[T]志望校を決めるまで
僕は部活引退までは部活一筋で自主勉強はテスト勉強や週1の英語の塾を除けば皆無でした。7月初めに部活を引退し、いよいよ受験勉強ということで志望校を真剣に考えました。7月の時点で各教科の状況は、数学が得意、英語が普通、物理化学が悲惨、という感じでした。はじめは、中学生の頃からあこがれだった京大を志望していましたが、10月下旬頃にさすがに無理だと思い東工大一類に志望校を変更しました。塾は週1、Z会でセンター国語対策と東工大英語を受講していました。また夏休みと冬休みに駿台予備校に東工大対策の授業を受けに行きました。
[U]使った参考書
参考書を選ぶにあたって、東大京大の合格体験記を参考にしました。あと過去問は赤本と青本があるが、青本のほうが絶対いいと思います。
○英語
・速読英単語必修編 最低限必要な英単語を覚えるために使いました。
・Z会通信添削 英語は添削してもらうのが一番良いです。
・青本5年 解説がとてもよかった。塾の先生に添削してもらいながらやりまし
た。
○数学
・ニューアクション 数学は基礎が大事。TUABは何度も解きました。
・一対一対応の演習VC 有名な問題集。典型問題の解法を1通り学べます。
・過去問15ヵ年 別解が豊富でとてもよかった。東工大特有の問題に触れられま
す。
・東工大への数学(駿台) 採点基準があるのがとてもいい。最後の演習用に使
いました。
○物理
・漆原の物理が面白いほどわかる本 基礎を身につけるには最適の参考書です。
・名問の森 典型問題が網羅してあります。また別解が豊富です。3周しまし
た。
・青本5年 微積を使った解説でちょっとわかりづらいです。解説は赤本を見ま
した。
・東工大への理科(駿台) 採点基準があるのがいいです。最後の演習に使いま
した。
○化学
・坂田の化学が面白いほどわかる本理論化学 ゴロがあったりして覚えやすかっ
たです。
・Do無機有機 これはほんとにいい参考書です。絶対やったほうがいいです。
・重要問題集 典型問題を1通り網羅するために使いました。3周しました。
・駿台東工大化学テキスト 解説が詳しく最後まで愛用しました。
・青本5年 解説がとてもくわしくてよかったです。
・東工大への理科(駿台) 採点基準があるのがよかったです。最後の演習
に使いました。
また化学の暗記はB5サイズの情報カードに暗記事項を書いて隙間時間を使って何度も見直して覚えました。これは暗記が苦手だった自分にはとても効果があった方法です。
[V]受験を振り返って
○やってよかったこと
・1冊の問題集を信じて極めたことがとても良かったと思います。不思議なこと
に問題集を2周目やるときは1周目で気がつけなかったことが、3周目やると
きは1,2周目で気がつけなかったことが気づけました。
・嫌いな暗記も歯くいしばってがんばりました。英単語の暗記は夏休みに書きま
くって覚え、化学は夏休みとセンター直前に書きまくったり、情報カードを見
返したりして覚えました。また無機化学はゴロをつくって覚えました。
・数学に重点を置きつつ、理科を極めました。数学はその日のひらめきで得点が
だいぶ変わってきます。実際、僕は秋の東工大模試の数学はひどい結果でした
が、本番では7割近くとれました。一方、理科は典型問題が少ないので演習を
徹底的にやれば得点の振れ幅は小さくなります。理科はほんとにがんばりまし
ょう。
・徹底的にシミュレーションと過去問研究をしました。過去問は本番の試験時間
のマイナス15分でやり、過去問を研究して傾向に沿った解き方を身につけて
いきました。
○後悔したこと
・英単語を覚える量が少なかったことです。速単上級編までやることをお勧め
します。
・最後まで物理の交流、化学の緩衝液の応用問題が解けず、本番で出てしまい、
思うように解けませんでした。苦手分野は無くすまでやりましょう。
・センターに力を入れすぎたことです。英語は速読に役に立ち、数学は元々セン
ター対策をせず、化学はセンターでの細かい知識暗記が2次で活きたのです
が、物理のセンター対策をガッツリやって利益がないどころか有害でした。セ
ンター後、物理Uの分野をほとんど忘れ、過去問が解けなすぎてかなり焦りま
