☆私の超お薦め本



 ここでは、ページ掲載の読書リスト以前の5、6年で私が読んだ中で特に面白かった本をいくつか紹介します。 すでに文庫本化されているものもありますが、どれも絶対のお薦めばかり。 ぜひ読んでみてください。

書        名
 百舌の叫ぶ夜
 ベルリン飛行指令
 一夢庵風流記
 地下鉄(メトロ)に乗って
 将軍の娘 (THE GENERAL'S DAUGHTER)
 砂のクロニクル
 少年時代 (Boy's Life)
 リプレイ (REPLAY)
 ミステリ美術館


「百舌の叫ぶ夜」

 作者 逢坂 剛  出版社 集英社

 新宿で起きた爆弾破裂事件。巻き添えで死んだ主婦は警視庁公安部倉木の妻だった。 しかし彼女はなぜそこにいたか。暗躍する極左、極右のテロリスト。倉木は執念で深い闇をえぐり出していく。 緻密に計算されたストーリー。あっと驚く展開。全編が冷たいサスペンスに満ちた傑作。 私はこの本を読んでミステリーに目覚めました。


「ベルリン飛行指令」

 作者 佐々木 譲  出版社 新潮社

 佐々木譲の第2次世界大戦3部作の第1作。日本の新鋭戦闘機のデータに驚いたドイツの要請を受け、 2人のパイロットがインド、中東経由でゼロ戦を駆ってベルリンを目指す。 戦争秘話としても興味深いが、いかにして日本からドイツまで飛んでいくか、冒険小説として抜群の面白さ。 主人公安藤大尉にはしびれます。


「一夢庵風流記」

 作者 隆 慶一郎  出版社 読売新聞社

 16世紀後半、戦国末期の時代。尾張の荒子城主前田利久の養子前田慶次郎は、織田信長により一家もろとも城を追われ天下流浪の身となった。 彼の天衣無縫の生き様を描いた時代小説。 自らの思うままにふるまい、武芸に秀で、学識もある風流人でもあり、女はもちろん男にも好かれる主人公の魅力に圧倒されます。


「地下鉄(メトロ)に乗って」

 作者 浅田 次郎  出版社 徳間書店

 東京で年中地下鉄に乗って洋服の行商をしている男が、時間を越えて両親や恋人の過去に立ち会う。 山田太一の「異人たちとの夏」を連想させるが、さらに伏線が縦横に張り巡らされている。 ラストの恋人が消えていくあたりの描写がすごく切なくて、もうメロメロです。 吉川栄治文学新人賞受賞作。


「将軍の娘 (THE GENERAL'S DAUGHTER)」

 作者 ネルソン・デミル  出版社 文藝春秋

 米陸軍基地で将軍の娘である女性大尉のレイプ絞殺死体が発見された。 陸軍犯罪捜査部の2人を主人公に、犯人探しと腐敗した軍の体制への批判を描く。 2段組み400ページ以上の長尺を全く感じさせないエンタテインメント大作。 元恋人同士の2人の捜査官が徐々に真相に迫る様子は克明で実に面白い。


「砂のクロニクル」

 作者 船戸 与一  出版社 毎日新聞社

 民族分離独立運動の盛んな中東を舞台に、イラン国家防衛隊下士官、クルド人ゲリラ、武器商人、日本人ゲリラなどが絡み合い砂漠を血に染める冒険叙事詩。 船戸与一のあまたある冒険小説の中でも現時点までの最高傑作でしょう。 とにかく読み出したら止まりません。 他に「山猫の夏」、「伝説なき地」、「蝦夷地別件」などお薦め多数。


「少年時代 (Boy's Life)」

 作者 ロバート・R・マキャモン  出版社 文藝春秋

 アメリカの田舎町の話なのに妙に懐かしさを覚えてしまう。特に少年が自転車と一体化して走り回る様は、昔の自分の姿とだぶらせて、もう涙が出るほど同化してしまう。 想像力豊かな少年の心が見事に描かれており、いろいろな話を詰め込みながら、 物語の冒頭の事件もしっかりと解決させるマキャモンの筆力には感動もの。


「リプレイ (REPLAY)」

 作者 ケン・グリムウッド  出版社 新潮社

 ニューヨークに住むジェフは43才で死亡。しかし気付くと25年前の見覚えある学生寮にいた。 過去の知識と記憶はそのままに18才に逆戻りしたのだ。 結果を知っている彼は競馬や賭で大金持ちになるが。 誰もが一度は夢見る設定をさらに奇抜な着想で描き抜群の面白さ。 わくわくさせられ、かつ悪夢のような恐ろしい小説です。


「ミステリ美術館 ジャケット・アートでみるミステリの歴史」

 編著者 森 英俊  出版社 国書刊行会

 この本は小説ではなく、海外ミステリ本のジャケットを集めたものだが、それらはまさに"アート"の範疇に入る素敵なものばかり。 編著者のコレクションは主に1920年代からの英米ミステリで、私など名前も知らないものも多いが、眺めているだけで胸が躍ってしまう。 間に挟まれた著者らによるエッセイもためになり、かつ面白い。 ミステリーファンの宝物です。



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