得点しなければいけない数学の問題で計算ミスをしてしまいました。さらに、自信のあった古典では、解答速報とは異なる解答をしたものが多くありました。それにもかかわらず、結果は合格でした。

 大学入試でも、ミスをゼロにすることは不可能であるのが現実です。また、得意科目でも、問題が難しければ点数は思うように伸びません。
 ですから、思いがけず、失敗してしまった試験科目が生じた場合は、直後の休憩時間の過ごし方が大切です。落ち着いて、気持ちを切り換え、過ぎたことよりも、次の試験に集中し、「最後は(センター試験+2次試験の)総合点で決まる」と考え、どの科目も標準問題を確実に得点する姿勢を持ち続けることが重要です。