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合格体験記

 
東京大学 理科一類


    
 高校生活を振り返ってみると、勉強以外の記憶ばかりが蘇ってきます。勉強した記憶は、センター試験の頃からの新しいものくらいです。それだけ、入試が近くなってからは、勉強に一生懸命だったと言うことでしょうか。センター試験後、結果は良くなかったにもかかわらず、この大学を受験することを決心し、それから後は、必死で勉強したのを覚えています。僕にとって、2月がとても重要な時期でした。別に、それ以前は全く勉強していなかったわけではありませんが、今思えば、真剣さの次元が違いました。入試を目前にしたときの集中度は計り知れないものです。それまでの勉強など、比べものになりません。人間は気持ち次第なのです。

 話は変わりますが、受験を迎えて考えたことを書きます。それは、睡眠の効果についてです。夜の睡眠時間と昼の効率については、様々な分析がなされているようですが、やはり、遅くまで勉強を頑張るよりは、思い切って寝た方が良いのです。遅くまで頑張って、授業も百パーセント吸収し切れれば良いのですが、必ず穴ができます。これが悪循環の始まりです。よく眠れば、家で勉強する必要はそれほどありません。これが、毎晩8時間は眠っていた人の考えたことです。

 授業では、他の人の何倍も吸収する自信がありました。昼間は、頭が冴えて集中力が続くのです。その点で、僕は授業重視(依存)派でした。これについては、いろいろな考え方があるでしょうが、僕は授業を大切にしてきました。大切にしたと言えば、教科書です。結局、参考書は買いませんでした。問題集さえあまり使いませんでした。特に、理科・社会は教科書が全てと言うほど、とにかく、ぼろぼろになるまで読み込みました。理科の勉強は、テスト前は読書週間でした。理解し切るために何度も読み返しました。そのうちに、一つの(基礎)事項から十の(応用)事項を理解しているのです。そして、テスト問題に臨むのです。ですから、結局、問題集は無駄にしてしまいました。

 僕は暗記が大の苦手で、知識は理解や思考に頼って補完していました。更に、“嫌な事”はぎりぎりまでやらず、後回しにし、かなり楽観主義者でした。結局、後で痛い目に遭うのです。英単語などは大変でした。当たり前ですが、こつこつ積み重ねるのは大切なことです。
 
 最後に、大学に合格することはゴールではなく、単なる通過点にすぎないと言うことを忘れないで、受験勉強も頑張ってください。広い視野、大きなスケールで物事を考え、受験を機に学力だけでなく他の面でも大きく成長されることを期待しています。   
             


 彼は、国語の現代文が苦手であったため、東工大を志望していました。けれども、高3の7月に東京大に志望を変えて、不得意科目克服に取り組み、第1志望に合格しました。
 東大入学後は、理学部物理学科に進み、大学院にも進学しました。高校時代はバドミントン部に所属し、高3のインターハイでは県大会に出場しました