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思うこと

 このホームページは、大学進学を目指す受験生のために作りました。けれども、それだけではなく、かつて接した受験生に感謝の気持ちを伝えるためにも作りました。

 それは、私のため後輩のために、熱心に合格体験記を書いた元受験生の労力を思い、これを非公開のままにしておくことは忍びないと考えたからです。

  また、不思議なことに、私の気持ちがひどく落ち込み、自信を失った時には、必ず受験生から相談を受けました。そして、その回答を提示する際に、「自分のような人間でも、信頼し、真剣に話を聞いてくれる受験生が、少なくとも一人ここにいる」ことを実感して、自信を回復することが出来ました。
 今でも私は、私自身の立ち直りを助けてくれた受験生に出会い、接する機会が与えられたことに感謝しています。

 さらに、私はそれぞれの受験生の相談に回答するため、最良の方法を探求し、検討しました。その結果、新たな学習法を思いつくことが出来ました。そして、この積み重ねにより、私の力が向上して来ました。
 従って、現在の自分があるのは、私に相談や質問等の働きかけをした受験生がいたからであると思っています。

 ところで、江戸時代前期の儒学者、
熊沢蕃山 の作に次の短歌があります。

『憂きことの なほこの上に積もれかし 限りある身の 力ためさむ』

 つらいことの多い人生だけれども、逃げずにぶつかり、自分の力を試してみようという意味です。

 私は、これをかつての受験生であるT・S君からの年賀状で知りました。彼は、自分の身に起きた不幸や困難を、この歌を頼りにして耐えていました。私自身は、とてもこの様な心境にはなれませんが、彼がこの歌を支えにしている姿には心が痛みました。

 実際に、この様な心境で、困難に立ち向かうことの出来る人間は少ないでしょうが、受験生には、つらい現実でもそれを受け止め、乗り越えて生きて行って欲しいと願っています。
 

 T・S君は、現在某テレビ局で助監督をしており、家族の絆や愛をテーマにしたドラマの制作に携わっています。