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東京大学 理科二類



 

@ 志望校の選択

 一年の5月に大学祭に行ったのをきっかけに興味を持ちました。目標が高いほうが伸びるだろうと思い、実際、志望校を決めた後は勉強に身が入った気がします。医学部と迷った時期もありましたが、将来やりたいことが曖昧だったので、広く学べる場所を選びました。


A
 勉強方法

 理系でありながら、理系科目があまり得意でなく、文系科目で稼ごうと思っていたので、教科によりバランスが悪い勉強になってしまいました。結果的にはどうにか合格できましたが、直前期、伸びしろがなくなってきて若干辛かったので、あまり偏った勉強はおすすめしません。以下、教科ごとの勉強について書きます。

英語:ディスコースマーカー英文読解(会)、キムタツ東大英語リスニング
  (アルク)三冊とも、 新こだわって下線部和訳(河合出版)
   英語構文500(南雲堂)、 鉄緑会東大英単語熟語鉄壁(角川学芸出
    版)、東大の英語25ヵ年(教学社)、 など

  英語はもともと好きだったので、1、2年の頃の勉強はほとんど英語ばかりだった気がします。1年では、東進の今井先生の基礎力養成講座で文法を固めて、2年から徐徐に読解に移りました。3年になってからは、他教科との兼ね合いもあり、塾は利用せず、ライティングの授業や講習中心に勉強していました。

要約ディスコースマーカーの本を使い、大意把握の方法を学んだ後、授業で
   扱った英文や過去問の百字要約を繰り返しました。

リスニングキムタツを使い、特にディクテーションとシャドーイングに力を
       入れました。英語の勉強の中で、多分一番時間を割いてやりまし
       た。リスニングができると長文も速読めるようになります。キムタ
      ツスーパーは、キツかったですが、おかげで本番のリスニング音声
      がゆっくりに聞こえました。

長文小説対策のために過去問を1980年代まで全部やりました。小説特有の
   口語 表現などは、慣れが大事だと思います。

英作文学校配布の構文集を覚えたあと、Z会の添削をやりました。構文は案外
    役立ちます。

 以上の勉強は夏休みぐらいまで続け、その後は1週間に1年分ぐらい過去問を時間をはかってやりました。英語に関しては、2年から過去問をやっていたため、直前期にやるものがなくなってしまい、少し困りました。数年分は残しておいたほうが良かったと思います。全体的に音読が大事だと思いました。授業や過去問の英文は音読で仕上げると理解度が増すと思います。重要ポイントを意識しながらの音読が効果的です。鉄緑会の単語集は、語源から無理なく覚えられる構成になっていて、とても良かったです。東大受験者以外にもおすすめします。


数学:大学への数学1対1対応の演習(東京出版)、学校配布の問題集、
   鉄緑会東大数学問題集(角川学芸出版)、東大数学で1点でも多くとる
   方法(東京出版)など

 数学はずっと苦手意識があり、半ば捨て気味だったので、あまり参考にはなりません。セミナーMATTではハイレベルな授業を受けることができ、ついていけなかったですが、面白かったです。

物理:物理TU重要問題集(数研出版)、東大の物理25ヵ年(教学社)

  6月から重問をやりはじめて、夏休みまでに2、3周しました。物理は文字式が多いので、答えが出たらディメンションが正しいか確認するとミスが減ると思います。原理から深く理解しないと、伸びにくくなってしまうので、多少面倒でも、教科書などで、公式の導出まで確認しておいたほうが良いです。
 秋から徐々に過去問の割合を増やし、12月からは完全に過去問に移行しました。過去問は乱解きして25年分やり、センター後は時間をはかってやりました。
  東進の回し者ではありませんが、東進の苑田先生の授業は非常に良かったです。物理の本質が分かります。運動量保存則の重心系から見た説明や、単振動の一般式、微積を利用した解法など、高校物理の範囲外ですが、深い理解には不可欠な内容が学べました。心からおすすめします。


化学:実戦化学TU重要問題集(数研出版)、鉄緑会東大化学問題集(角川学
   芸出 版)、化学TUの新研究(三省堂)

  5月から重問を始めて、夏休みまでに3周しました。基本的に物理と同様です。有機の構造決定の問題は特に何回も繰り返しました(本番はでなかったですが)。新研究は、ふと疑問に思ったことがその場で解決できるので、一冊あると重宝しました。東大の化学は高校範囲で解けますが、大学の知識も若干あった方がやりやすい問題も多々あるので、知識を補うのにも利用しました。鉄緑会の過去問は解説が非常に丁寧だったので、高価ですが、買う価値はあります。
  東大の問題は、化学より物理の方がオーソドックスな問題が出ると言われ、試験では物理から解くのがセオリーですが、先に物理をやると、計算ミスしやすい傾向にあったので、私は化学から解くようにしていました。