した。センターと2次の勉強配分が大事です。
○科目を捨てるのも1つの手
前述した通り、はじめ京大を志望していました。京大を受験するとなると、まずセンターでかなり得点することが必要になり、また二次試験で国語が必要になるので文系科目もかなり勉強しないといけません。一方、東工大はセンターの点数は合否に関係せず、二次は英語、数学、物理、化学なので文系科目は多少手を抜いても大丈夫です。僕は文系科目を勉強してもなにも頭に入ってこない人だったので東工大を受けるのが運命だったと思います。科目を捨てるのも1つの手です。
○大事なのは強い気持ちと徹底した過去問演習
合格するために大事なことをあげだしたらキリがないですが、僕は、志望校に絶対受かる!という強い気持ちをもつことと、志望校の過去問演習を徹底的に行うことが特に大事だと思います。
僕は夏からずっと志望校の判定はほとんどEたまにDといった感じでした。でも、受験勉強を始めたのが7月で周りより明らかに遅れていたのでこれから一気に成績伸ばすぞ!といつも前向きに考えていました。結果、2次の得点は11月の東工大模試から150点近く上がりました。模試の判定なんて天気予報より当たる確率低いですから、気にせず勉強しましょう。
また徹底した過去問演習ができるかどうかもとても大事です。各教科、有名な参考書を1冊以上極めることが必要なのは言うまでもありませんが、参考書では志望校の傾向に沿った問題演習ができないので過去問でたくさん演習することが大事です。
○難関大受験を考えている人へ
理系は、東大京大以外の旧帝大、東工大、一橋大などの難関大に受かる可能性は部活引退した時点での数学と英語の成績で決まってくると思います。(東大・京大は加えて文系科目がある程度できていること)なぜなら、数学英語は成績をある程度上げるのにいかんせん時間がかかります。高3で数学英語がチンプンカンプンだと間違いなく間に合いません。
しかし理科は1年間追い込めば十分間に合う可能性はあります。実際僕は11月の東工大模試の化学は2割程度でしたが、本番の2次では6割以上とれました。ですから今1,2年の方で受験勉強始めたいけど何すればよいかわからないという方はまず数学と英語を極めましょう。
[W]後輩へのメッセージ
振り返ると、部活で得た経験が受験ですごく活きました。僕は昔から精神的にもろく緊張する場面だと実力を発揮できないタイプでした。
しかし、N高3年間の部活を通していろいろな試合に出たことで精神的に大きく成長できました。2年の10月の時の試合が一番緊張したのですが、東工大試験本番の時はあのときの緊張に比べたらたいしたことないなと思って受けることができ、実力を十分に発揮でました。
また部活では泥臭い練習や死にそうになる練習が多く、受験の時は、もう死にそうにならなくて済むと思いながらやっていました。思い返してみれば1日12時間勉強したことなんか部活の練習に比べたらたいしたことなかったです。よくN高では部活をやっていた生徒は最後伸びるといわれますが、本当にその通りだと思います。もし部活やらずに3年間受験勉強して受けても、緊張して落ちたと思います。
それから、大学別模試は河合塾、駿台、代ゼミとありますが、判定は気にせずすべて受けましょう。僕は2つだけにしましたが、最後は過去問演習が終わるとやはり傾向に沿った模試の問題が重要になってきます。
最後まで、自分を信じて初志貫徹でがんばってください。
彼は、部活引退後の7月から本格的な受験勉強を始めました。英数以外の科目は遅れていましたが、複数の教材を組み合わせて、徹底した志望校の2次試験対策を実践したことにより合格出来ました。特に、理科の強化が効果的であり、大幅な得点アップにつながりました。また、模試の判定が悪くても、諦めずに努力したことが成功の要因だったのだと思います。
彼の言葉通り、現役合格するためには、運動部であっても英数の学力を身に付けておくことが必要です。最低限、教科書レベルの授業内容は理解していることが必要です。そのために、予習復習を継続することが大切です。
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