メンテナンスについて 其の弐
座のペーパーコードについて
くらふとツヴァイで使うペーパーコードはデンマーク製のデーニッシュラッシュです。紙を太く撚り上げたアメリカンラッシュに比べ、デーニッシュラッシュは撚った3本のコードを更に撚って1本にしています。そのため撚りが戻りにくく編みやすいといった特徴があります。表面に蝋引きしてあるので強度、耐水性に優れ、フレームによく馴染みます。
デーニッシュラッシュの仕様は下記の通り。ツヴァイで使っているのは主に3.5mmのアンレースタイプです。
右写真の裏面
パナマ編みで座を張る場合、洋書の解説などでは、左右の台輪に等間隔で釘を打ち、表面からのロープをその釘に引っ掛け、折り返しすぐに表面に向かうように解説している。その方法はいかにも合理的で、ロープ使用量も少なくて済むが、釘が丸見えになってしまう。更に片方の台輪だけで10数本の釘を打つことになるためフレームの強度が下がってしまう。欧米では椅子は消耗品と考えられているためこれも仕方の無いところかもしれません。
私の方法は自己流ですが、左右の台輪を包み込むように裏面にも全てロープを通すため、ロープ使用量が増え不経済ですが、釘を打たないため強度が下がることは無く、しかも裏から見てもかなり美しい仕上がりになっていると思います。
これはどちらが良い悪いではなく、ユーザーが椅子に何を求めるかにより決めるべき事柄なのです。消耗品と割り切るか、一生モノとして使い続けるかにより、選択は自ずから分かれることになります。