みなさん、こんにちは。いきなりですが、みなさんは「A方式」受験というのを知っていますか。これは、私大をセンター試験のみで受験できる方式のことです。ちなみに「B方式」は現地へ行って受ける一般受験の事を言います。私は3年生の12月になって、第1志望を理科大薬学部に変更しましたが、それでも国立大の薬学部に行きたいという気持ちがあり、センターが理系3科目のみの国立後期の学校を受けることにしました。そこで立てた計画が、
センターで高得点を取る
→ 私大の薬学部(A方式)に合格。国立
大にも有利。
私は前期を受けないので、他の人より1か月多く後期の勉強ができ
て、合格可能性は大きくなる。
というもので、他の人とは、少し変わっています。まず、センターで高得点を取れる、という保証はありません。が、私はこれで5校受験し5校とも合格しました。
A方式の利点は、
・B方式と併願できるので、1大学につき、2回のチャンスがある
・国立大志望の人がこれを利用すると、私大のための勉強時間が省け、
国立前期に有利
ということです。ちなみに私は、その後、自宅通学をすることに決め、国立後期は受けていません。が、ここからは参考程度に、私が夏休みからどう勉強したかを書くことにします。
T.夏休み
ほとんど家で勉強し、学校や予備校の自習室へ行ったのは、ほんの5・6回でした。私は周りに人がいると、集中力がなくなるタイプだったし、学校まで片道30分はかかるので、移動時間がもったいなかったからです。また、予備校も地元のS予備校で1タームだけ、本当に受けたいものだけを選びました。現役生で、夏休みに東京などの某大手予備校に通う人も多いと思います。私はこれを避けました。
それは、自分がプレッシャーに弱いことを知っていて、行けば絶対に自信をなくして帰ってくることが分かっていたからです。ここで無駄に焦ってペースを崩したくなかった。この時期は、マイペースに基礎固めをしましょう。「毎日10時間」という目標より「今日はここまで」と範囲を決めた方が、集中力が出るのではないでしょうか。実際、早く終わらせてちょっと遊ぼう、と考えれば時間はあっという間に過ぎ、ぼんやり10時間を過ごすよりも、ずっと能率は上がるはずです。
ところで、各教科に実際かけた時間比は、英語:数学:物理:世界史=2:3:3:4 でほとんどを不得意科目の世界史と物理に使いましたが、結局モノにならず、12月には受験に使わない大学に変更し、夏休みは水の泡となりました。が、数学は青チャートTUABの4冊を2回ずつ繰り返したところ、基本がつかめるようになり、平均的な科目になりました。英語は得意科目だったので、長文1つ、英作文3つをやって、実力の保持に努めました。
U.9月〜11月
2次対策です。前年に比べ平成○年度入試では、センターから2次までの期間が1週間短くなり、センター後の切り換えの素早さが特に必要でした。だからこの時期にもう一度2次対策に戻り(最初の2次対策は4〜7月)、センター演習は12月からするとよい、と担任の先生から教わり、その通り実行しました。
ところで、この時期になって新しい問題集にとりかかるのはもう遅いと言われていますが、私は化学の問題集を1冊買い、始めました。というのは、夏休みは物・世にかかりきりで、化学に全然触れてもいなかったからです。薬学部では、化学は絶対に必要なので、この時から少し焦り始めました。
また、秋という季節になると、妙に風が冷たく、不安な気持ちになります。それで何も手につかなくなったり、自習室でやっている人達を見ては、自分の集中力のなさに自信を無くしました。でもこれは、「自分だけ」ではなく、大抵の人が抱く感情ですよね。だから、そんな時は自分で内側に閉じこもらず、先生や友達に打ち明けてみましょう。これで気が楽になれば、後は勉強に集中するのみ。化学も、始めてしばらくは結果が出ません。でも、2次まではまだ5か月ある、何とかなるさ、と心を決めて、コツコツとやりました。
V.12月・冬休み
本格的なセンター対策です。センター対策は死に物狂いでやって下さい。前に書き忘れましたが、大抵のA方式願書の締め切りは、B方式より早いので、しっかり調べておきましょう。
学校でも、この時期は対策プリントが中心でしょう。私は数学が、夏休みにやったおかげで少しはましになったのですが、それでも得点はTAが6割、UBが7割前後で、目標には全然足りませんでした。そこで家では、授業中に答え合わせをしたプリントを持ち帰り、青チャートから類題(といっても記述式)を抜き出し、解けるようになるまで繰り返しました。冬休みに入っても、本屋で買ってきたセンター対策と、某会で月2冊送られてくるセンター対策が、9月から計7冊たまっていたので、それを時間内に解き、同様に対処しました。ここでは、とりあえず点数は気にせず数をこなしましょう。大切なのは、なぜ間違えたのかを考え、一つ一つの分野を確実にすることです。
化学は、2次対策の問題集に未練があり、冬休みからでも十分間に合うと思い、あまりやりませんでした。(結果、私大には間に合ったものの、センター対策は不十分だった)
英語は、某会の対策をやりました。
数学よりも苦手だったのが、古文・漢文でした。定期テストも、直前に訳を見るだけで乗り切ってきたのだから、出来るわけがありません。授業の対策プリントでは、いつも6割未満でした。そこで、文法解説がしっかりしている過去問を買ってきて、解きながら重要事項を覚えていきました。
W.センター直前
第一に健康管理です。勉強が気になってしようがない時でも、直前になったら、睡眠を充分とりましょう。この点で、私は失敗しました。センター1週間前にインフルエンザにかかり、39℃以上の熱が4日間続き、勉強ができない状態になりました。これは精神的にもつらいです。結局、平熱に戻ったのは前日で、その日は気になる箇所をざっと見て、早めに寝ました。
センター当日、よく眠ったせいか、朝から気分がすっきりとし、迷いや不安などの余計な気持ちが全然ありませんでした。また、A方式での各大学の去年のボーダーから、国語170、英語190、化学90、数学80点以上とれれば理科大には合格できるんだ、と分析し、苦手科目を受けるときに余分なプレッシャーがかからないようにしました。結果、各教科平均が9割を超えました。私は、ここで充分な休養と睡眠をとったことが、センター高得点につながったと思うのです。だからせめて、1週間前くらいから、睡眠はしっかりとりましょう。
ここまでが私の受験体験記です。私の勉強法は模範的ではないと思いますから、手本にするなら、もっと計画性のある人の体験記を参考にして下さい。A方式の説明は頑張って書きましたから、そこは読んで欲しいです。
最後に、受験から少し離れて、理科大薬学部の話をします。実習は1年の前期から入り、専門的なこともやります。漢方は、目・におい・味で覚えなければいけないそうで、トリカブトを「舐めてみろ」差し出して下さる先生がいらっしゃいます。ちなみに今週は、ラットの解剖、血液実験のレポートに追われ(20〜30枚×3本)、この原稿用紙が届いた時は半泣きでした。他学部に比べると、薬学部はやや忙しいようです。それでは、長々とおつきあいくださってどうもありがとう。皆さんのご健闘をお祈りします。さようなら。
彼女はプレッシャーに弱く、思うように力が出せないタイプでした。その上、センター試験直前1週間は勉強が出来ませんでした。それにもかかわらず、本番の試験では実力を発揮して模試の予想以上の高得点を取ることが出来ました。受験では、努力することは必要ですが、努力を結果に結びつけることも大事です。そのためには、精神面の強化が不可欠です。普段から心掛けておきたいものです。
また、彼女は自宅から新幹線を利用して大学に通いました。単位認定の厳しい理科大を4年で卒業し、大学院に進学しました。
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