[寸評]
「湿地」、「緑衣の女」に続き、エーレンデュル捜査官を主人公とするシリーズ第三作。
全体の暗さはそのまま、ミステリとしての面白さは一作ごとに上がっている印象で、読み応えのある物語になっている。
行きつ戻りつの警察の捜査も読ませるが、徐々に明らかになっていく被害者とその家族のたいへんドラマチックな物語がこの作品の肝。
これに相変わらずのエーレンデュルと娘の確執に、病理学研究所の女性との交流も加わり面白みを増している。
[あらすじ]
外国人観光客で賑わうアイスランドの首都レイキャヴィクにあるホテルの地下の小部屋でサンタクロースの衣装を着たドアマンが刺し殺されていた。
グドロイグルという名のドアマンはこの小部屋に住んでいたという。
部屋にはウィーン少年合唱団の本と昔の有名な子役スター、シャーリー・テンプルの映画ポスター。
警察の捜査官エーレンデュルは同僚とともにさっそく聞き込みを開始する。
[採点] ☆☆☆☆