国語:マドンナ古文単語(学研)、鉄緑会東大古典問題集(角川学芸出版)

  現代文は授業が少なかったので、東進の林先生の記述論述トレーニングで補いました。こちらも、東進を宣伝する気はありませんが、目からうろこが落ちる授業です。現代文を解く上での頭の動かし方が分かります。現代文なんて適当に文中の言葉をつなげて答えれば良いのだと思っていましたが、いかに緻密な思考を要する科目で、採点者に頭の中身を露呈してしまう科目なのかを知りました。
  ただ、理系で二次の国語がある人は配点と相談して、国語に時間をさき過ぎないようにするのも大切です。古典は学校の授業だけでも十分でした。意味や構文を意識しながら音読すると良いです。こちらも、鉄緑会の過去問は採点基準まで載っており、古典常識も補えたので、良かったです。

センター:センター試験必勝マニュアル数学@A(東京出版)、過去問

  センター対策は、冬休みからはじめました。英語は、特にセンターのための勉強はしていません。数学は、計算が遅かったので、東京出版のマニュアルシリーズを使いました。見た目は子供騙しみたいですが、12分の1公式などの、記述では使えないが、センターには必須の公式が学べて、案外良かったです。世界史は、なかなか点が伸びず、ひやひやしましたが、前日まで必死で授業プリントの見直しを続けたのが良かったです。

  現役は最後まで伸びるは本当です。物理、化学、国語は毎日一年分ずつ過去問を解きました。東大はセンターの配点が小さいですが、1点で落ちることを考えると侮れません。完全にセンター型に切り替えると頭が硬くなるので、一週間前までは、毎日何らかの二次型の勉強を入れていました。30分程度ですが。

B苦労した点や失敗とそれらへの対処法

  勉強自体はそれほど苦でなかったですが、模試の判定が悪いと落ち込みました。最後の模試以外は全てC判定で、10月、11月が一番精神的にきつかったです。自分でもびっくりするほど泣き虫になりました。模試は本番とは、採点者からして全然違いますし、問題の質も違うので、それほど気にする必要はないと思います。それでも辛いときは、1日だけ二次のことを忘れて、世界史に没頭するときもありました。良い気分転換になります。

  睡眠時間を削って勉強しようと思った時期もありましたが、うまくいかなかったので、結局1日7時間睡眠に定着しました。その分、起きている時間をフルに使うようにしました。勉強時間が人より少ないという焦りから、かえって集中力が保ちやすかったです。

C本番について

  私は緊張すると眠れなくなる体質であり、二次試験の前日も案の定、一睡もできませんでした。そのため、一日目の国語と数学は意識朦朧としていて、自分が何を書いたのか、全く覚えていません。それでも合格できたので、極限状態にあってもそれまで頑張ってきたならば、実力は発揮できるものなのだと思います。また、私は英語で二次の得点の半分を稼ぐ予定だったので、最後の英語には、かなりのプレッシャーがかかりました。結果的には作戦成功でしたが、得意科目を極めようと思っている人は、本番の精神状態まで考慮して、他教科を捨てすぎないように注意したほうが良いです。

D後輩へ

辛いこともあるかもしれませんが、感情に流されず、淡々と勉強していってください。

きっと努力は報われます。



 彼女は、高校入学後の5月に志望校を決定し、目標に向かって戦略的に計画を立て、継続的に努力しました。その結果、着実に学力が向上して行きました。理系科目に苦手意識がありましたが、成績は常に上位で、極端な不得意科目とはなりませんでした。
 早期の志望校決定、安定した家庭学習、不得意科目を作らないような、教科間のバランスを考えた学習が合格につながったのだと思います。

 また、彼女は、授業の進度と自分の学力レベルを的確に判断し、身に付けたい教科の分野と到達目標を明確にした上で、上手に通信添削や塾を利用しました。得意教科であった英語を力をさらに強化した事、理科に時間をかけて本質的な理解を深め、問題演習により実力を向上させました。その結果、理系科目の成績も安定するようになりました。


 そして、各教科について、授業や講習の予習復習、通信添削や塾を利用した学力伸長、センター試験対策および志望校の2次試験対策の3つの学習の時期を検討し、バランス良く効果的に組み合わせたことも成功の要因であったと思います。

 彼女は、入学後も努力した結果、進振りでの好成績により医学部に進学しました。